⛴129}─4─日本人の科学論文発表は年々減少し、日本の大学のレベル低下が止まらない。論文数は中国が世界一。〜No.397 @        

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 プロフィールに、6つのブログを立ち上げる。 ↗
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・   
 日本を支配する西洋礼賛主義。
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 日本の科学技術力の凋落が加速している。
 モノ作り日本は、過去の栄光、昔の物語である。
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 科学技術の進歩発展の為に重要なのは、英語で論文を発表する頃ではあるが、それは大人・学者や研究者であって、子供にとって正しく美しい日本国語である。
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 大正時代の日本人は義務教育しか受けず英語も中国語も知らないのに、科学への興味以上に、世界で話題になっているアインシュタインの「相対性理論」がどういう物か知りたくて、来日しいるアインシュタインの講演会に押しかけ、高等な理論や説明を何とか理解しようとして拝聴した。
 その飽くなき好奇心ゆえに、戦前の科学オタクの子供は学童向け科学誌を読んで原子爆弾を知っていた。
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 文系の偏狭的観念的閉鎖的な思想・哲学・主義は厳しき制限されていたが、科学や技術といった進歩発展につながる理系の実学は大いに奨励されていた。
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 世界一、ナンバーワンを諦めた日本人。
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 2017年4月20日号 週刊新潮「科学探偵タケウチに訊く! 武内薫
 Q それでも日本の科学は失墜する?
 A 前回は、科学の低迷のせいで、科学誌ニュートン』の出版元が破産した話を書いた(同誌の発行は継続されるようだ)。今回は、その『根っこ』の部分について考えてみたい。シュレ猫『でも、科学って別に低迷していないかもしれないにゃ。ノーベル賞もたくさん獲ってるにゃ』
 たしかに、毎年ノーベル賞の発表が近くなると、私は急に忙しくなる。テレビや新聞・雑誌からコメントを求められるかあだ。これは、文学における芥川賞と同じで、マスコミがその時だけ大騒ぎをして、すぐに冷めてしまう現象。
 で、芥川賞を受賞しても、純文学の印税だけで食っていける作家はあまりいないとささやかれるのと同様、ノーベル賞を受賞しても、科学研究が盛んだと思ったら大間違い。
 ちょうと余談になるが、芥川賞作家が丸々1年かけて本を書いても、売れたのは3,000部で印税は30万円。ところが、同じ作家さんが1時間半の講演では50万円稼いだという笑えないジョークを聞いたことがある。
 ノーベル賞も、多くのノーベル賞学者が、受賞会見で『警鐘』を鳴らしている。物理学賞の益川敏英さんは、自分たちの論文は30年以上前のものであり、いまや日本の科学は危機に瀕していると強調していたし、生理学・医学賞の山中伸弥さんも、若手研究者のための研究資金が不足していると嘆いていたし、去年の大隅良典さんも、若手科学者を育てるために、所属する東工大基金の設立を呼びかけ、自らのノーベル賞の賞金も寄付すると発表した。ようするに、日本の基礎科学も、派手に見えた若手が育たず、空洞化しているのだ。
 シュレ猫『そういえば、「ネイチャー」誌も文句いっていたにゃ』
 文句じゃないが、英科学誌『ネイチャー』は、日本の科学が低迷していることを数字で証明してくれた(以下、NHKニュースを要約)。
・世界の主な科学雑誌に掲載された日本の論文数が、2012年の5,212本から16年の4,779本へと減少。
・世界の主な科学誌に掲載された日本の論文の割合は、12年の9.2%から16年の8.6%へと低下。
・世界の2万以上の科学誌に掲載された論文の数が、05年から15年にかけて、世界全体で80%増加したのに、日本の増加は14%だけ。
 ごちゃごちゃ数字を引用したが、世界の中における日本の科学の地位が低下してしまった、ということに尽きる。その理由として『ネイチャー』誌は、日本政府が大学への交付金を減らした結果、若手研究者が『短期契約』ばかりになってしまい、安定的な研究ができなくなったと分析している。いやはや、文科省はただいま天下り問題で大騒ぎだが、自分たちの再就職で頭がいっぱいで、日本の次世代を担う若者たちの就職をおざなりにしてしまったとでもいうのか?
