🗡61〗─1─民間用ドローン(無人航空機)は、テロに最適な殺人兵器である。~No.191No.192No.193 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
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 全ての道具には二面性があり、人を助ける面と人を殺す面である。
 道具で人を殺すか助けるかは、道具を使う人間次第である。
 ナイフは、人殺しの武器になる。
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 産経新聞iRONNA
 ドローンテロに為す術なし
 放射性物質を搭載した小型無人飛行機「ドローン」が首相官邸に侵入した事件は、重要施設を狙ったテロへの無策を浮き彫りにした。政府はさっそく規制強化に乗り出したが、関連法の抜本的見直しも迫られるなど課題は多い。ただの「おもちゃ」に振り回される日本。ドローンテロに為す術はないのか。
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 何を言っても独善のテロだ
 山本泰雄容疑者のブログに
 掲載されていたドローンの写真
 放射能を帯びた容器を積んだ小型無人飛行機ドローンを首相官邸に侵入させたのは、原発反対を訴える男でした。
 容疑者は9カ月前からブログで「原発再稼働を止める活動を」と犯行準備を記載し、出頭直前にはブログのアドレスをネット掲示板に公開しました。ブログも出頭も自分の行為を正当化する宣伝だったのでしょう。
 しかし意図的に放射能を帯びさせ、地上に墜落させかねない行為は「暴力」そのもの。原発や安保、歴史認識など社会には考え方が対立する問題がいくつも存在します。論争は大いにすればいい。しかし主義主張が異なるからといって暴力に訴えたら、これはテロです。
 ドローン事件に対しては、原発に反対するグループからも容疑者に強い批判が出ています。暴力をふるってしまったら、何を言っても独善でしかありません。(産経新聞編集長 井口文彦、産経ニュース 2015.4.27)
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 ドローンは「おもちゃ」なのか
 小型無人機「ドローン」の「ファントム」
 ドローンとは英語で雄の蜂やその羽音などを意味し、転じて無人で飛行可能な飛行機全般を指す。現在、日本国内で流通する製品はほとんどが中国製で、「実用に耐える性能を持つ製品であれば一式で16万円程度。高度10メートル程度まで飛ばすだけであれば5万円台から販売されている」(業界関係者)という。個人が楽しむほか、建設機械メーカーのコマツは2月から測量技術に導入し、警備会社のALSOK(綜合警備保障)もドローンを使って太陽光発電パネルを点検するサービスを4月から始めるなど、事業目的で正式に活用される例も増えている。(本当は怖い無人飛行機「ドローン」zakzak 2015.03.25)
 ■【Q&A】官邸ドローン事件 範囲制限・免許制など議論加速(Sankei Biz 2015.4.27)
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 厳戒警備突破の衝撃
 首相官邸にドローンが侵入した事件は、厳戒警備を突破し飛来、容疑者出頭、犯行を記録したブログの公開と発生から逮捕まで特異な展開をたどった。威力業務妨害容疑で逮捕された無職、山本泰雄容疑者(40)=福井県小浜市=は出頭直前に自らのブログをネット上で“宣伝”したとみられ、「計画出頭」だったとみられる。「(捜査対象として)ノーマーク」(捜査関係者)だった山本容疑者。犯行動機には「反原発」の主張だけでなく、警察当局を翻弄する意図も透けて見える。
 首相官邸の屋上で見つかった
 小型無人機「ドローン」
 =22日午後1時35分
 《官邸ドローン犯人がブログ公開》。24日午後7時35分ごろ、インターネット掲示板2ちゃんねる」にこう題したスレッドが立てられた。山本容疑者が「官邸サンタ」を名乗り、「反原発」の主張や事件の詳細を投稿したブログのアドレスなどを記載。
 約30分後、山本容疑者は地元の福井県警小浜署に出頭した。ブログは2ちゃんねるで存在が明るみに出るまで閲覧数はほぼ「ゼロ」。非公開となっていたものを山本容疑者が出頭直前に公開した可能性が高い。捜査関係者は「自らの主張をアピールしようとする意図を感じる。出頭も計画的だったのでは」とみる。(産経新聞 2015.4.27)■山本容疑者が投稿していたとみられる「官邸サンタ」のブログ
