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2020年9月5日号 週刊現代「今週のへえ~、そうなんだ
今週のネタ本 『海水の疑問50 みんなが知りたいシリーズ4』
日本海水学会編 上ノ山周編著 成山堂書店
(櫻)
太古の海水は塩辛くなくて酸っぱかった
……
しかし実は、太古の地球の海水は塩辛くなかった。むしろ、その味は酸っぱかったことが分かっている。
地球が誕生した46億年前に時を戻そう。太陽系ではたくさんの小惑星が集まり、衝突を繰り返していた。地球にも、一日数千個の隕石が降り注ぎ、地球という星は成長を続けていった。
衝撃した瞬間に発生する熱で隕石はどろどろに溶け、地表は真っ赤なマグマに覆われた。また、衝突の熱で水蒸気が発生し、太古の地球は大気に包まれていった。
地球誕生から約2億年が経つと、隕石の衝突も収まってきた。地表の温度も下がり、今度は大雨が降り始めた。年間雨量10mを超える雨は1000年近く続き、いよいよ地上には広大な海ができ上がる。
実はこの雨には、塩化水素が含まれていた。そのため雨が留まってできた古代の海はとても酸っぱかったのである。といっても、塩酸を飲めば口の中が溶けて爛(ただ)れる。古代の海水も、もし飲めばとんでもない激痛を感じたはずだ。
生命が誕生するような『母なる海』は、ここから長い年月をかけて酸性度が弱まることで誕生した。酸性の海によって地表のナトリウムやマグネシウムが溶かされ、中和反応が起きたからだ。
酸性とアルカリ性が混ざると中性になる。そしてこの化学反応と同時に生まれたのが『塩』だ。現在、海水には約3.5%の『塩』が含まれ、うち約78%をいわゆる食塩、『塩化ナトリウム』が占めている。
海水に含まれる『塩』にはほかに、苦(にが)みを感じさせる塩化マグネシウム(10%)、ほのかに甘い硫酸カルシウム(約4%)もある。海水を蒸発させて作られている天然塩の複雑な味わいは、海水に含まれるさまざまな『塩』によって決まる。
海水の強烈な塩辛さは、地球が歩んできた46億年の積み重ねなのである。」
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