💫2}─2・A─ダークマターとダークエネルギー。宇宙の誕生と終焉。ホーキング博士と蒸発するブラックホール。~No.6 * 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 ダークマター暗黒物質
 ダークエネルギー=暗黒エネルギー。
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 宇宙は、120種類の元素で作られている。
 宇宙を構成する元素の71%は水素である。
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 ビックバン以前の宇宙は、死後の世界同様に、科学では証明できないし見る事もできない為に、幾ら考えても無意味である。
 だが、宇宙の終焉は、科学的データとして二通り考えられる。
 死後の世界よりも宇宙の終焉は確かである。
 その時、人類は絶滅しているし、地球そのものも破壊され宇宙の塵となっている。
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 宇宙の成長。
 アインシュタイン相対性理論では、光速は自然界の最高速度である。
 真空中での光の速度は、秒速29万99,792.457キロメートル(約30万キロ)で、地球の一周は約4万キロで1秒間で地球を7周半する。
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 物質を極微小のその先まで追求すると、分子、原子、素粒子クオークへと進んでついには観測不能に陥る。
 そこに広がるのは、光のない暗黒にして、何もない完全なる「無」の空間だけである。
 10のマイナス16乗のメートルの極小世界は、量子力学の法則に従って、絶えず粒子が生まれては消えている。
 物理学の世界において、何もない無、空っぽな空間などは存在せず、超ミクロな空間でも粒子が生まれ激しく動きそして消滅している。
 ビックバンが起きる直前の無に等しい空間の、粒子が激しく動き回っている膨大なエネルギーを持っていた。
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 宇宙の膨張を加速させたエネルギーを、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)と呼ぶ。
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 宇宙の全物質の内約72%は正体不明のダークマター暗黒物質)である。
 原子でできた物質は、宇宙の約28%にすぎない。
 宇宙全体の全ての星をかき集めても、その重さは宇宙の重みの1%程度しかない。
 宇宙は、ダークマターで満ちている。
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 宇宙の構成要素の約95%は目に見えないし観測できない、ダークマターダークエネルギーであると言われている。
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 前田恵一(早稲田大学教授)「宇宙は加速的に膨張していると聞いた事があると思います。重力だけなら宇宙は収縮していくはずが、そうならないのは重力に反するエネルギーが存在しているため。その源がダークエネルギーだと考えられています。
 星と同じように、銀河も回転しているのですが、質量の大きい銀河がなぜ銀河団につなぎ止められているのか。それは、目に見えない重力を生み出す物質ダークマターが存在しているからです。しかし、その正体はまるで分かっていません」
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 物質は、エネルギーからなっている。
 原子は、原子核(プラスの電気を持つ陽子と電気を持たない中間子からなる)とその周りを回っている電子(マイナスの電気を持つ)でできている。
 原子自体は、絶え間なく回転しながら振動するエネルギーの渦巻きで、絶えず波のエネルギーを放出している。
 物質は、中身の詰まった粒子(実体)であると同時に波(非物質な力場)である。
 つまり、物質はエネルギーでできている。
 宇宙には、電磁気力・弱い力・強い力・重力の4つの力が働いていると言われている。
 ハイゼンベルク「現代物理学を実験した後では、精神、霊魂、生命、あるいは神のような概念に対する我々の態度が19世紀のものと異なる事を知るだろう」
 オッペンハイマー「原子物理学の発見によって示された人間の理解力は、必ずしもこれまで知られていなったわけではない。また、別段新しいというわけでもない。我々の文化にも先例があり、仏教やヒンドゥー教では中心的な位置を占めていた。原子物理学は、古の知恵の正しいさを例証し、強調し、純化する」
 アインシュタイン「科学に思慮深く従事する誰もが、自然の法則というものは人間をはるかに越えた霊魂のようなものであり、その霊魂を前にすれば、人間は人間の力に対して慎み深くなり、自然の法則に対して謙虚に頭を下げるという自覚に到達するものである。それゆえ、科学に没頭する事は、科学者を無邪気な人が抱く宗教性とは本質に異なる。特殊な宗教的感情に導くのである」
