🐙12〗─2─昆虫食が地球規模の食糧危機を救う。2014年〜No.38No,39No.40 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2019年5月24日 産経WEST「【エンタメよもやま話】ウジ虫、バッタ、ゴキブリ… 人口激増の世界を救う昆虫食
 今週ご紹介するエンターテインメントは、久々となる「食」の話題ですが、苦手な人には少し衝撃的な内容かも知れません。
 2018年6月14日付の産経ニュースのコラム【World衝撃】で「人類を救う『ゴキブリのミルク』…栄養は牛乳の3倍、スーパーフード」(
https://www.sankei.com/west/news/180614/wst1806140087-n1.html )というお話をご紹介しました。
 記事はこちら:【World衝撃】人類を救う『ゴキブリのミルク』…栄養は牛乳の3倍、スーパーフード
 世界はこれから爆発的な人口増に見舞われるため、食糧が不足。そのため、昆虫でタンパク質を取らねばならない状況がやってくるので、こういうことになっている、といった内容なのですが、今回の本コラムは、昆虫食がさらなる盛り上がりを見せているというお話です。
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 ■ウジ虫ソーセージ、中国「ゴキブリ牧場」…かつて日本も…「昔は奴隷の…」
 5月2日付で豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドや米CNN(いずれも電子版)などが伝えているのですが、ウジ虫やイナゴなどを使った昆虫由来の代替タンパク質をさまざまな食品に使うことができないか調べている研究者がいるのです。
 約200年前、地球上で生活していたのは10億人未満でした。しかし、国連によると、2013年に72億人だった世界の人口は、すでに今年2月現在で77億人に。さらに今後、アフリカやインドで爆発的に増え、2025年には81億人になり、2050年には96億人に達するといいます(2013年6月13日付米紙USAトゥディ電子版など)。
 そのため、豪北東部、クイーンズランド州にあるクイーンズランド大学で食肉科学について研究しているローレンス・ホフマン教授は、伝統的な畜産業では、今後、世界の食肉需要が満たせなくなる可能性が高いため、伝統的なタンパク源に置き換えるか補完するための代替手段が必要と強調。
 「人口が増え過ぎた世界では、人々は心と胃袋をオープンにし、食生活というものをさらに広い意味でとらえない限り、十分なタンパク質を見つけるのに苦労するだろう」と警告します。実際、最近の研究によると、113カ国で現在、昆虫食について科学的な研究が進んでおり、約2000種類が食用になることが判明。国連も、昆虫が世界的な食料不足に対する潜在的解決策として推薦しているそうです。
 クイーンズランド大学の公式ニュースサイト(5月1日付)は、ホフマン教授のこんな発言を報じています。
 「タンパク質の供給をこれからも継続的に維持できる最大の可能性は、昆虫と新種の植物にある。ウジ虫から作った市販のソーセージを食べられるか、さらに、他の昆虫の幼虫、そして、バッタのような昆虫そのものを食べられるかどうかだ。ちなみに私の生徒の1人は、とてもおいしい昆虫のアイスクリームを作った…」
 また、ホフマン教授とクイーンズランド大学農業・食品イノベーション研究所(QAAFI)は共同で、日本では過去に「便所バエ」などと呼ばれていたアブの一種「アメリカミズアブ」の幼虫(ウジ虫)を、鶏肉の生産に役立てる研究を進めています。
 「野生のニワトリは飼料ではなく、昆虫や幼虫を食べていた」(ホフマン教授)点に着目。ブロイラー用のニワトリのエサの15%に、このウジ虫を混ぜて与えたところ、胸肉の香りや風味、そしてジューシーさや柔らかさに何の変化もなかったそうです。
 ホフマン教授は「世界的な大規模産業である家畜業界では、穀物に代わる持続可能で環境に優しいタンパク源を求める声が高まっている」(同大学の公式ニュースサイト)として、昆虫やその幼虫は、人間だけでなく、家畜のエサとしても大いに役立つとの考えを強調しました。
一方、意外な昆虫を薬として加工し、利益を生み出している例もあります。
