🗡41〗─1─X線天文衛星「ひとみ」の失敗。2016年~No.131No.132No.133 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 野茂英雄「自分の力でどうにもならない事は流れに任せる事である」
 小島伸幸(元サッカー日本代表GK)「〝こうすればよかった〟というシーンを除いては忘れた方がいい。都合の悪いところは全て忘れるんです。そうでもしなきゃ、やっていけまでんよ」
 岡田武史(元サッカー日本代表監督)「諦める前にやる事があるだろう。それでもダメだったら諦めろ」
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 「新幹線で地域が発展する」というのは20世紀の発展モデルで、時代遅れの発想である。
 年内に数回ある旅行シーズンという極僅かな日数のみに乗客が増えるが、それ以外の月日には乗客はいない。
 その為に赤字に近い状況での運行となり、車両・線路・駅舎の保守点検、人件費、光熱費などの諸経費が嵩む。
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 4月28日4.28 産経ニュース「「お家芸」に打撃、国際研究に空白期 天文衛星ひとみ運用断念
 エックス線天文衛星「ひとみ」の運用断念について記者会見で頭を下げるJAXAの常田佐久理事(手前から2人目)ら=28日午後、東京都千代田区
 宇宙航空研究開発機構JAXA)が28日に発表した天文衛星「ひとみ」の運用断念は、日本の「お家芸」といわれたエックス線天文学に大きな打撃となった。この分野の衛星トラブルは3基連続。今回の観測計画には各国が参加しており国際的にも痛手となる。
 エックス線は可視光よりも波長が短い電磁波の一種。数億度の超高温や高エネルギーの天体現象に伴って放出され、ブラックホールなど光では見えない宇宙の姿を探ることができる。
 約40年にわたり日本が世界をリードしてきた分野だが、5代目の衛星「アストロE」は平成12年、打ち上げに失敗。5年後に打ち上げた代替機の「すざく」も主要な検出器が故障した。JAXAは感度を約100倍に高めた高性能のひとみで挽回を目指していた。
 ひとみは米航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)、各国の大学など60以上の機関が参加する国際プロジェクトで、「宇宙の国際天文台」として役割が期待されていた。
 ESAは2028年にひとみの後継機を打ち上げるが、それまで代替機の計画はない。JAXAの常田佐久理事は「世界の期待に応えられなかった。エックス線天文学の国際研究に空白を作る可能性があり、申し訳ない」と陳謝した。
 今後は代替機の検討よりも、まずトラブルの原因を徹底的に解明する必要があるとし「エックス線に限らずさまざまな衛星での再発防止に生かし、信頼を回復したい」と話した。」
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 4月28日20:48 産経ニュース「天文衛星ひとみ、運用断念 JAXA、人為ミスなど複合要因
 エックス線天文衛星「ひとみ」の模型を使い、トラブルについて説明するJAXAの関係者=28日午後、東京都千代田区
 宇宙航空研究開発機構JAXA)は28日、通信が途絶したエックス線天文衛星「ひとみ」の運用を断念すると発表した。人為的なミスなどの複合要因で異常な回転が発生し、電力供給に不可欠な太陽電池パネルを喪失したと推定、復旧は困難と判断した。ブラックホールなどの観測を目指す国際計画は白紙化した。
 ひとみは2月にH2Aロケットで打ち上げられたが、3月26日から地上で電波を正常に受信できない状態が続いていた。これまでに10個以上の破片に分裂したことが判明している。
 JAXAの分析によるとひとみは3月26日、姿勢制御系ソフトの誤作動で機体が回転を始めた。地上から姿勢を修正する指令信号を送ろうとしたが、人為的ミスで誤った信号を発信。ミス防止システムも機能せず回転速度は逆に上昇、翼のように伸びている太陽電池パネルが遠心力で全て根元から脱落したと推定した。
 また、トラブル直後に短時間ずつ数回受信できたとしていたひとみからの電波は、実際は別の衛星の電波だったと結論付けた。
 JAXAの常田佐久理事は会見で「国民や国内外の協力機関、天文学研究者に深くおわびする」と陳謝した。