 「我々が立ち入る事ができない、何者かが存在すると言う事の認識、最も深遠な道理と、最も輝かしい美、それらは最も素朴な形でのみ、我々の心に響くものであるが、真の宗教性を形成するのは、このような知覚と感情である。この意味において、また、この意味においてのみ、私は深い宗教的人間である」
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 2兆年後 全ての天体が光が届かない速さで遠ざかって観測不能となり、他の銀河は見えなくなる。
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 宇宙の姿
 宇宙の星は絶えず動いていて、天空に貼り付けられたように動かないわけではない。
 今見える星座は、数万年から数十万年後には形を変えている。
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 宇宙には、中性子星ブラックホールなど不思議な天体が存在し、ダークマター暗黒物質)やダークエネルギー(暗黒エネルギー)が満ちている。
 ブラックホール中性子星は、超新星爆発を起こした恒星の中心部が自らの重力で潰れる事で誕生する。
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 元素の多くは、星の中で生まれた。
 星の中で作られた元素は、星が生命を失い爆発して消滅する時に宇宙に放出され、新たな星と生命の元となった。
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 太古のブラックホールは光や物質を吸い込むが、吸い込む前の大量の光と物質がブラックホールの周囲を高速で回転すると高温度のエネルギーになりジェットとして噴き出している。
 ブラックホールから噴き出されている高速のジェットが、太古の宇宙に漂う元素を掻き混ぜ吹き飛ばし、銀河、恒星、惑星、生物を誕生させた。
 全ての銀河の中心には、元素・物質を噴き出す巨大なブラックホールが存在している。
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 宇宙での距離観測の為に使われるセファイド変光星を、脈動変光星と呼ぶ。
 明るさを変化させる変光星には、脈動変光星、爆発変光星など複数のタイプがある。
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 宇宙には、地球と同じ様に生物が生きている惑星が多く存在する。
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 2017年1月12日号 週刊新潮「科学探偵 タケウチに訊く! 武内薫
 ……
 さて、ダークマターとは、宇宙のエネルギーの25%ほどを占めるといわれる未知の物資だ。目に見えないので『暗黒物資』とかダークマターと呼ばれる。ちなみに、われわれが知っている原子や分子、つまり、普通の物資は、宇宙全体の5%程度にすぎないので、宇宙は、ダークマターだらけということになる。
 見えないのに、なぜ、ダークマターが存在すると断言できるのか、不思議に思われるかもしれないが、たとえば、われわれの天の川銀河は回転しており、もしもダークマターがないとすると、遠心力でバラバラになってしまうのだ。目には見えないけれど、ダークマターの重力があるから、この銀河は空中分解せずに済んでいる!」
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 宇宙の未来・終焉。
 2018年2月27日 「世界最大の「暗黒物質」3次元分布図を作製 国立天文台などのチーム
 暗黒物質の3次元分布図
 宇宙に大量に存在する正体不明の「暗黒物質」が、どのように分布しているかを米ハワイ島すばる望遠鏡で調べ、世界最大の3次元分布図を作製したと国立天文台などのチームが27日、発表した。
 暗黒物質は宇宙にある物質の質量の8割以上を占め、宇宙の成り立ちに重要な役割を果たしているが、目に見えず観測が難しい。
 チームは暗黒物質が集まった固まりの周辺にある天体が、地球からはゆがんで見える現象を利用して、満月の約800個分に相当する広さで固まりの分布を調べた。
 その結果、太陽の重さの5千兆倍以上に及ぶ巨大な固まりを65個発見。現在の標準的な理論で予測した数より2割少なかったことから、国立天文台の宮崎聡准教授は「宇宙の膨張が想定より速く、固まりにくかった可能性がある。理論を修正する必要があるかもしれない」と話している。」
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 2018年3月25日 産経ニュース「【クローズアップ科学】ブラックホールはどうなる? ホーキング博士、革新的理論で常識に挑んだ宇宙論の巨人
 インタビューに応じるホーキング博士=2007年4月、米フロリダ州(ロイター)
 「車いすの天才科学者」と呼ばれ、14日に76歳で死去した英理論物理学者のスティーブン・ホーキング博士。難病と闘いながら革新的な理論で謎に挑み続け、宇宙論の発展に偉大な足跡を残す一方、社会にも広く影響を与えた。
 現代宇宙論の基礎となっているのは、アインシュタインが1916年に発表した一般相対性理論だ。時間と空間は重力によってゆがむことを示したもので、ニュートンが17世紀に示した「時間と空間は何にも影響されない」という常識を覆す革命を起こした。