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ドローン規制は平和ボケのしわざ
 『BLOGOS』 2015/04/25
 赤木智弘フリーライター
 首相官邸の屋上に正体不明のドローン(無人航空機)が落ちていたとかいうことで、なんか大騒ぎである。
 政府は早急にドローンの法規制を進めることを決め、野党は問題が発生したことの説明と責任の追求を求めている。
 ネットでも「とんでもないテロだ!」という声が上がり、「もしこれが、サリン炭疽菌を運んでいたとしたら、大変な事になった」として、規制に賛同する人が多い。
 相変わらずである。日本は新規性が強いものに対して、どうしてここまで警戒心を露わにするのだろうか。
 思い出すのはインターネット黎明期だ。僕は1994年頃からインターネットを利用しているが、当時はまだインターネットというものに対する世間の認知はほとんどなかった。
 だから、ちょっと犯罪が起きただけで「インターネットは危険だから規制しろ」という声が挙がったものである。たとえそれが電話や郵便でも行えるような犯罪であっても、電話や郵便には規制の声が上がらず、インターネットだけには規制の声が挙がった。今では企業もインターネットを利用しているし、インターネットが富を産むようになったからインターネット廃止なんて誰も言わなくなったけどね。
 それと今回の件も同じことで、ドローンでできるようなテロ行為は、他の手段を用いてもできるのであり、ドローンを規制しても無意味である。
 しかし、インターネットの時には「インターネットはあくまでも道具である。包丁がそうであるように、犯罪に使うこともできるし、有用なツールとして使うこともできる」という反論があるのが常だったが、今回はあまりそうした声は強くないようだ。
 それには、やはり個人所有のドローンが、まだおもちゃに毛が生えたようなものだと理解され、仮に規制されたとしても一部のマニアが困るだけで、一般市民である我々には関係ないから困らないという感覚が強いのだろう。
 しかし、僕は今回の事件において、ドローンに対する法規制があまりに早く検討されたことに危惧を念を抱く。なぜなら、こうしたテロ行為に対する過剰反応こそが、別のテロを呼び込みかねないからだ。
 テロリストがテロを行う理由は、自分の主張を世間に広めることである。そのためには事件が騒がれば騒がれるほどいい。今回の事件でも、マスメディアが被告に成り代わって、その意図を一生懸命宣伝してくれている。(*1) 
 首相官邸屋上で小型無人機「ドローン」が見つかった事件で、送検のため警視庁麴町署を出る山本泰雄容疑者=26日午前8時45分
 被告のものと思わしきブログにも、ドローンを墜落させた当初は全く反応がなくて、がっかりしていた被告も、官邸でドローンが発見されたことがニュースに流れると「犯罪者は自分の報道をこんな感じでみるのか...平常心を保つのが難しい」と、高揚感があったようなことが書かれている。それはまるで、ようやく自分の行動が発見されて「認められた」かのような受け入れ方である。
 24日には、官邸近くにドローンを持った男女が現れて、機動隊員が駆けつけたという事態があった。2人は「おとといの事件を見て官邸の近くでドローンを飛ばしたくなった」ということだ。(*2)
 これはまさに、無闇に騒いだ事により、目立ちたがり屋が呼び寄せられた問題と言っていい。
 テロの怖さというのは、決してその犯行単体だけではない。その犯行が誰かの共感を呼び、大小関わらず他の事件を呼びこむことが怖いのである。
 テロリストに最も効く対抗法は、徹底的に無視することである。
 彼らの主張を報じず、事件そのものも概要のみを伝え、犯人の個人像に一切触れない。そうすれば、テロリストにテロを起こすような誘因を与えずに済む。
 被害者が出たような事件ならまだしも、今回のような全く被害のないような事件であれば、一切事件を報じずに無視したほうがいいのではないかと僕は思う。
 今回の事件を受けて、早速の法整備が進んでいるようだが、ドローンを規制したところで、テロリズムは規制できない。テロリストは使えるものを使って、自分の主張を世の中に広めようとしてくる。
 規制で安全が守れるなどと少しでも考えているようならば、それこそが「平和ボケ」と批判されて然るべきだろう。
 *1:「官邸ドローン」の狙いは「福井県知事選の混乱」 容疑者はブログで犯行を克明に明かしていた(J-CASTニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150425-00000001-jct-soci
 *2:官邸近くにドローン持った男女 一時騒然(日テレNEWS24
