🍘17〗ー1ーウッドショックがニッポンを襲う。発展途上国並みの三流国に転落した時代遅れの日本。~No.53No.54No.55 

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 人類絶滅をもたらす恐怖のバタフライ効果
 湯でカエル状態の日本。
 張り子の虎で、中身がない日本。
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 2021年7月4日号 サンデー毎日「ウッドショックがニッポンを襲う!
 『スカイロケッティング』──。国際商品(コモディティー)取引の関係者が『ロケットのように急騰している』とざわついた。5月上旬、木材先物価格が過去最高値に達したからだ。総合商社で長年、コモディティーに携わった柴田明夫氏が影響や見通しを読み解く。
 柴田明夫
 米シカゴ・マーカンタイル取引所コモディティ先物取引の世界的中心地だ。そこで1,000ボードフィート(約2.36立方メートル)当たりの木材先物価格が過去最高値となる1,670ドル(約18万3,000円)に高騰したのは5月7日のこと。昨年4月の260ドル台から実に6倍以上に跳ね上がったのだ。日本のメディアはこの現象を『ウッドショッ』と呼んでいる。
 『海外の材木先物価格の何が問題なのか』と思われるかもしれない。しかし、日本の自給率は37.8%(2019年、林野庁調べ)にすぎず、材木需要の6割を輸入に頼る。木材先物価格が高騰したことで、日本の商社は現実に木材の調達に苦慮するようになっている。供給不足を受け、国産集成材の価格が上がっている。時事通信が6月17日に配信した記事によると、〈この半年ほどで2割値上がりし、夏場には2倍になるとの見方も出ている〉。木材の先物価格が高騰するのはなぜか。いくつかの理由がある。
 一つ目は米国で急増する住宅着工だ。コロナ禍で一時的に冷え込んでいたが、昨年後半から急回復した。
 ……自宅にこもる生活を強いられた人々の間で、郊外の広々とした戸建て住宅に移り住む動きが活発になったのだ。歴史的な低金利が続き、住宅ローンを契約しやすくなったという事情もある。
 二つ目は米国でトラック運転手が不足していることだ。自宅にこもる人々が電子商品取引サイトで買い物を増やし、運送需要が急増した。建設作業員も足りず、賃金が上がっている。それらの状況は当然、材木先物価格を押し上げる要因だ。
 あらゆる国際商品が値上がり
 三つ目は中国でも住宅着工が劇的に増えていることだ。
 ……『私は自宅を建てる予定も、家具を買うつもりもない』という人もいるだろう。『だからウッドショックなんて関係ない』。そう考えるのは早計だ。実はウッドショックは氷山の一角にすぎない。水面下には、同根の問題が解決されないまま横たわっているからだ。
 具体的に説明しよう。
 今、『ロイター・コアコモディティーCRB指数』が6年ぶりの高値になっている。トウモロコシや大豆など穀物、金や銅など非鉄金属、それに原油といったコモディティー19種の先物価格から算出した指数だ。つまり、木材に限らず、あらゆるコモディティーが騰勢(とうせい)を強めている。私はコモディティー相場の高値が長期的に続く『コモディティー・スーパーサイクル』に入った可能性が高いと考えている。
 特に関心を持って欲しいのが食糧価格だ。経済協力開発機構OECD)と国連食糧農業機関(FAO)は昨年7月、『農業中期見通し』を発表した。その一文を引こう。
 〈世界的な新型コロナウイルスパンデミックとの闘いは労働市場や投入産業(input industries)、農業生産、交通、物流、さらに需要の変化などの弱点と相まって、世界の食糧供給網において空前の不確実性の原因となっています〉(OECDによる和訳)
 食糧供給網を巡る『空前の不確実性』は中国で高まった需要によるところが大きい。『農業中期見通し』に中国政府は即応した。国営新華社通信が昨年8月11日に配信した記事によれば、習近平国家主席は『食糧安全保障については一貫して危機意識を持たなければならない』とする『重要指示』をだしたという。
 中国政府は16年ごろから、自国の農業について『大而不強』と表現してきた。『大きいが強くない』という意味だ。食糧生産量は6億5,000万トンに上るほど多いが、農地が劣化し、乱開発が進んだほか、農業従事者が高齢化したことで自給率が下がり続けている。農業の弱体化を中国政府は強く懸念しているのだ。
