📉41】─1─大学の研究現場は衰退し、優秀な人材は海外に流出し、科学技術立国日本は衰退する。~No.87 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本は、日本人の意思で確実に衰退、破滅への坂を転げ落ちている。
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 江戸時代から、日本の底力・凄技は日本国語が持つ多様性に富んだ翻訳能力にあった。
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 公用語を西洋語とし日常語を母国語とする2カ国語使用国は、軍事力があっても経済力と科学技術力のない発展途上国である。
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 江戸時代の知識人は外国語を話せなかったが、外国語を話せる現代の高学歴出身知的エリートよりも優れ、世間・社会に貢献し、各方面で日本を発展させていた。
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 日本人西洋礼賛主義者は、日本の発展の為だと言いながらその実、日本を貶め、西洋諸国よりも劣った国、貧しい国に、発展途上国並み国家に落とすべくべく全力を挙げている。
 目的は、日本をグローバル化で改善する為に、日本のローカル性を覆滅し、天皇制度を廃絶し、日本ナショナリズムを消滅させ、日本民族日本人を絶滅させる事である。
 日本人西洋礼賛主義者とは、反天皇反日的日本人である。
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 政府や財務省は、毎年数十兆円増加している1,000兆円以上の財政赤字を、未知数の経済発展による収益で解消するのではなく、現時点で計算できる数値を基準として経済や国民生活を犠牲にしても解消しようとしている。
 メディアも、「経済発展無用論」を広め、子供を犠牲にしても自分だけの老後資金を確保すべきであると報道している。
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 少子高齢化による人口激減が加速化する日本では、生産性を上げ効率の良い経済発展が必要不可欠である。
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 ノーベル賞は、費用対効果では受賞できない。
 大いなる無駄ができる豊かさゆとりがないとノーベル賞受賞はありえない。
 つまり、口先だけではなく多様性と寛容さを持つ国だけが手に入れる栄冠である。
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 現代日本が行おうとしている英語教育とは、日本を英語圏の二流国に落とし、学生の学力を低下させるのが目的である。
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 2019年1月3日・10日号 新春特大号「池上彰のそこからですか!?
 池上彰×山極寿一
 『このままでは〝技術立国〟日本は滅ぶ』
 大学ランキングは愚の骨頂、財務省は亡国を招く・・・
 2018年、本庶佑さんのノーベル賞受賞に日本中が沸いた。京都大学関係者による受賞はこれで10人。しかし大学は年々削減される予算にも青息吐息。このままでは日本の人材育成、研究環境は破壊される──。
 ……
 池上 さて、国立大学協会の会長でもある山極先生が、いまとりわけ強く国に対して提起をしているのが、『国立大学の法人化は失敗だった』という意見です。
 2004年に国立大学を法人化する際に、大学の運営に必要な費用については、学生からの授業料と政府の補助金(運営費交付金)で賄うことになっていました。ところがこの政府の補助金は、毎年1パーセントずつ減っていきます。この話、前の年の額から1パーセント減るんだと思っている人が結構いるんですよね。そうではなくて、減額を始めたときの総額から機械的に1パーセント分を削って、100年後にはゼロにするという話なんですよね。
 山極 そうです。だから14年間やってきて、もう14パーセント以上、額にして1,400億円削られているんです。いま国立大学の運営費交付金は1兆1,000億円。そこでいま下げ止まっていますが、一方で支出はどんどん増えています。電子ジャーナル(オンライン化した学術雑誌)など物品の購入費が高くなり、そのしわ寄せが人件費にきている。
 財務省にいわせると、運営費交付金を削った代わりに、競争的資金や科研費(科学研究費補助金、学術研究補助基金補助金)を増やしているから総額は減っていない、と。
 しかし運営費交付金だけでは教員の給料が払えなくなっている。だからどこの大学でも教員数を減らしています。教育というのは、学生に手間暇かけて教えるサービスをしなくてはならないのですが、そういったサービスも疎(おろそ)かになるし、人も減って研究時間も減って論文も減っている。グラフにするときれいな相関関係を示しているんです。
 そもそも、2003年に国立大学法人法が国会を通過する際、国立大学に十分な財政措置を行う旨、国会で附帯決議をしています。ところがその舌の根が乾かぬうちの、財務省は毎年1パーセント削減を始めているのですよね。
