🌀12〗─4─世界の常識としてのロックダウン。マレーシア。~No.115No.116 

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 アジア諸国にとって、現代の日本は手本とする国でもなく、学ぶところも真似るところも少ない。
 日本の魅力は、戦争に強かった明治時代まで古い日本であって、戦争を忌避する平和な現代の日本ではなかった。
 日本を訪れる外国人観光酌は、現代日本の街並みではなく昔の町並みを見、現代日本人ではなく昔のサムライや忍者に憧れている。
 現代の日本は信用され、現代の日本人は愛されている、はウソである。
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 2020年4月20日 msnニュース 東洋経済オンライン「マレーシア「日本を追い抜いた」感染抑制の成果 国境封鎖に加え地域ごとの厳格な管理を徹底
 海野 麻実
 © 東洋経済オンライン クアラルンプール市内のスーパーマーケットでは、入店前に必ず体温チェックのうえ、“ソーシャル・ディスタンス”を1m以上保つことが求められる(筆者撮影)
 日本より約1カ月早く、事実上の国境封鎖をアジアで初めて断行したマレーシアで、少しずつその「ロックダウン効果」が見え始めている。
 当初、日本より感染者数、死亡者数ともに大幅に少なく、3月前半までは目立った感染者数の伸びも確認されていなかったマレーシア。しかし、3月15日に突如として前日の35人から190人と急速に1日当たりの新規感染者数が増加した後、連日100人超の新規感染者数を記録し続け、4月初旬までの間には同200人を超える日も出ていた。
 「マレーシアの窮状が示す集団行事の巨大リスク」(2020年3月24日配信)で詳しく報じたように、クアラルンプール郊外のモスクで行われた大規模礼拝が集団クラスターとなったこともあり、マレーシアでは3月下旬において大幅な感染者数の伸びが続き、日本の感染者数を一時は一気に追い抜く事態となっていた。
 これを受けて、マレーシア政府は非常に早い対応を見せた。翌3月16日にはムヒディン首相が緊急会見をして、わずか2日後の18日からの事実上の国境封鎖と活動制限令(一部を除く原則的なロックダウン)開始を宣言。当初2週間の予定で出された活動制限令は2度にわたって延長されて、4月28日まで続くことになり、その間、市民の外出制限は日増しに強化されるなか、ここ数日は状況に変化が見られている。
新規感染者1日100人超の状態を脱しつつある
 新規感染者の急速な増加を示した3月15日からちょうど1カ月後の4月15日、1日当たりの新規感染者数は100人を下回り85人、(翌日16日には110人となったものの、)17日69人、18日54人、19日84人と、1カ月ほど続いていた1日当たり新規感染者数100人超の状態を脱しつつあるように見受けられる。
 一時は日本の累計感染者数も追い抜いたものの、昨日(4月19日)時点で、日本の感染者数1万0361人、死亡者数161人に対して、マレーシアの感染者数は5389人、死亡者数は89人となっている。約半月前の4月2日時点では、日本の感染者数2384人、死亡者数57人に対し、マレーシアの感染者数は2908人、死亡者数45人と、マレーシアの感染者数のほうが多かったものの、この2週間ほどで立場は逆転している。
 もちろん、国全体の人口は日本が約1億2600万人、マレーシアは約3100万人と4倍近い開きがあり一概に比べられないものの、一足早く封じ込めを断行したマレーシアの新規感染者数が減っている実例は、現在、急速に新規感染者数が拡大している日本とは対照的だ。
 マレーシアではどのように感染拡大の封じ込めを行なってきたのか。
 現在、マレーシア保健省は、感染の危険性に応じて、国内の地域を4つに分けている。具体的にはレッドゾーン(41以上の陽性反応症例が出た地域)、オレンジゾーン(21から40の陽性反応)、イエローゾーン(1から20の陽性反応)、グリーンゾーン(陽性反応の症例なし)だ。
 生活必需品や食料も「配給制」に