 世界の穀物市場を見ると、今年まで6年連続の記録的豊作が続き、在庫は8億トン弱という過去最高水準に積み上がっている。しかし、その中身を精査すれば、過半(小麦48.3%、トウモロコシ67.%、コメ64.7%)が中国の在庫。中国が世界の穀物を買いあさっていることがわかる。
 中国にとって、食料自給率は自国の生産能力を示すだけではない。3兆ドルに上る外貨準備高を元手にした購買力も、食料自給率の一要素と考えている。生産能力+購買力=食料自給率という捉え方だ。
 実際、中国の食料品大手、中糧集団は14年、オランダの穀物商社ニデラに出資し、のちに買収を完了した。中糧集団のウェブサイトには拠点がある場所として、ブラジル・サントス、アルゼンチン・ロサリオ、米セントルイスウクライナ・ミコライウ、ルーマニア・コンスタンツァが列挙してある。約40カ国と取引する世界最大の食糧商社なのだ。
 中国が穀物の備蓄を急ぐ理由の一つは、国内で高まる食肉需要に対応するためだ。穀物は人間が食べるだけでなく、家畜の飼料として重要だ。食肉1キロを生産するために必要な穀物は、牛肉11キロ、豚肉7キロ、鶏肉4キロと非常に多い。
 食糧危機の原因は『緑の革命
 もちろん中国ばかりが世界の穀物を買いあさっているのではない。過去50年間、世界の穀物需要は5倍になった。ブラジル、ロシア、インドといった新興国が経済成長し、豊かになった人々はより多くの肉を食べるようになり、その人口は著しく増えた。
 旺盛な需要に対応し、世界は穀物生産を増やすことができた。大きな理由は、世界の農家が1950年代以降、高収量が期待できる品種に切り替え、化学肥料を大量投入して生産性を高めてきたことだ。『緑の革命』と呼ばれる動きを主導した米国の農業学者、ノーマン・ボーローグはその功績が評価され、70年にノーベル平和賞を受賞している。今に続く農業の基礎を作ったと言っていい。
 だが皮肉なことに、緑の革命こそが『食糧危機』と言うべき今の状況をもたらしてしまった。
 一つ目の理由は、多くの農家が一つの品種だけを作る大規模農家に転じた結果、土地が痩せ細ったことだ。今、世界の耕作面積の2割(約1.9億ヘクタール)が単作だ。農家は大型機械を取り入れて農作業を効率化し、農薬、化学肥料、改良品種を使って収量増を追及したのだ。
 その結果、耕地から雑草がなくなったのはよいが、わずかな風や雨によって表土が流出するエロージョンという新たな問題が起きるようになった。そのままでは収量が減少しかねないので、農家は別の化学肥料や遺伝子組み換え品種生物を使う。すると土地がさらに痩せるというイタチごっこが多発するようになった。
 もう一つの問題は、大規模農家が農民から食糧を奪っていることだ。大規模農地で作る農産物は売り物であって農家の食べ物ではない。そういった論理で、大規模農場の多いアフリカで飢餓が起きている。これを食糧危機と呼ばないで何をそう呼ぶべきか。
 ボ-ローグの受賞からちょうど50年後の昨年、ノルウェー・ノーベル委員会は国連世界食糧計画(WPP)に同じ平和賞を授与した。小規模農家や飢餓に苦しむ人々を支援したことなどを評価したのだ。
 世界の農業の今、転換期にある。弊害が多い大規模農業から、地産地消を基本とする小規模農業を農業の中心にし、SDGs(持続可能な開発目標)を達成しようという動きになっている。
 ウッドショックや食糧価格の高騰は、大規模農業の弊害が及ぼす危機のほんの予兆にすぎない。例えば、世界的な水不足だ。大規模農業は生産量を増やすため、地下水をますます多く使うようになっている。その結果、地下水だけでなく河川水の流量も低下するという問題が起きている。農業は世界の水使用の7割を占めるのだ。国連環境計画(UNEP)は25年までに48カ国に住む28億人が水不足に直面すると予測している。
 そして新型コロナは大規模農業に大打撃を与えた。米国やヨーロッパの大規模農場や食肉加工工場で現場労働を担うのは、賃金が低い移住労働者だ。国際移住機関の『世界移住報告書』20年度版によれば、高所得国で働く移住労働者は17年、1億1,120万人に上ったという。新型コロナの感染が世界中を席巻する中、大半の国が国境をまたぐ人の移動を何らかの形で制限した。それが大規模農場の操業に重大な支障をきたした。
 日本の政策は世界に逆行している
 日本はどうか。安倍政権時代、政府は『攻めの農林水産業』を標榜し、生産者の大規模化や企業による参入を後押しし、産品の輸出を拡大して生産者の所得倍増を狙った。この政策は一周遅れどころではない。世界が大規模農業の問題点に気づき、小規模農業や地産地消を柱とする方向に回帰する中、日本はよりによってグローバル化を目指している。