 先日ある財務官僚が私に『運営費交付金を削らなければ、もっと大学はひどいことになっていた』と言っていましたから、私は言ってやったんです。『交付金を削って良くなった証拠を出してください』と。
 池上 エビデンスを示せ、ということですね。
 山極 そう。彼らの話にはエビデンスが全然ない。
 しかも民間の寄付を活用するにしても、財務省の税制措置は非常に厳しくて簡単ではない。具体的にいえば、税額控除される寄付は、学生の奨学資金に限られていて、その他の教育経費や研究には使えないのです。
 企業が大学に寄付をして、協同研究をすれば、税額控除を受けられないとなったら、企業からの寄付金は増えませんよね。運営費交付金を削るのであれば、そういった財源を補完する仕組みがあっても良いはずなのに、財務省は一切認めないでいる。ドイツやイギリス、韓国やシンガポールなどと正反対のことをしているわけです。
 池上 なるほど。
 山極 財務省が国会やマスコミなどに出す資料は、データをものすごく意図的に曲げています。たとえば国公立学生一人あたりにかける公費の計算で科研費も入れ込んだり、研究開発費には、私立大の授業料も入れて計算しているんです。
 池上 それはずるいですね。科研費は研究に使うもので学生には使いませんからね。
 山極 そういうマジックで『日本の政府は学生にも研究開発にもドイツなみにお金をかけている』という数字をつくった上で、『論文生産性が悪い』って言っているんですね。論文生産性という考え方自体がナンセンスですけれど。
 前出の財務官僚がさらに批判のつもりで言ったのが、『財務危機に陥った企業はどんどん統廃合したけれど、大学は全然していない』。企業と教育とが同じだと思っているのですね。
 企業は売れる製品を開発しなければなりません。つくった製品がどれくらい売れるかで企業の評価は決まります。しかしそんな評価を大学に持ち込んだってうまくいくわけがない。大学はモノの生産の現場ではなくて、人と能力を育てる現場なんですから。
 これから世界の舞台で活躍できる可能性を秘めている学生たちを、我々は育てようとしているんです。にもかかわず、今の財務省は、要するに企業と同じ物差しで大学を計ろうとしているんですね。
 池上 しかし、それは文部科学省財務省に抵抗しなければいけない話ですよね。
 山極 そも文科省の高等教育のグランドデザインというものが、非常にぼんやりとしている。けっきょく財務省が政策を立案して、文科省が実施しているというのが実態なんです。
 そうした財務省の政策で進んでいった結果として、日本では博士課程に進学する学生がどんどん減ってきています。
 他の国では博士課程への進学率は上がってきているのに、研究という世界に魅力を感じなくなっている学生が日本でだけ増えているんです。日本はで『科学技術立国』、『研究立国』でしたよね。学術で先頭に立たなければ、日本は国際舞台で立ち行かなくなります。その未来の国際舞台に登場する学生を育てなくて、日本の未来があるのか。財務省の理屈は、亡国論だち思いますね。
 池上 運営費交付金が減った分は、それぞれの研究者が科研費で賄えということなると、日本学術振興会の公募に申請して審査に毎回通らなければならない。しかも科研費は期限付きですから、現場の研究者はひたすら書類を書いていていますね。私が教えている東工大でも、教員向けに科研費を取るための書類の書き方講座が開かれています。
 池上 学校の教職や研究職も、非常勤や期限付きが激増しましたね。
 頭脳流出はもう始まっている
 山極 2018年にノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑さん(京大高等研究所特別教授)だって、世間で全然認知されないような薬を開発する20年間の下積み時代があって、やっと花開いたわけですよね。2016年に同じノーベル賞をとられた大隅良典さん(東工大栄誉教授)も、なかなか自分の研究が認められない時代が長く続いた。でもそこで辛抱強く、いつかおれは面白い発見につながると思って研究を続けてきたんです。
 これは少額でも研究を支援する体制とお金があったからです。
 池上 研究者としての身分が保障されていましたからね。任期付きのポストでしたら、とても腰を据えて研究はできなかったでしょう。
 山極 そのとおりです。
 池上 そうなるとたとえば研究を維持しようと思ったとき、シンガポールや中国から『まるごと全部保障しますから、皆さん来ませんか』という誘いがあると、これは魅力的ですね。
 山極 そう。だから頭脳流出はもう始まっています。それから、学生流出もですね。学生だって大学のサービスが低下して、しかも自分の研究者としての道にも不安があるなら、お金を出しても海外で高い教育を受けようという話になります。
 いま受験産業アメリカやイギリスの大学を薦めていますからね。裕福な家庭は自分の子供をスタンフォードやオックスブリッジに入れようと考えますね。
 池上 日本の大学に入って、海外留学する道もありますが、最近は海外に留学する学生が減ってきています。新卒採用のタイミングにあわないので、就職しづらくなってしまうと。
 山極 それも影響していると思います。ところで、日本と同じくらい、国内の学生が留学しない国があるんですが、どこかわかりますか?
