⚡9】─3─福島原発事故による放射能汚染水。国連委の原発影響報告書。原子力発電への依存増加は世界的潮流。~No.58No.59No.60 @  

農の再生と食の安全―原発事故と福島の2年

農の再生と食の安全―原発事故と福島の2年

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 福島第一原発事故における放射性物質除染作業において、業者は杜撰な作業を行い監視されないと事で穴を掘って投棄した。
 役所は、業者に除染作業を丸投げし、報告だけ受けて確認しなかった。
 人の不幸を利用して金を儲けようとする、強欲な銭ゲバ的日本人が増えてる。
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 2002年8月 東京電力の検査偽装などの不正行為が発覚したが、原子力安全神話と電力供給の圧力の前では抗議の声は無力であった。
 為に、原発関連の不正は常態化し、電力各社の安全対策も全て後手の回っていた。
 その不作為の状態で、東日本大震災を迎えた。
 福島第一原発事故は、天災ではなく人災であった。
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 2014年3月8日 黒川清福島原発国会事故調査委員会元委員長)「事故から学ぼうと世界中が日本に注目するが、『なぜあんな事故を経験しても何も変わらないのか』との見方が広がっている。問われているのは私達一人ひとりだ」
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 3月20日号 週刊新潮 「原発事故から3年!
 福島『帰還困難地域』の牛は孫に食べさせても大丈夫!
 あの事故から3年。福島第一原発に近く、『帰還困難地区』に組み込まれている浪江町では、今も300頭の牛が暮らしている。が、それらの放射線量は急減し、すでに食材として供せられるレベルにあるという。
 札幌医科大学教授 武田 純
 浪江町で、私は牛たちの放射線衛生状況を調べる生体調査を、2年にわたって行ってきました。
すると、2年目になって驚くべき数字が検出されました。何と、牛の体内にあるセシウムが急激に減衰していることが判明したのです。さらに現在では、すでに食用に適するほどの値にまで下がっている。こう言うと、皆さんは耳を疑うかもしれませんが、全て事実なのです。
 ……
 私は大学院の博士課程で、広島の『黒い雨』の研究に携わりました。また前職、助教授の任にあった広島大学原爆放射線医科研究所では、世界各地で放射線衛生の調査も行っていました。チェルノブイリ、ビキニ水爆実験のあったマーシャル諸島、核実験のあったシルクロード中央アジアなどに赴き、核被害の実態を測定してきたのです。
 広島では『黒い雨』を浴びた牛が下痢をしたという記録があります。また池の魚が多く死んで、人間の頭髪が抜けたことは皆さんもご承知のことでしょう。
 しかし福島においては、そうした現象は全く見られませんでした。牛はおよそ1ヶ月間、屋外に放置されていましたが、下痢も脱毛もなく、つまりその時点で『急性放射線障害』はなかったのです。これは、強制避難させられた20キロ圏外が、実は低線量率だったことを意味します。
 また、チェルノブイリと比較しても、かの地では周辺住民の甲状腺被曝量の最大値は50シーベルト(拙著『お母さんのための放射線防護知識』医療科学社)だったのに対し、11年4月に福島で浪江町飯舘村二本松市の計66人を対象に調査したところ、最大値はわずか8ミリシーベルトに過ぎませんでした。この数値では甲状腺がんの発症リスクはほぼゼロに等しく、私は年間1,000万人に一人以下の割合だと評価しています。
 8ヶ月で10分の1に
 これらの調査結果に鑑みれば、おそらく福島の牛も元気に違いない。ならばきちんと調べて証明するのが科学者の務めだと考え、震災の翌年から私は浪江町で本格的に生体検査を始めました。……
 牛の被曝を調査する際、体内に蓄積されたセシウムを検出する必要があり、これにはガンマ線スペクトロメータを用いました。……
 原発事故で放出されたセシウムには質量数が134と137の2種あり、それぞれ物理的半減期は2年と30年。震災直後、福島県にはこれが1対1の割合で存在していました。
 が、3年後の現在、核の崩壊で放射能は134が34%、137が93%にまで減少しています。これに加え、陸地のセシウムは風雨によって海へと拡散するため、放射能は一層減っているわけです。摂取されたセシウムは汗や糞尿として排出される一方、牛は感染された牧草や野草
食べているので、蓄積もされています。果たしてどんな数値を示し、また体内の放射性物質が半分になる『実効半減期』がどれくらいになるのか、実際に測定を続けてみなければ分かりませんでした。
 ……
 調査した全頭の平均値を求めると、原発事故から1年が過ぎた牛体内のセシウムの実効半減期は55日±3日。わずか8ヶ月で体内の放射能が10分の1にまで減少していたことが判明したのです。ちなみにこの時点で、土壌の除染作業は行われていませんでした。
 ……
 仮にこれらの牛肉を1年に10キロ食べたとして、セシウム内部被曝線量は0.01ミリシーベルト未満と、全くリスクのすくない超低線量。浪江町の牛は、十分に食卓に並べられるレベルになっていたのです。
