⚡38】─1─「奇跡の成功体験」に依存する視野狭窄の日本病は大企業病でもある。~No.163No.164No.165 @ * 

日本と中国の現代企業経営

日本と中国の現代企業経営

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・     
 2017年5月26日 朝日新聞「『開発競争の速度遅かった』
 レノボCEO 日本の電機産業に 
 パソコン(PC)世界最大手、中国レノボ・グループの楊元慶(ヤンユワンチン)・最高経営責任者(CEO,52)が朝日新聞の取材に応じた。日本の電機産業の地盤沈下について『スピード勝負の開発競争についていけず、イノベーションを生めなくなった』と指摘した。
 楊氏は2001年にレノボのCEOに就任し、NEC(11年)のPC事業を買収。この間、日本メーカーはかつてのような国際競争力を失った。楊氏は、『革新的な商品を先行して出し続けないと世界では勝ち残れないのに日本の企業は遅かった』と語った。その原因は『決断できない経営に問題がある』と指摘した。
 『値段は安いが質も悪い』という中国企業に対するイメージを変えるのが楊氏の悲願だった。米IBMから受け継いだPC『シンクパッド』を軸に技術の向上をはかり、世界最軽量のPCも実現し、『シンクパッドも最軽量も支えてくれたのは日本人。仕事に向き合う生真面目さ、匠の精神は極めて貴重でこれからも学ぶべきものだ』とした。
 今後、人工知能(AI)やソフトウェア投資を強化する。グーグルなどと連携を深め、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)の技術の進化に対応できる体制をつくるという。(山口博敬)
 デジタル版に一問一答」
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 日本は、アメリカとは違って食糧・資源・エネルギーを自給できず海外に依存する宿命である以上、技術大国、経済大国と誉めちぎられても、所詮は陽炎か、幻影か、砂の王国に過ぎない。
 自給力のない日本が、アメリカはおろか欧州諸国の様になれると錯覚した事がの失敗の原因である。
 戦前に近衛文麿らが唱えた「持てる国、持たざる国論」は、現代においても存在している。
 持たざる国の日本が、持てる国のアメリカの様な国になる事はありえない話である。
 つまり、日本が憧れた坂の上の雲は存在し、日本が如何に努力しても欧米諸国と肩を並べて坂上に立つ事はありえないのである。
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 清国が近代化に失敗し滅亡したのは、「中華は世界一優秀である」という慢心から、短期的に、いとも簡単に即席で近代化ができると確信していたからである。
 日本が近代化に成功して5大国の一員となれたのは、「日本は劣っている為に勉学に励み技術を磨き精進しなければならない」という謙虚から、長期的に、手探りをしながら慎重に近代化を進めたからである。
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 現代において。
 日本経済は、1年か数年程度の短期中期戦術で動いている。
 中国経済は、数十年から数百年の中期長期戦略で動いている。
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 三洋やシャープそして東芝など、世界ブランドであった日本家電企業の多くが経営に失敗した。
 今や、日本人経営者の経営能力を中国人経営者に比べて劣っている。
 世界から、メイド・イン・ジャパンは消えつつある。
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 日本と中国の社会原理は、水と油のような共通性のないものである。
 日本は、共生共存の棲み分けで、弱者を救済しながら、一人の脱落者を出さない手厚い社会である。
 中国は、弱肉強食の過酷な競争で、弱者を切り捨て、脱落する者は容赦なく見捨てる能力・実力社会である。
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 イノベーションとは、雇用を守る為に既存を改良・改造・改善させる事ではなく、既存を破壊・崩壊・消滅させて雇用を奪う事である。
 その意味に於いて、日本はイノベーションができないが、中国はイノベーションができる。
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 中国は、社会問題となった企業を倒産させ社員全員を大量解雇し、全く新しい企業を創業して新しい雇用を生み出す。
 良ければ続けるし、悪ければ潰すだけ、それが中国人の発想である。
 経営の決断、ベンチャー企業の起業、企業内の新陳代謝は、日本よりも十数倍、数十倍もスピードが速い。
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 日本企業は、自社機能最良神話から硬直化し、国内外に学ぶ事を止めてしまった。
 中国企業は、自社機能を持っていなかった為に柔軟で、犯罪行為として知的財産を盗んでも、優れた他社製品の寸分違わないコピー製品を作っても、とにかく利益の為に国内外で貪欲に学び続けた。
 日本企業が、中国企業との競争に負けたのは当然の結果である。
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 敗戦国日本の奇跡の復興と経済大国の高度経済成長は、情け容赦のない既存の雇用を破壊するイノベーションで成功した。
 バブル崩壊という失敗は、雇用を奪い失業者を生み出すイノベーションができなかったからである。
 既存を破壊・崩壊・消滅するイノベーションができなかった事が、競争力の源泉である科学技術力を衰退さ、経済大国からの転落もたらした。
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 強い国際競争力とは、時代遅れの既存を温情で保護する事ではなく、既存を時代遅れとして容赦なく切り捨て潰す事で生まれる。
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 日本が中国崩壊論や中国人ダメ論を信じている限り、日本は中国に勝てない。
 日本に蔓延している中国崩壊論や中国人ダメ論は、日本人の無能を証明するものである。
 所詮、自己満足的な、卑屈でいじけた性根の腐った負け犬の虚勢である。
 そこには救いはない。
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 日本社会に蔓延し将来ある青少年の意欲・向上心を殺(そ)ぐ「経済成長不要論」とは、死ぬまで働かされる事を拒否したい中高年の燃え尽き症候群である。
 燃え尽き症候群の中高年は、老後を自由に勝手気ままに遊びながら気楽に暮らしたいが為に、やる気満々で働く意欲があり向上心旺盛な人間を堕落させたいのである。 
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 2017年5月26日 産経ニュース「シャープ、4年ぶり黒字へ 最終利益590億円を予想
 シャープは26日、2018年3月期の連結最終利益が590億円になるとの見通しを発表した。前期は248億円の赤字だった。黒字は4年ぶり。売上高は前期比22・4%増の2兆5100億円を見込む。8Kなど先端技術を使った事業を強化し、売上高拡大による業績改善を目指す。
 同日発表した中期経営計画では、3年後の20年3月期の連結売上高を、17年3月期の約1・6倍の3兆2500億円とする目標を掲げた。液晶パネル事業のてこ入れや、人工知能(AI)やあらゆるものをネットワークでつなぐ「モノのインターネット(IoT)」の技術を盛り込んだ製品の開発を急ぐ。
 戴正呉社長は26日、堺市で記者会見し「必ずV字回復を果たす」と表明した。」

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聯想 中国最強企業集団の内幕 上

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