 池上 アメリカでしょう。
 山極 答えはイギリスです。
 池上 え。EUの中ならどこにでも自由に行けるようになっていたけれど。
 山極 それでも行かない。イギリスが一番だと思っている。
 池上 イギリスにはオックスフォードやケンブリッジもありますし。
 山極 いま、世界大学ランキングってありますよね。あの制度は、イギリスでブレア首相の時代にはじめたものです。
 彼らの目論見というのは、アジアの、とくに中国の裕福な学生をイギリスにどんどん集めることにあります。なぜかといえば大学の資金集めのためです。要するに、イギリスの教育ビジネス戦略です。あの大学ランキングで絶対出てこない項目があるんですが、池上さんはわかりますか。
 池上 いえ。
 山極 授業料ですよ。
 池上 なるほど。ランキング上位校は学費が高い。
 山極 ハーバードやスタンフォード、MIT、イギリスの大学もみな授業料が非常に高いです。そういった裕福な大学は、有名な研究者を招いて研究してもらって論文をいっぱい書いてもらいます。すると、ランキングが上がって学生も来る。お金も入る。そういう正のスパイラルが働いています。
 池上 たとえば教授に招かれたノーベル賞受賞の学者は、研究だけやって大学で教えなくて良いのですよね。学生が進学してみたら、その学生のティーチングアシスタント(TA)が教えていたとか。
 山極 どの大学もほとんどそうです。2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥さん(京大iPS細胞研究所所長)は、いま月の半分はカリフォルニア大学に行っていますけれど、向こうにつくと本当に落ち着くと言っていますね。日本にいると金の算段ばかりだから。
 日本の政府や産業界は『日本の大学はランキングが落ちている。もっとランキングを上げろ』と国立大学に要求していますが、そのための資金政策もなく、対策の中身は大学に丸投げしています。
 しかも日本に来ている留学生は、日本政府がお金を出して『来てください』と招いている国費留学生が多いですね。お金を払ってくれる学生を集める教育ビジネスはしていないし、教育外交もしていない。
 そもそも日本の国立大学が、世界ランキングが高くなって、世界の評判が良くなる以上に、いったい何の得があるのでしょうか。
 日本人だからこそ強みを
 池上 イギリスの国家戦略として、イギリスの大学がランキング上位になる仕組みになっているわけですね。日本でそのランキングを上げるとなると、留学生や英語の授業を増やせとか・・・。
 山極 そうそう、英語をしゃべる外国人教員をもっと増やすとかいう話になるわけです。結局、『ランキングを上げろ』とかいう掛け声は、『英語圏の二流大学になれ』ということと同じ意味です。
 英語は手段だから、英語を学ぶ必要性は否定しませんが、もっと日本の強みを活かした国際的な教育があるべきです。
 池上 もともと日本は明治時代に最初はお雇い外国人を呼んでそれぞれの国の言葉で授業をさせたけれども、学術用語を全部日本語に翻訳していったわけですよね。かなり早い段階から自国語で高等教育を受けられるようにした。これは画期的なことでした。
 山極 そう思います。湯川秀樹さん(故・京大名誉教授)が1949年にノーベル物理学賞を受賞したわけですが、言ってみれば、外来語を日本語で理解できるようになって、最初の成果ですよね。中間子理論というのは、実は西田幾太郎の哲学に通じているんです。
 西田哲学というのは『間』の理論で、つまり『私とあなた』の〝と〟のことなんですね。これはなかなか欧米人には考えつかない、日本的な思考の効用だったと思います。それから次々と朝永振一郎さん(1965年ノーベル物理学賞/故・東京教育大学長)や、福井謙一さん(1981年ノーベル化学賞受賞/故・京大名誉教授)が現れてきた。やはりそういう日本人だからこその強みを、日本人は持っていなければならないと思いますね。
 といって日本の学生にしても、アメリカで一発当ててやろうとか、世界を無銭旅行して特殊な体験を積んでこようという野心を起こす学生がいなくなりましたね。僕は1980年代にアメリカからの留学生に、『アメリカは国内で何でも手に入るから、アメリカの学生は海外に興味がなくなった』という話を聞きましたが、まさにいま日本にも同じ状況になってきた。今は安定志向ですから、なるべく危険を冒さないで、安定した職業につきたい。……