 世界の潮流は真逆だ。食糧危機を招いた原因は、農業生産や農産物の流通を経済合理性に基づく形で再編し、利益を追求したことだ。そんな認識が高まり、国連は今年9月、ニューヨーク本部で『国連食料システムサミット』を開催する。
 農政以外を見渡しても、日本の政策は世界の潮流に逆行する。南アルプスをぶち抜く中央リニア新幹線、カジノ客の誘致を狙う統合型リゾート、新型コロナの感染を抑えられない中で開催に突き進む東京オリンピック。経済成長ばかりに目を向け、SDGsを一顧だにしない。これでは日本は破滅に向かって進んでいると批判されても仕方がない。
 世界中の中心的な課題は地球温暖化になった。アフリカでサバクトビバッタが大量に発生して中国やパキスタンにまで被害をもたらし、オーストラリアや米カリフォルニア州で歴史的な規模の森林火災が起き、今まで経験のない甚大な水害が頻発し始めた。地球温暖化が原因なのは間違いない。
 そこに新型コロナの蔓延だ。多くの国の中央銀行は景気を浮揚させるために金融緩和に走った。ダブついたマネーは未曽有の規模に膨張している。マネーが向かう先は投機だ。その一部はコモディティーの先物取引に流れ込み、コモディティー・スーパーサイクルが始まった。それによって食糧価格が暴騰するようなことがあれば、多くの人が飢えるだろう。
 ウッドショックはふと顔をのぞかせた崩壊の予兆なのだ。このまま手をこまねいていたら人類は滅びるのみだ。もう一度言おう。私たちは地球上の生物が迎える6度目の大量絶滅に向かっている。やり直すなら今だ。  構成/ライター・角山祥道」
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 世界的な食糧危機は、急激な人口増加ではなく、自然環境を破壊する化学肥料と地下水による食糧増産の「緑の革命」、大型農業機械を導入して単品種のみを大量栽培する大規模農家・農業法人・農業会社、地球温暖化による肥沃な農地の消滅で起きている。
 つまり、現代人類の自然破壊を正義とする近代的科学文明が原因である。
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 少子高齢化による人口激減で老衰化が加速する老人大国日本は、国内外で外国人労働者の支援・介護・助けがないと生きていけなくなっている。
 後、20年・30年は団塊ジュニアの高齢者を無理やり働かせられるが、それ以降は労働人口消失により各分野で急速に労働者・働き手が減っていく。
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 衰退した日本農業と疲弊した日本農家を最終的に破壊したのは、自民党公明党連立の安倍晋三保守政権である。
 安倍政権下で、日本は多くの分野の全ての産業で発展を止めて停滞し、大きく変わる時代に取り残され、世界の潮流に乗り遅れるどころか逆行し、諸外国に比べて先進国とは思えない程に周回遅れの衰退国へと転落した。
 それが、武漢肺炎(新型コロナウイルス)蔓延によって醜態を晒した大混乱である。
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 農業は、輸出用の大規模農業から地産地消の中規模農業もしくは副業を持った兼業農業に変わりつつある。
 1980年代から2010年代頃まで、日本が新しい農業として目指したローカルな中小規模農業・零細農業からグローバルな大規模農業への転換は、農業崩壊を加速しただけで無惨にも失敗した。
 が、政治家、官僚、企業家、学者そしてメディア関係者で、誰も失敗を認めず、誰も責任を取らない、それが現代日本である。
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 現代日本人で、戦前日本の、昭和5年から昭和16年までの悲惨な地方・農業・農家を知る者はいない。
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 戦前の日本は異常気象によって凶作で飢餓が発生し食糧(コメ)確保の為に東南アジアを侵略し、その過程で「止むに止まれぬ」状況に追い込まれ、米英蘭に対して絶望的戦争を仕掛けた。
 日本軍は、内地からの補給が途絶えた為に食糧を現地で調達していた。
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 日本民族は農業漁場採取の民であったが、現代日本人は都市労働者として農業漁場採取を知らない。