 地域内で患者数が41人以上になるとレッドゾーンとみなされ、国が集中的に消毒作業を行い、警察と軍隊により監視が強化される。レッドゾーン内で、急な感染拡大が生じた際には、現在発布されている活動制限令の強化版が適用され(強化された活動制限令EMCO)、原則的にその地域への出入りが完全に規制されて事実上の完全封鎖。住民の外出は一切許可されない。生活必需品や食料は「配給制」となり、住宅から”ソーシャル・ディスタンス(社会的な距離)”を取って置かれたものを受け取る、という徹底した厳戒態勢が敷かれる。食料の配給は防護服に身を包んだ職員から受け取る徹底ぶりだ。
 マレーシアで暮らす多くの日本人にとっても決して他人事ではない。多くの駐在員やロングステイの日本人が暮らす首都クアラルンプールやジョホールバルでも、レッドゾーンに指定される地区は数多く点在する。
 当初は地域ごとにレッドゾーンが指定されていたが、クアラルンプール市内では、日本の百貨店そごうや観光シンボルでもあるKLタワーなどが立ち並ぶエリアにあるコンドミニアム(マンション)で17人の感染者が発生したことから、このコンドミニアム全体が危険ゾーンと見なされ、強化された活動制限令(EMCO)が敷かれた。これにより、このコンドミニアムの住民は一切の外出が許可されなくなった。
 帰国のために空港に行く際にも(州をまたぐ移動となる場合)警察の許可証を基本的に得ることが推奨されており、もはや身近に迫った、我が身に明日にでも降りかかるかもしれない深刻な事態として受け止められている。
 筆者の住むクアラルンプール中心部にあるコンドミニアムでも、まだ感染が拡大する前の1カ月以上前の段階で、「コンドミニアム内で中国本土から帰国して新型コロナウイルスの検査を受けた住民がいる」との通知が張り出されていた。その住民の検査結果は陰性だったにもかかわらず、そのような情報がこまめに共有される厳格ぶりは徹底しており、住民の意識も徐々にこの1カ月で高まっている。
 ちなみに、マレーシアのコンドミニアムには、ジムやプールなどの共用施設が備わっているものが多いが、そうした施設もすべて閉鎖され、コンドミニアムの敷地内でのジョギングさえも禁止されている。スーパーマーケットでも入店前には客1人1人に対して体温検査が義務付けられており、37.6℃以上の場合は入店を拒否される。レジの前もソーシャル・ディスタンスを保つために1メートル以上の間隔を置いてテープが床に貼られており、これらを守れていない店舗については、巡回している警察から厳重な注意を受けることとなる。
 外食禁止でテイクアウトか宅配のみ
 さらに、マレーシア政府は、東南アジア版ウーバーイーツとも言える飲食宅配代行サービスのグラブフードやフードパンダなどのオンラインサービスを積極的に利用するよう、国民に呼びかけている。首相自ら、外食はしばらく我慢してデリバリーサービスを頼もう、と緊急会見で訴えており、今やいっさいの外食は禁止されてレストランはテイクアウトか宅配注文のみ受け付けている。
 フードパンダでは「コンタクトレス・デリバリー」と銘打ったサービスを開始。バイクのドライバーと注文した客が、受け取り時に接触することがないよう“最大限の安全”を確保するため、客に自宅の外に受け取り場所を設けてもらい、ドライバーが配達したことをスマートフォンのアプリを通じて連絡する、という仕組みをスタートさせている。オンラインで支払いまですべて完了できるシステムのため可能となる。
 これも、政府から指示されている、最低でも1メートルの「ソーシャル・ディスタンス」を守るための対策であり、各バイクのドライバーは配達ごとに手洗い、消毒を徹底するよう会社から指示されているという。
 ムヒディン首相は、国民に向けてこう強く宣言した。
 「国民の皆さんが、未来に向けて私たちの日常生活において実践しなければならない“新たなノーマル”の意味をきちんと理解してくれると信じています。かつて、握手は“ノーマル”な習慣でした。しかし、今は違うのです。ウイルスに感染することをまず避けるため、握手は出来ません。尊敬の念を込めてお辞儀をしましょう、これが新しい“ノーマル”です」
 アジア初の事実上のロックダウンに踏み切ったマレーシア、その効果が今後続くかどうか。今の日本にとっては大いに参考になる事例といえよう。」
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