⚡41】─6─日本の安全神話崩壊。日本企業のモラル低下。〜No.202No.203No.204 * 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2016年3月17日 週刊文春「出る杭は伸ばせ! 辻野晃一觔のビジネス進化論
 リーダー受難の時代に
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 優先社長三代に渡る粉飾決算問題で揺れる東芝も、以前は経団連会長を務めた石坂泰三氏や土光敏光氏といって偉大な経営者を輩出した。土光氏は我欲を越え、会社だけでなく社会全体を見通す経営を貫き、私生活では清貧を通した。そんな東芝ほどの名門でも、今や、『会社のため』を大義と勘違いして、悪びれずに部下に不正を強要するような人達がリーダーの座に就く会社になり果てた。東芝が発覚して頭を下げる経営者の光景は日常にすらなっている。
 中長期より短期を
 一方で思うのは、今は『リーダー受難の時代』ということだ。会社経営では、欧米流のコーポレートガバナンスが否応なしに適応され、短期的な成績ばかりが求められる。中長期の視野があっても、世間はその成果を待ってはくれない。サラリーマン経営者が増え、在任中の成績を優先してそつなく立ち回ろうとする傾向もやむなしという状況だ。
 『日本人にかえれ』の著作もある出光佐三氏は、出光興産の最高にあたり、玉音放送の直後に『愚痴を止めよ』と全社員に告げた。敗戦国の分際で、大国イギリスや石油メジャーの圧力に屈することなくイランにタンカーを差し向けた『日章丸事件』は、石油の自由貿易再開を勝ち取り、日本人が誇りと自信を取り戻すきっかけにもなった。あえて火中の栗を拾ったその行為は、リーダーかくあるべしとの教えでもある」
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 5月7日 産経ニュース「羽田空港滑走路のデータ改竄 東亜建設工業、耐震工事の薬液量など4点
 記者会見で謝罪する東亜建設工業の松尾正臣社長(右から2人目)ら=6日午後、横浜市
 中堅ゼネコン「東亜建設工業」(東京)は6日、同社が担当した羽田空港C滑走路の地盤改良工事でデータを改竄(かいざん)し、国土交通省に虚偽の報告をしていたことを明らかにした。同社によると、偽装があったのは地震時に滑走路の液状化を防ぐ耐震化工事。土中に注入する薬液が予定量の5.4%しか注入されなかったにもかかわらず、仕様書通りに施工されたようにデータを改竄し、虚偽の報告をして完成検査を受け、引き渡していた。国交省関東地方整備局は、通常利用に問題はなく滑走路の運航制限はしないとしている。
 同日、横浜市内で記者会見した同社の松尾正臣社長は「関係者にご迷惑とご心配をおかけし、心よりおわびします」と謝罪。当初予定の6月株主総会に先だって社長を辞任し、代表権のない相談役に退く意向を示した。
 問題の工事は、滑走路の脇から穴を掘って薬液の注入を行う同社が開発した「バルーングラウト工法」とよばれる工法で、平成27年5月から同28年3月に行われた。
 薬液を注入する管を地中に埋めた長さ▽薬液の注入量▽施工後の地盤強度−などの4点で偽装があった。管を通すため穴を開ける際、地中のコンクリート片などに当たり予定位置に達しなかったことや、薬液が浸透しにくい土質だったことなどが原因という。地盤強度は施工前とほとんど変わっていないという。
 4月中旬に工事に携わった2次下請けの作業員を介して施工不良があったとの通報が同社にあり、4月21日に調査を指示。27日に施工不良の疑いがあることを国交省に申告した。
 調査の過程で、施工責任者の東京支店前支店長は「プレッシャーから『失敗できない』と現場の人間にも言い続けてきた」と話しているという。これに対し、松尾氏は「前支店長が明らかに指示したわけではないと思っている。最終的には調査を通じて明らかにしていきたい」と述べ、具体的にどの段階で偽装が行われていたかについては「調査している」と話すにとどめた。
 同工法は福岡空港(福岡市博多区)など11施設で行われており、同社は他に問題がなかったか調査を進めているほか、原因究明と再発防止に向けた調査委員会を設置する。
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【用語解説】東亜建設工業
 「臨海工業地帯開発の父」と呼ばれた事業家の浅野総一郎が明治41(1908)年に創業し、神奈川県などを流れる鶴見川河口の埋め立て事業を手掛けた。大正3年に鶴見埋築株式会社を創立、合併などを経て、昭和48年に東亜建設工業株式会社に社名変更する。その後、道路や橋梁(きょうりょう)、宅地造成工事などにも進出。ベトナムコンテナターミナル整備、インドネシアの石炭火力発電所の土建工事にも携わる。同社ホームページによると、平成26年度の売上高は1988億円。」

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