 昨年4月19日付の香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)」の電子版などが報じているのですが、中国・四川省の南西部、西昌市には、年間60億匹のゴキブリを飼育する世界最大の「ゴキブリ牧場」があるそうです。何千年もの間、ゴキブリは中国で伝統的な漢方薬の成分で知られ、中国政府は20年以上に及ぶ実験室での研究と臨床実験で、薬としてのゴキブリの効用を認定しています。
 そのため、中国には、医薬品のほか、家畜の飼料用のタンパク源として、ゴキブリを繁殖させる施設がありますが、ここは別格の規模の屋内飼育加工施設だそうで、AI(人工知能)が湿度や温度、ゴキブリが食べるエサの消費量など、全てを管理しています。
 この「ゴキブリ牧場」、北京に本社がある医薬品会社が運営しており、飼育したゴキブリは粉砕され、最終的に液体の飲み薬になります。
 中国の公式報告書によると、胃のほか、呼吸器などの病気を患っている約4000万人が、医師の処方箋(しょほうせん)に基づいてこの薬を飲んだといい、「ゴキブリ牧場」はこれまでに計43億元(6億8400万米ドル=約745億円)を売り上げたとしています。
 前述のSCMPは、慢性の胃の病気を持つ患者数人が、胃の痛みをかなり軽減することができるとしてこの薬を定期的に服用しているといった、この医薬品会社の代表の声を紹介。この代表はSCMPに「患者は皆、この薬がゴキブリから作られていることを知っています。それは嫌な昆虫ですが、(薬局の)棚に同じ効果を持つ薬はほとんどありません」と胸を張りました。
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 話は豪州に戻りますが、前述のローレンス・ホフマン・クイーンズランド大教授は、昆虫以外でも、ほとんどの動物にとって生活に適さない場所で放牧できることから、カンガルーの肉を世界的なタンパク質の潜在供給源と考えているそうです。
 将来、食糧危機が訪れるとしても、昆虫を食べることに抵抗がある人は少なくないと思います。しかし前述のCNNは、そんな人々に向け、こう諭しています。
「ロブスター(オマール海老)の歴史について考えてみよう。19世紀の後半まで、ロブスターは北米では、奴隷や囚人に施される食べ物で、貧しい人々のタンパク源だった…」
       (岡田敏一)
【岡田敏一のロック講座】秘話、80年代のハード・ロックヘヴィ・メタルブーム
 マイケル・ジャクソンやマドンナ、プリンスといった数々の大スターが生まれ、ロック音楽が世界の若者文化の中心に躍り出た1980年代、全世界で空前のブームを巻き起こしたハード・ロックヘヴィ・メタル
 全世界で米のガンズ・アンド・ローゼズの「アペタイト・フォー・ディストラクション」(87年)が3000万枚、米のボン・ジョヴィのアルバム「ワイルド・イン・ザ・ストリーツ」(86年)が2800万枚と、多くのハード・ロックヘヴィ・メタルのバンドが怪物級のヒットを記録。世界中の若者のファッションやライフスタイルにも大きな影響を与えました。
 そんな80年代のハード・ロックヘヴィ・メタルのブームを支えた代表的なバンドの逸話や、当時の欧米の音楽業界の裏側について、音楽誌「レコード・コレクターズ」( http://musicmagazine.jp/rc/ )の常連執筆者で、かつてロサンゼルス支局長としてガンズやモトリー・クルーといった「LAメタル」を生み出した米ロサンゼルスで米の映画・音楽産業を取材した産経新聞文化部の岡田敏一編集委員が解説します。
 ■時と場所 6月29日(土)午後2時~3時半、サンケイカンファレンス大阪梅田桜橋(大阪市北区
 ■参加費 2800円
 問い合わせ・応募はウェーブ産経事務局((電)06・6633・9087)。受け付けは平日の午前10時~午後5時。
 産経iDのサイト( https://id.sankei.jp )からも、お申し込みできます(産経iDは登録が必要です。入会金・年会費は無料)。
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 【プロフィル】岡田敏一(おかだ・としかず) 1988年入社。社会部、経済部、京都総局、ロサンゼルス支局長、東京文化部、編集企画室SANKEI EXPRESS(サンケイエクスプレス)担当を経て大阪文化部編集委員。ロック音楽とハリウッド映画の専門家、産経ニュース( https://www.sankei.com/ )で【エンタメよもやま話】など連載中。京都市在住。
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 ■毎週、日本を含む世界のエンターテインメントの面白情報などをご紹介します。ご意見、ご要望、応援、苦情は toshikazu.okada@sankei.co.jp までどうぞ。