 もっとも、文科省ばかりを責めるのは酷かもしれない。実は科学研究費だけでなく、政府が支出する教育費も、日本は、OECD諸国でビリから2番目というていたらくなのだ。教育にも科学技術にもお金を出さない日本。いったい、われわれの血税は『どこ』に流れているのか!
 シュレ猫『でもにゃ、科学が低迷してもいいっていう人も多いにゃ。江戸時代の自給自足の生活に戻ればいいにゃ』
 それって鎖国ですよね。で、江戸時代にどれくらいの飢饉があって、いかに悲惨だったかは措いておくと。はあ、思わずため息が出ますなぁ」
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 4月22日号 週刊現代「カネ学入門 藤原敬
 『本を読めない』若者たち
 人は今、何にカネを遣っているのか?
 それを知ることで、今、人がどうあり、ひいては世の中がどうなっているかが分かります。
 『どんなものを食べているか言ってみたまえ。君がどんな人間であるかを言いあててみせよう』(美食家、ブリア=サヴァラン)という言葉がありますがカネ遣いの方が正確に分かると思います。
 いま一般にカネで何に多く遣われているかを知るには、テレビに流れるコマーシャルを調べる方法があります。ネットの普及で嘗(かつ)てより広告効果は落ちたとはいえ出稿料は高いです。『儲かる・大勢の人がカネを投じる』商品以外は、テレビCMには掛からないものです。そう思ってテレビをご覧になると驚かれるかでしょう。物凄い数のゲームのCMです。それだけ人がゲームにカネを遣っていることが分かります。
 私は某有名私立大学で『ライティング技法』の講義を半年、非常勤講師として務めました。
 『書くこと』を学ぶ授業ですから当然、『読み・書き』の好きな学生さんが集まります。
 『次回、この小説を分析しますから読んで来て下さい』と私はコナン・ドイル著『緋色の研究』をあげました。シャーロック・ホームズシリーズ第1作。凄く良く出来ていて面白く、文庫で2時間もあれば読めます。
 翌週、講義に立った私は驚きます。学生さんからの大ブーイングが待っていたからです。
 『こんな長いもの読ませるなッ!!』
 私は啞然としました。かなり偏差値の高い大学で『読み・書き』に興味を持つ学生さんでこの状況・・・日本の若者たちがどれほど本を読まないかが知れます。彼ら彼女らが多くの時間とカネを費やすのがゲームです(若者だけでなくスマホでゲームに興じる大人が大勢いるのは電車内の日常の光景からも分かります)。
 世界の政治に今革命的動きが起こっています。既存の政治家やエスタブリッシュメントへの反発がそこにあるとされています。知識や教養を持つ既成エリートへの反発から反知性主義とも呼ばれ、世界的な『書物からゲームへ』の状況と呼応しています。視覚聴覚の刺激と反射に興奮することに慣れ、文字を追って思考や想像を巡らすことをせず、知識や知性、教養への欲求は、どんどん希薄になっています。
 恐いのは、知性の否定が理解の否定につながることです。知識や知性への欲求が無いと他の文化や他国を理解しようとしませんし〝寛容〟も生まれようがありません。
 嘗て、無能な精神主義と国民の国際感覚の欠如がこの国を無謀な戦争に駆り立て、悲惨な結果を招いたことを今、思い出すべきかもしれません。
 反知性主義は『自分で考える術を持たず、知る努力をしない』ことです。簡単な言葉で扇動され、ゲーム感覚で行動し、暴力的で強力な無知のエネルギーを皆で創り出す危険性があるのです。
 新年度・新学年となり、若い人たちに月に一冊は本を買って読んで欲しい。
 切に願う次第です」
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 3月23日 産経ニュース「【クローズアップ科学】日本は失速、「地位危うい」と英誌警告 減少する科学研究論文
 日の丸サイエンスに暗雲
 ノーベル賞を3年連続で受賞するなど輝かしい成果を誇る日本の科学研究。だが高水準の論文は減少しており、英科学誌ネイチャーは「日本は失速し、エリートの地位が脅かされている」と警告する調査結果を公表した。背景には予算の伸び悩みや若手研究者の不安定な雇用などの問題があると専門家は指摘している。(草下健夫)
 4年間で8%減
 先月発表されたネイチャー誌の特集「ネイチャー・インデックス2017 ジャパン」は日本の科学界に厳しい現実を突き付けた。