 その後、宇宙は超高密度の状態で生まれ爆発的に膨張したとする「ビッグバン宇宙論」が誕生。29年には米国の天文学者ハッブルが、遠くの銀河ほど速く遠ざかっていることを観測し宇宙の膨張を実証した。
 宇宙の起源に関心を持ったホーキング氏は60年代以降、革新的な理論を次々に発表した。まず、相対性理論に従って時間をさかのぼっていくことで、宇宙には始まりが確かにあったと数学的に証明し、ビッグバン宇宙論に貢献した。
 その一方で、重大な問題も提起した。ビッグバンの発生時には巨大なエネルギーが一点に集中し、大きさがゼロで密度が無限大の「特異点」が生じる。ここでは時空が無限にゆがみ、相対性理論が成立しなくなるというものだ。
 これを解決するため、ホーキング氏は極微の世界で起きる現象を説明する量子力学を、相対性理論と組み合わせることを初めて提唱した。宇宙の始まりは通常の時間と異なる「虚時間」が存在し、はっきりしないとする仮説を83年に発表。これによって特異点の問題を解決できるとした。
 最も重要な業績と評価されているのが、量子力学で導いたブラックホールの理論だ。ブラックホールは巨大な重力により周囲のあらゆる物質をのみ込んでいるが、のみ込む物がない状態だと逆にエネルギーを放出し、蒸発するとの仮説を74年に発表した。
 「ホーキング放射」と呼ばれるこの理論は、事実だとしても、ブラックホールの蒸発には宇宙の年齢の138億年より長い時間を要するため観測できない。
 その証明につながる可能性のある実験が、欧州合同原子核研究所(CERN)の大型加速器「LHC」で始まっている。陽子同士を高速で衝突させ、ビッグバンに迫る巨大なエネルギーを生み出す実験だ。
 身の回りの空間は3次元だが、微小な世界に4次元以上の空間が潜んでいた場合、衝突のエネルギーによって極小のブラックホールが生じ、できた瞬間に蒸発するという。ブラックホールはサイズが小さいほど寿命が短いからだ。
 東京大カブリ数物連携宇宙研究機構の村山斉機構長(素粒子理論)は「ホーキング氏の理論を検証すれば、相対性理論量子力学を融合した新たな物理法則を見いだす突破口になる」と話す。
 宇宙論では81年に佐藤勝彦東大名誉教授らが、誕生直後の宇宙空間が急膨張してビッグバンが起きたとする「インフレーション理論」を発表。空間がエネルギーを持つという点で、ホーキング氏のブラックホール理論の影響を受けたとされる。
 宇宙の起源に迫る先駆的な研究を展開したホーキング氏。村山氏は「相対性理論の限界を発見し、それを乗り越える方法を考え続け、今後の研究の道しるべを与えてくれた。100年は宇宙論に影響を与え続ける巨人だ」とたたえた。
 宇宙の魅力、社会に発信
 ホーキング氏は1942年に英国で生まれ、オックスフォード大を首席で卒業。ケンブリッジ大大学院に進学して間もない頃、筋肉が徐々に動かなくなる難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)と診断された。
 ただ、頭の中で思考を重ねる理論物理学を専攻したことは不幸中の幸いだった。学生時代に知り合った妻らの助けを得ながら、類いまれな数学的才能を生かして数々の業績を上げた。
 発病による心境の変化について、著書『ホーキングの最新宇宙論』で「早死にするかもしれないという現実に直面すれば、誰でも命の大切さや、やるべきことが山ほどあることに気づく」と振り返っている。
 自身の研究を紹介した一般書『ホーキング、宇宙を語る』は世界的なベストセラーに。数式をほとんど載せなかったのは「数式を一つ入れるたびに、売れ行きは半減する」からで、宇宙の魅力を分かりやすく伝えることに心を砕いた。
 死の直前も「宇宙は複数存在する」との学説を証明する論文を仕上げていたといい、最期まで研究に情熱を注いだ。
 遺灰はニュートンダーウィンらの墓があるロンドンのウェストミンスター寺院に埋葬される。
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「偉大な足跡、ノーベル賞級」東大名誉教授・佐藤勝彦氏(宇宙論
 数学的な技術はもちろん、物理的な直感やセンスが本当に優れた方だった。みんなが「ブラックホールは吸い込むもの」と思っていた中で、蒸発するという考え方をしたのもそうだ。アインシュタインの後を受け、一般相対性理論量子力学を結び付けた。宇宙物理学に残した足跡は偉大だ。ノーベル賞は証明がないと授与されないようだが、業績はノーベル賞級だった。
 私が彼と話すようになったのは、インフレーション理論を提唱した1980年代の初め頃からだ。彼の指摘で理論を充実させることができた。非常にアグレッシブで、人に遠慮せず言いたいことを言うタイプだった。ジョークも好きで、講演会では何回も盛り上がった。英国らしい皮肉なジョークだ。日本は非常に好きで4、5回は来日した。食べ物で気に入ったものを聞いたら「壺(つぼ)焼き」と答えて驚いた。これもジョークだったのかもしれないが。
 最後に会ったのは昨年7月。ケンブリッジで彼の75歳の誕生日を祝う国際会議があり、おめでとうと伝えると、顔をくしゃくしゃにして「サンキュー」と応じてくれた。とても元気で、亡くなるなんて思わなかった。
 私どもの業界では大変なセールスマンだった。著書『ホーキング、宇宙を語る』のおかげで世界の人が宇宙の創成などにすごく興味を持ってくれた。彼ほどのカリスマ性を持った宇宙物理学者は、今はちょっといないと思う。(談)(科学部 草下健夫、小野晋史)」
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