http://www.news24.jp/articles/2015/04/24/07273698.html
 あかぎ・ともひろ 1975年生まれ。自身のウェブサイト「深夜のシマネコ」や週刊誌等で、フリーター・ニート政策を始めとする社会問題に関して積極的な発言を行っている。著書に「若者を見殺しにする国 (朝日文庫)」など。
(BLOGOS「赤木智弘の眼光紙背」より転載)
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 ドローンの恐怖 加速する進化についていけない日常社会
 『iRONNA編集部』 岡本裕明 2015/04/24
 岡本裕明(Blue Tree Management 株式会社 代表取締役
 ドローンの改良版が首相官邸に落ちていた問題は思った以上に波紋を投げかける気がしています。世の中の進化がよりスピードアップしている半面、我々の日常社会はあまりにも無防備であります。それはそんなことないと信じている性善説に立っているのですが、とんでもない輩はいくらでもいるという事です。
 警視庁本部の施設に「サティアン」と書き込まれていた「グーグルマップ」の画面((C)Google)
 グーグルマップ上に奇妙な名称が現れたのも今週のニュースでした。皇居や警視庁、富士山を始め他の国の街でも同様のいたずらが発見されています。グーグルも性善説に立って一般の人が情報をどんどん書きこむ仕組みになっていることから発生した可能性があります。
 今の世の中は利用者の情報をベースにその更新が進んでいるものが多くなっています。我々がお世話になるウィキペディアも一般人の書き込みが主体ですし、元を辿ればLinuxというマイクロソフトに対抗したオープンソフトの仕組みがその元祖だったともいえます。
 グーグルや自動車各社が開発競争する自動車の自動運転。可能かどうか分かりませんが、プログラムを書き換えれば無人自動車が爆走する凶器となり悪用される可能性は否定できないでしょう。あるいはストーカーもどきの追跡自動車も作れるかもしれません。
 我々の社会はより一層SFチックな時代へと踏み込んでいくのですが、その一方で人間が経験値として知らない防御があまりにもお粗末な気がするのです。
 昔、日本にはいなかったブラックバスが繁殖し、それまでの種が絶滅の危機となっている話はよく聞きます。これはそれまでの生態系が新しい種によって変化し、対応できなかった結果、生物界の淘汰が起きるのですが、人類においてその最大の新種が最新のテクノロジーであるのかもしれません。
 もちろん、私は技術革新、大いに賛成であります。が、その進化と共に我々がともに学んでいかなくてはいけないことがおろそかになってやしないかという警告は発したいと思います。
 銀行のキャッシュカードができたころ、その暗証番号はカードの磁気に隠されていました。ですから当時、それを読みだす方法を見つけ犯罪が起きたのです。今では信じられないのですが、無から有を生み出す時、そのリスクがどこにあるか、開発者は想像がつかないのであります。
 株の世界。ネット取引が当たり前になった時、見せ板や架空の注文を出し、市場をかく乱する事件がよく発生しました。これもシステムを開発した時誰も予想していなかったのではないでしょうか?
 ドローンはアマゾンもアメリカなどで画期的な配達システムとして開発、研究しています。渋滞知らずだし、システムとしては非常によくワークします。ですが、とんでもない発想はあり得ます。今回は放射線らしきものが検出されたとありますが、生物兵器の散布なども簡単にできるでしょう。こうなれば十分な兵器です。あるいは飛んでいるドローンを撃ち落として商品を盗む輩が出ないとも限りません。散弾銃を使えば命中率は高くなりそうです。(笑)
 世の中に今までの常識を覆した便利で生活を豊かにするものが次々と生み出される一方、我々のリスク管理はより重要になるはずなのに脇が甘い気がします。生物界の淘汰のケースで言うならばロボットが人間を駆逐するというSFにすら出てこないストーリーが起こりえないとは限らないのです。事実、人間は「外部記憶装置」(携帯、スマホ、パソコン、ナビ…)のおかげで既に自分の頭に記憶することを忘れつつあるのですがそれをはっきり認識している人は一握りでしょう。恐ろしいものです。
 今日はこのぐらいにしておきましょう。
(ブログ『外から見る日本、見られる日本人』(http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/)より転載)
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