 同誌や米サイエンスなど世界の主要な68の科学誌に掲載された2016年の論文数を分析した結果、日本は4年間で8・3%減少。中国が47・7%、英国が17・3%それぞれ増加したのに対し、大きく後退した。
 より広範囲の科学誌に掲載された15年の論文数では、世界全体は10年間で約80%増加し、中国や米国が高い伸びを示した。日本は14%増にとどまり、全体に占める割合は7・4%から4・7%に下落。存在感の低下が際立った。
 別の統計で分野別に見ると、日本は全14分野のうち医学や天文学などを除く11分野で論文が減った。計算機科学の37・7%減を筆頭に、生化学・分子生物学や免疫学で30%以上、物理学は20%以上、得意分野とされる材料科学や工学でも10%以上と軒並み減少となった。
 ネイチャー誌は「政府主導の新たな取り組みで低下傾向を逆転できなければ、科学界におけるエリートの座を追われかねない」と警鐘を鳴らしている。
 予算増えず多忙に
 こうした問題は、日本のノーベル賞受賞者も指摘してきた。昨年、医学・生理学賞を受けた大隅良典氏は「今の毎年のような受賞は過去の遺産による成果だ。今後、若い人が受賞し続けられるか」と懸念を示した。
 低迷の背景には何があるのか。まず目につくのは、国の科学技術予算が今世紀に入って横ばいに転じたことだ。政府は今月21日、20年度までに4兆4千億円に増額する方針をようやく決めたが、10年あまりで5倍に増えた中国、一時減少したが14年以降は増加している米国とは対照的だ。
 東京工業大の調麻佐志(しらべ・まさし)教授(科学技術社会論)は「お金が一番の問題だが、大学教員は近年、大学改革の会議や広報などの仕事で明らかに多忙になり、研究に時間を割けなくなっている」と指摘する。
 文部科学省科学技術・学術政策研究所が理工系などの大学教員らを対象に実施した13年の調査によると、職務時間に占める研究活動の割合は02年の50%から42%に低下。教育や社会活動の比率が大幅に増えた。予算面で増員できず、1人当たりの業務が増えた影響もあるという。
 雇用環境の改革を
 限られた予算の中、政府は重要な研究分野に資金を重点的に配分する政策を進めている。ただ、研究の初期に将来の成果を予測するのは難しい。調氏は「がん研究など社会的に重要な分野を除き、予算の選択と集中は研究がある程度、進展した段階で行うべきだ」と提言する。
 若手が任期を限定した職にしか就けず、研究に打ち込みにくいことも大きな課題だ。15年にノーベル物理学賞を受けた梶田隆章氏も「長い目で見ると、日本の科学分野の競争力を大きくそいでいる」と強調した。
 政策研究大学院大の角南(すなみ)篤教授(科学技術政策)が重視するのは人材の流動化だ。「若者の雇用不安をなくすのは重要だが、単にポストを増やすだけではよい結果にならない。現在は若者だけが椅子取りゲームをしているが、シニアの研究者も含め国内外の大学や研究機関を渡り歩かなければ日本が地盤沈下する」と危機感を募らせる。
 クラレの調査では、昨年春に小学校を卒業した男の子の憧れの職業は、スポーツ選手に続き研究者が2位だった。その半面、大学院の博士課程に進学する学生は減少が続いている。
 日本の科学が世界に大きく貢献していくためには、研究への夢を膨らませて育った若者の志を支える改革が必要だ。」
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 8月11日 産経ニュース「日本の科学論文6%減少 国別2位から4位に転落 大学の研究費確保難しく 中国は4倍に
 2013〜15年に発表された日本の科学技術系の論文数が、10年前から6%減少し、国別で2位から4位に転落したことが、文部科学省科学技術・学術政策研究所の調査で分かった。上位の10カ国で論文数が減ったのは日本だけ。同研究所は、論文出版の主役である大学で、研究費確保が難しくなっているのが低迷の要因とみる。
 日本や欧米など主要国にある大学や研究機関が、03〜05年と、13〜15年にそれぞれ出した論文数を年平均で比較した。
 日本は03〜05年に約6万8千件だったが、13〜15年は約6万4千件と6%減少。中国は約5万2千件から約22万件と4倍以上になり、ドイツも1・2倍に伸ばした結果、両国に抜かれて4位に下がった。1位はいずれも米国。インドや韓国の論文数は2・2〜2・5倍に増えた。」
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 2018年1月25日 産経ニュース「科学・工学分野の論文数、中国が初の首位 米国抜く 日本6位 米財団調査