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 日本人は口を開けば農業の大事さ食べ物の大切さを言うが、本心から語っているわけではなく、本音は日本農業不要論である。
 それは、戦後の日本の「経済効率を追求して利益を上げる」という経済史が証明している。
 高齢化・後継者消滅の日本人農家は切り捨て、外国人農業労働者と外国人移民(主に中国人移民)を大量に受け入れて日本農業を救う、という事である。
 その証拠が、食糧自給率の低下と食品ロスである。
 それは、原始的農業漁労採取の日本民族からの人類的な進化・進歩・発展である。
 つまり、キリスト教的な「人はパンの為に生きるのではない」あるいは儒教的に「人は礼節・真理の為なら食べ物を捨てる」という事である。
 だが、日本民族は食べる事は神仏に対する神聖な神事・宗教儀式として石器時代縄文時代から生きてきた。
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 中国は、日本と同じように食糧輸入大国であるにもかかわず、日本近海はおろか世界中の漁場で乱獲を繰り返して沿岸諸国とトラブルを起こしても謝罪や反省はなく、無計画な漁で水産資源に深刻な打撃を与えている。
 中国人の漁は、食べ物は全て食べ尽くす大陸飛びバッタによる蝗害に似ている。
 つまり、飢えに苦しみながら長時間かけて餓死するよりは、毒入り食べ物であっても食べて一瞬であっても満腹を味わって死んだ方がまし、という事である。
 日本人と中国人・朝鮮人とは正反対である。
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 日本にとって中国共産党政府・中国・中国人はアメリカ、アメリカ人とは違って、あらゆる分野において国際法・常識・ルール・約束を踏みにじっても利益を得ようとする信用できない競争相手であって、心を許して協力し安心し信頼して共存できる友人・親友・戦友ではない。
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 日本は多くの分野で自給率が低く、不足分を日本円ではなく外貨・米国ドルで外国で買い付け、同盟国のアメリカ軍に護られながら安全・安心・安定して輸入し、所得の低い日本国民は外国製もしくは外国由来の商品に囲まれながら豊にそして幸せに生きている。
 特技がなく大金を稼げない貧しい下級国民の日本人は、安価な外国産製品の輸入が途絶えると最悪の場合は死んでしまう。
 日本国・日本人は、国際基軸通貨であるアメリカ発行の米国ドルで生きている。
 日本は、生きるのに必要な食糧・物資・エネルギーなどを国際基軸通貨である米国ドルで購入している。
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 宗教心のない現代日本人にとって、食べ物とは金で買う消耗品で、食べたくなければ生ゴミ・残飯として捨てた。
 宗教心のあった昔の日本人にとって、食料とは日々の苦役・努力の褒美として日本の神々から与えられる神聖な食べ物であるとして、日本の神々に感謝して粗末にせず有難く食した。
 飽食化し食べ物を粗末にする日本人は、まだ食べられるにもかあわらず罪悪感を感じず食べ物を捨て去る。
 食品ロスは、神仏を殺している現代の日常現象であって、神仏と共に生きていた昔はなかった。
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 武漢肺炎(新型コロナウイルス)のパンデミックによって、いざとなれば世界各国は国家エゴに走り、自国を優先して他国を排除し助けない事が明らかとなった。
 世界の常識とは、他国・他人を頼らず・あてにせず・期待せず、自国で自助努力する事である。
 世界は、非情・冷淡で「誰も助けてはくれない」という事である。
 第九条の日本国憲法とは、他国依存憲法で「誰かが日本を助けてくる」という憲法であが、現実世界では完全否定された。
 そして、日本は優れた先進国ではなく三流国以下のダメ国家である事が明らかとなった。
 日本は、今やつまらない国に成り上がった、そのしょうこが「日本は世界で信頼され、日本人は世界で愛されている」という根拠のない自慰表現である。
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