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 7月19日 産経WEST「食糧危機の切り札? 昆虫食は普及するか
 昆虫食普及マンガの第1話「イナゴは丘のエビ?!」
 将来予想される食糧危機の解決手段として昆虫食が注目されている。「安全で安く、栄養価も高い」といわれ、国連も「未来食」として推奨するが、日本ではまだまだ口にするのに抵抗を覚える人が多い。そこで、関西の昆虫料理愛好家らでつくるNPO「昆虫エネルギー研究所」(大阪府岬町)が普及を目的としたマンガを制作し、フェイスブックツイッター上で連載を始めた。研究所は「昆虫食への理解を深めてもらえれば」と期待。近年、テレビなどでもよく紹介される昆虫食だが、果たして根付いていくか。(山田淳史)
 昆虫食ノススメ
 マンガは、語呂合わせで「虫の日」の6月4日に連載を開始。プロローグ(第0話)を含め全12話を予定し、毎週月曜午後8時に順次アップしている。
 プロローグのタイトルは「昆虫食ノススメ!?」。カエルのキャラクターが登場し、国連の統計などをもとに「世界人口は2050年には96億人に達する勢い」「ここ30年で食糧生産を60%増加しなければならない」と解説。
 さらに、「人類は太古の昔から昆虫を食べてきた」「400万年前の人糞の化石からアリ・コオロギ・ゴキブリ・バッタなど多くの昆虫が発見されている」とし、「食糧危機回避の切り札として注目されているのが昆虫食やねんっ」と関西弁で訴える。
 続く第1話では、日本人が昔よく食べていたという「イナゴ」を取り上げ、「イナゴは丘のエビ」「日本の食用昆虫の代表」などと紹介している。
セミカメムシ、コオロギ、カイコも
 研究所は、所長の佐藤裕一さん(44)が平成23年に立ち上げた。昆虫食を研究する大学関係者や料理人もメンバーに名を連ね、昆虫食の普及イベントなどを行っている。
 佐藤さんは約20年前に東南アジアを放浪し昆虫食に出合ったという。マンガは、佐藤さんが原案、研究所メンバーの佐々木千絵美さん(28)がイラストを担当。佐々木さんは、小学4年から高校卒業まで昆虫食が食べられる地域として知られる長野県に住み、「『ハチノコのバター炒め』なども食べていたし、抵抗はない」と話す。
 マンガでは、「昆虫食を“えげつない”と感じる人の気持ちを和らげるように」と人間でなく、ほのぼのした表情の癒やし系のカエルを主人公にしたという。昆虫食としてイナゴだけでなく、セミカメムシ、コオロギ、カイコなども紹介。「描けば描くほどおもしろい。1日5、6時間で、3日あれば仕上がる。虫もだんだんリアルになってきた」と笑う。
 女性の方が積極的
 昆虫食が注目されている背景には、国連食糧農業機関が2013(平成25)年、食品や飼料における昆虫類の役割に関する報告書を出したことが影響しているとみられる。
 報告書では、昆虫はタンパク質などが豊富であることなどを指摘。佐藤さんら専門家によると、昆虫は昔から東南アジアだけでなく、ヨーロッパなどでもよく食べられ、養殖も行われるようになった。牛や豚などに比べて、飼育コストが安いことも理由に挙げられるという。
 国連の推奨もあって近年は国内でも昆虫食が注目され、昆虫食のイベントが開催されたり、昆虫を使った調味料が開発されたりし、昆虫食を研究・開発するベンチャー企業も誕生。今年1月には昆虫料理研究家の内山昭一氏による新書「昆虫は美味い!」(新潮社)も出版された。
 同研究所でも毎年夏頃、近畿を中心に「関西虫食いフェスティバル」を開催。佐藤さんが講演するほか、ハチノコやカイコ、養殖もののゴキブリなどの昆虫料理が実際に味わえる。
 「イベントを始めた当初は興味本位の参加者が目立ったが、最近はしっかりとメモを取るなど真面目な参加者が多い。男性よりも女性の方が昆虫食に積極的にチャレンジする傾向があるようです」と佐藤さん。
 マンガで正しい理解を
 昆虫食はテレビやネットでも紹介される機会が増え、昔よりも抵抗感は薄らいでいるようにみえるが、一方で、間違った認識や情報もあふれているという。
 そこでマンガを通じた啓発を考案。佐藤さんは「これまで昆虫食が国内で普及しなかったのは、『食べられていないものは気持ち悪い』というイメージがあったから。マンガを読んで昆虫食への理解を深めてもらえれば」と話している。」
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