 ひとみはJAXAが米航空宇宙局(NASA)などと共同で開発した最新鋭のエックス線天文衛星。日本側の開発費は310億円。順調なら5月にも本格観測を開始し、国際協力で宇宙の成り立ちや進化の謎の解明に挑む計画だった。」
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 5月1日 産経ニュース「【産経抄】失われた「ひとみ」 5月1日
 ヒンズー教の神シバには両目に加えて額にもう1つ目があった。
 ▼神話によると「第3の目」は普段閉じられ、ひとたび開けば雷電を発して万物を焼いたとされる。シバの瞑想(めいそう)は幾星霜に及び、妻の女神パールバティーは迷惑したらしい。すねた妻が両手で夫の目をふさぐと、世界は咫尺(しせき)を弁ぜぬ闇に閉ざされた。慌てたシバはもう1つの目を見開き、光を取り戻したとの挿話がある。
 ▼光であれ闇であれ、神話が解き明かそうとしたのは世の成り立ちだろう。現代科学が目指すものも変わらない。〈正体は君だつたのかヒッグス君宇宙、生命(いのち)のなべて重きは〉田村富夫。万物に質量を与えるヒッグス粒子しかり。アインシュタインが100年前に存在を予言した重力波の検出しかり。宇宙誕生の謎という光源を求めて、人類は夜空を仰いでいる。
 ▼光ならぬ不可視のエックス線を、その「目」で拝みたかったろう。地球との交信を絶っていた宇宙航空研究開発機構JAXA)の天文衛星「ひとみ」である。ブラックホールの出すエックス線を捉え、銀河の進化や謎に包まれた暗黒物質の究明につなげる予定だった。制御に目端を利かせるどころか人為的なミスが重なり、観測を始める前に壊れたという。
 ▼11年前に打ち上げた「すざく」など、この分野の衛星は3基続けてトラブルが起こっている。今回は開発費310億円が消えた。過去、現在、未来を見通すシバに一言相談すれば、と嫌みも言いたくなる。子細な検証で再発を防がなければ志を遂げずに散った「ひとみ」が浮かばれまい。われわれも根気よく夜空を仰ぎ続けたいが。
 ▼後継機の登板は2028年という。シバならいざ知らず、市井の者が目をつぶってやり過ごせないカネと歳月だろう。]
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 5月25日 読売新聞「『ひとみ』ずさんミス重なる
 JAXAと業者 手順書作成、異常報告怠る
 ひとみに起きたトラブルの背景
 2月17日打ち上げ
 JAXA、姿勢制御装置の異常を感知
 JAXA
 対策チームに異常の報告を怠る
 業者にプログラム送信の手順書作成を依頼しない
 委託業者
 プログラムの+と?を間違える
 プログラムの試験を行わなかった
 3月26日
 ひとみが回転し、太陽電池パネルが破断
 X線天文衛星『ひとみ』が宇宙で分解し宇宙航空研究開発機構JAXA、ジャクサ)が運用を断念した問題で、JAXAと衛星のプログラムの修正を委託された業者の双方で、ずさんなミスが重なったことが24日、明らかになった。原因の究明作業を検証する文部科学省の小委員会でJAXAが報告した。
 ひとみは今年2月17日、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。報告によると打ち上げ後、ひとみの姿勢を自動的に直すプログラムの修正が決まり、JAXAは業者にプログラムの作成を委託した。このプログラムで、プラスの数字がマイナスになる誤りが見過ごされたという。
 JAXAによると、衛星の重要なプログラムを送信する際には、作業手順書に基づき、業者が事前にコンピューター上で機体の動きをテストするのが原則だった。しかしJAXAは今回、業者に手順書の作成を依頼せず、業者も独自に事前の試験は不要と判断していた。問題のプログラムは同28日、ひとみに送信された。
 このほか、ひとみの運用チームは姿勢制御装置に複数回の異常を感知していたが、JAXA内の対策チームに報告していなかったという。ひとみは3月26日に同装置の不調で異常な回転を初め、姿勢を直すプログラムが作動。エンジンが誤噴射して回転が逆に加速し、太陽光電池パネルが根本から破断したとみられる。
 報告を行った久保田孝・JAXA教授は『(ひとみ)運用初期のリスクを過小評価し、安全性を含めた全体のシステムが不十分になっていた』と釈明した」
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はやぶさ2と日本の宇宙開発 (別冊宝島 2189)

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