 【ワシントン=塩原永久】各国の科学技術力の分析に当たる全米科学財団(NSF)がこのほどまとめた報告書で、科学技術の論文数で中国が初めて米国を上回り世界首位となったことが分かった。日本は6位となり、新興国ではインドにも追い抜かれており、科学技術立国としての基盤低下が懸念されそうだ。
 報告書はNSFが2年ごとにまとめている。2016年に発表された論文数は中国が約43万本となり、米国の約41万本を抜いた。3位以下はインド、ドイツ、英国が続き、日本は6位と低迷した。7位以下はフランス、イタリア、韓国。
 報告書がまとめた統計によると、直近10年間の国別の論文数の推移は、中国が約124%増と大きく飛躍。インドも182%増と伸び、新興国の躍進が著しい。日本は13%減った。米国が7%増、欧州連合(EU)域内は28%増だった。
 論文数を分野別にみると、中国は工学分野で欧米を上回ったが、医学・生物学分野では米国などが優位を保った。
 中国は科学研究の底上げのため、民間を含む研究開発費を増加させている。論文数増加は、こうした事情が背景にあるとみられる。」
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 日本を支配する西洋礼賛主義。
 しょせん、日本は欧米にはかなわない。
 無駄な努力はしないに限る。
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 昔の日本人が偉かったからといって現代の日本人も偉いわけではない。
 現代の日本人より未来の日本人が偉くなるという保証は何処にもない。
 過去の偉大な事例は過去のもので、現代とは無縁であり、未来では存在しない。
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 時間が経過すればするほど人は、進歩・優秀になるのではなく、退化・劣化していく。
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 日本産業が欲しいのは、未来の夢ではなく現代の利益のみでる。
 日本では科学者や研究者は酬われない。
 日本が大金をドブに捨てながら研究開発するより、欧米が巨額の資金で研究開発した科学・化学・技術を取り入れた方が安上がりで効率が良い。
 日本は、無理をして一番手を目指さず二番手・三番手で構わない。
 つまり、ナンバーワンでなくオンリーワンでいいと。
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 日本は科学・化学・技術などの多方面で、いずれは中国に追い越される。
 事実。古代から江戸時代まで、日本は多くの事・物を中国から輸入していた。
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 インターネット検索は、知りたい専門分野のみの一方向しかなく、雑誌のような多方向的な好奇心による知識の広がりがない。
 本の活字を読むという事は、多様な価値観を育て、物事を多方面から広く俯瞰する事、裾野を拡げる事である。
 昔の日本人が偉かったからと言って現代の日本人が偉いとは限らず、将来の日本人がさらに偉くなるとは限らない。 
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 費用対効果から見れば、苦労が多くて得られる所少ない。
 大金を投じて効果と利益が得られるのは、インフラ整備などの公共事業である。
 政治家も官僚も企業家も、大金を投じても失敗したり、今大金が稼げる商品を作れない、分けの分からない科学研究には興味がない。
 口では御大層な最もらしい事を言っても、本心は正反対である。
 つまり、大事なのは未来の夢ではなく現代の金であり、最優先すべきは現在の利益であって過去の名誉ではない、と。
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 経済発展も科学技術進歩も、求めないどころか否定する人々がいる。
 将来を否定し、未来の夢を潰す彼らは、もっもらしい「愚にも付かない」屁理屈を子供達に真顔で教えている。
 「今で十分、無理をしなくてもいい」



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