🌌20}─4─南極で過去最高気温18.3度。〜No.95  

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 植物にとって、CO₂(二酸化炭素炭酸ガス)は生きる必要であり、酸素酸素(O₂)を作り出すに必要である。
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 マルクス「大洪水よ、我が亡き後に来たれ」

 2020年3月8日号 サンデー毎日「サンデー時評  高村薫
 南極で過去最高気温 
 石炭火力依存への警告
 南極半島北端で2月6日、過去最高となる気温18.3度を観測したという外電の一報に、どれだけの人が目を留めたことだろう。国内ではほとんどニュースにならなかったのは、たとえば昨年9月から5カ月も燃え続けた末に、日本の国土の四分の一の広さの森林を焼失させたオーストラリアの山火事や、日本でも雪の季節の到来が遅れに遅れた今冬の暖かさなど、異常気象がすでに日常になってしまったいま、もはや南極の気温がことさら衆目を集める時代ではないというおとだろうか。いまも感染拡大が続く新型コロナウイルスや、それに伴う社会や経済への影響ほどには、私たちの暮らしに直結する問題でないということだろうか。
 とはいえ、こうして私たち人間が地球環境の保全より目先の欲望を優先し続けてきた結果が、過去50年間で3度上昇してしまったこの南極の気温であり、これが不可抗力の自然の話でないのは言うまでもない。また、南極の氷の消失がもたらす海面上昇の危機が、以前から繰り返し言われてきたなかで伝えられる18.3度という数値は、けっして単なる数値ではない。人類に発せられた非常警報だと思うべきである。
 折しもパリ協定が動き出した今年、日本は先進国で唯一、石炭火力発電推進の旗を降ろさず世界の顰蹙(ひんしゅく)を買っているのだが、温室効果ガス削減の目標値を低く抑えたなかで進める日本のエネルギー政策には、世界を納得させる根拠も戦略も勝算もない。あるのは地球環境への無関心と慢心であり、気温上昇を抑えようと真剣に取り組んでいる世界への背信だが、これは日本人の多数が望んだ道なのだろう。おそらく違うだろう。では、国民の選択ではない石炭火力依存がなぜ国策なのか。
 ……
 いまでは石炭火力といえども環境基準を満たすためのコストは増大しており、CO₂排出量が半分で価格も低下している天然ガスと比べて、特段の優位性はない。また欧州では石炭火力への投資が控えられ、日本でも追随する金融機関が出てきている。それでもなお、電力業界が石炭火力に固執する理由は何か。こうしてエネルギー事情が変化してゆく世界で、電力業界にも確かな理由はない、というのが真相ではないか。
 例によって、一度敷かれたレールを踏襲する以外の発想と意志をもつ人間がいないというだけのことではないか。合理的な説明がつかないことについて、どのみち誰も責任を問われない社会では、見直すより黙渦するほうが楽だというだけのことではないのか。
 これが、政治と企業のそんな無責任と怠慢だけの話であるなら、私たちの世論一つで方向転換させることは可能なはずである」
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 地球温暖化論者は多数派で、地球温暖化懐疑派と地球寒冷化派は少数派である。
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 日本国内の反原発派は、原子力発電を廃止したとの電力供給源として自然エネルギー・再生エネルギー派と石炭派に分裂している。
 温暖化防止派は、自然エネルギー・再生エネルギー派と原子力化石燃料自然エネルギー・再生エネルギー派などに分裂している。
 諸外国は、温暖化防止として脱化石燃料発電を進めている。
 日本だけは、石炭と天然ガスによる火力発電を進めよとしている。
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 日本国土の下には、エネルギー源となる石炭がわずかにあるだけで、主要な石油・天然ガスそしてウランなどがない。
 その為に、日本のエネルギー自給率は低く、必要な石油・天然ガスを高額で輸入している。
 国内の石炭もあらかた掘り尽くされ、新たに石炭を掘るとしても日本人炭坑労働者を確保するのは難しく、そもそも日本には採掘技術そのものが廃れ絶えている。
 現代日本の電力を賄う為には、それだけの石炭を輸入するしかない。
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 軍国日本が太平洋戦争を始めたそもそもの原因は、仏印満州を含む中国からの全面撤退ではなく、アメリカ・イギリス・オランダによって石油のエネルギーと米の食糧を売らないという、油断と食断の経済封鎖であった。
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 自給率の低い日本は、食糧・物資・エネルギーをアメリカかその支配地域・影響下地域で大量に購入し、日本の生命線である海上輸送路をアメリカ軍の保護を受けて安全に行っている。
 そして、金融・情報・通信・諸サービスをアメリカに依存している。
 それは、日米安保条約によって保障されている。
 何故なら、国際機関や国際法には「軍事力による平和」という裏付けがないからである。
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