 ……
 池上 しかし危険なとこにというと、親が反対しますでしょう。
 2020年度の大学入試は
 ……」
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 少子高齢化による人口激減する日本は、未来の日本を導くイノベーション人材を国外に求めている。
 そして、日本人のトップクラスの人材は、日本に未来はないと分析して日本を捨てて海外に流出し始めている。
 日本に残るの人材とは、海外で通用しない二流以下の日本人人材と準一流の外国人人材だけである。
 そして時代の変革について行けず、技術進化に適応できず取り残された、哀れな日本民族日本人。
 人類は人種や民族ではなく、時代の変化に適応して豊かになる新人類と技術の進化に適応できず貧しくなる旧人類に二分化されていく。
 経済発展や社会の変化を拒否する日本民族日本人は、後者の滅び行く旧人類に属する。
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 国際人を目指す子供達は、ローカルな多様性に富んだ日本国語ではなくグローバルな日常会話用英語を学んでいる。
 一般日本人には、日常会話用の英語を習得できても、哲学・思想・文学・科学・化学・芸術といった高度な専門用語の英語は理解できない。
 英語を公用語としない日本人には、英語の専門用語は専門家しか理解できない。
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 戦前・戦中の科学少年は、英語が読めなくても、原子力やロケットなど最先端科学技術の専門用語を日本語に翻訳した科学専門雑誌を読んで知っていた。
 明治から昭和前期までの科学者・学者・専門家は、子供でも理解できる和製漢字を造語して外国語専門用語を翻訳し、市販の少年科学雑誌に発表していた。
 日本を技術立国に押し上げたのは、外国語専門用語を和製漢字に翻訳して子供達に広めた日本国語である。
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 日本の科学技術力や生産能力の高さは、分からない事を知りたいと渇望する好奇心旺盛な子供達の数の多さにあった。
 つまり、若者が多く老人が少ない人口爆発にあった。
 日本の総人口は、明治初期は約3,000万人で、1945年時は約7,000万人で、1970年代は約1億2,000万人であった。
 未来のない老人には、好奇心も欲望も野望も野心も希薄で夢も希望もない為に、進化、進歩、発展、開発に価値を見出さず無駄遣いとして悉く潰す。
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 将来、最先端科学技術を理解する科学少年は誕生しなくなり、日本における科学技術の底力は衰退する。
 それは、科学者・学者・専門家のレベル低下の証しである。
 その証拠が、子供でも理解できない意味不明のカタカナ専門用語の氾濫である。
 子供ですら理解できないカタカナ専門用語の増加し翻訳専門用語の減少は、日本の知識力低下であり国際的競争力衰退である。
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 高学歴出身知的エリートは、カタカナ専門用語を理解し、最先端の知識を独占し、富を独り占めして貧富の格差を広げる。
 つまり、高学歴出身知的エリートは日本の将来も日本人の未来も事は考えてはいない。
 まして、子供など眼中にない。
 英語教育は、子供の無能かである。
 英語教育を普及させれば、カタカナ専門用語を子供でも理解できる和製漢字を造語し、苦労して日本国語に翻訳する必要がないからある。
 つまり、「英語の専門用語は英語で習い、英語の専門説明書も英語で教わり、日本国語の翻訳は排除される」と言う事である。


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