 浪江の牛ですき焼きを
 世間では、しばしば〝低線量でも放射能被害がある〟との指摘がなされます。しかし、放射能というものは日常にありふれており、その証拠に、一般に流通する豚肉と乾燥昆布の天然カリウム放射能濃度を調べてみると、1キロあたり120および1,600ベクレルという数値が出てきます。むしろ、浪江町の牛のほうが低いくらいなのです。
 ……
 『帰宅困難』のデタラメ」
 震災直後、時の民主党政権は、福島原発から20キロ圏内を強制避難区域に設定しましたが、これは屋外での空間線量の計測値から作成されたもので、雨の日も雪の日も真夏の盛りでも、屋外で8時間、裸でいることを前提としています。当然、人体への実線量の計測ではないのです。
 毎時11マイクロシーベルトという末森地区放牧地の屋外空間線量率をもとに、『政府方式』で毎日、屋外で8時間、屋内で16時間を過ごし、1年間暮らした場合を計算すると、12年の年間線量は、53ミリシーベルトになります。これは私の個人線量計を用いた正しい値(17ミリシーベルト)の3倍超。つまり、対策本部の作った『帰還困難指定地図』は、こうして誤った推定にもとづく、とんでもない非科学の所産だというわけです。
 ……
 ところが混乱の中、住民は自主避難という名の強制的な退避を余儀なくされました。それによって入院患者など約70人の医療弱者が亡くなり、家畜も事故前には牛3,500頭。豚3万頭、ニワトリ44万羽、馬100頭が飼育されていたところ、半数以上が餓死、残りも殺処分対象となってしまいました。本来ならば失われるはずのなかった命です。
 さらに、こうした措置が風評被害も生み出していきます。〝福島に近寄るだけで被曝する〟といった根拠のない噂が、国内はおろか世界中に広まり、地元の人たちを苦しめてきました。 
 放射能は決して伝染病ではありません。減衰し、やがては消滅する。細菌が増殖するバイオハザードとは全く異なるのです。
 ……チェルノブイリでの調査で、空から降下したセシウムは地表深さ10センチ以内にほぼ吸着していたことが分かっているからです。
 結果、セシウム放射能の除去率は平均94%と好成績でした。浪江町の放牧地の表土を深さ10センチまで削り取れば、牧草のセシウムを大幅に除去でき、牛の体内セシウムは、全て出荷基準値以内にまで清浄化できることになります。
 福島第一原発の周辺20キロ圏内は、安倍政権が発足して1年3ヶ月が経った今も、復興の兆しが見えていません。これは核災害科学の専門家からすれば異常事態です。米軍による核攻撃で壊滅した広島と長崎が、その年から復興に向かった歴史を思い出してほしい。福島は、堂々再建に向かって進むべきなのです」
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 自然災害多発地帯の島国に住み、放射能や化学薬品や疫病・伝染病などによって甚大なる被害が発生しても日本列島を捨てて逃げ出さないとなれば、お人好しにも人を信じきって命を預けて伴に生活するしかない。
 日本民族日本人は、相互補完共生の性善説で生きるしかなかったのである。
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 4月3日 読売新聞「福島 がん増加想定できず
 国連委が原発影響報告書
 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能の健康への影響を調べている国連科学委員会は2日、『大人のがんが増えるとは予想できず、出生児の異常も増加しない』という内容の報告書を発表した。 
 事故当時の1歳児については『甲状腺がんのリスクは理論的に高まる危険性があるが、影響はほとんどない』という。
 委員会は、放射線に関する国際的な調査研究組織。今回は政府の資料などを基に、福島県内の成人や子供の被曝量を調べ、がんになる可能性が増えるかどうかを検証した。
 報告書は、原発事故の発生から1年間で、福島県内の成人の被曝量は1〜10ミリ・シーベルトで、放射線の影響をうけやすい1歳児もその2倍程度だと指摘。がんになるリスクの増加は、いずれも『一般的な日本人ががんになる確率(35%)に対して非常に小さい』とした。
 事故後の対応にあたった従業員の被曝についても、『不確かな点が残るが、がんなどの増加は予想されない』としている。委員会は今後、海や地下水などへの汚染水流入による健康への影響なども調べる」
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 福島県を中心に放射線物資除染作業予算として、4年間で1兆4,000億円の税金を投入した。
 業者の中には、仕事を受注しながら手抜きをしていると言われている。
 線量が低い場所の線量作業は行わず、下請けの作業を減らしてその分の工賃を利益とした。
 指摘された業者は、労働者不足と言い訳している。
 内部告発者「市の発注内容は『放射線量を半分以下にする』というものだった。線量を測りながら作業し、たとえば毎時0.5マイクロシーベルトの場合であれば、0.2マイクロシーベルト以下に落とせば作業完了。
 だが、工事が始まると元請けゼネコンが下請けに〝線量が半分以下にならなくても、土の表面を5センチ削るだけでいい〟と指示した。線量が高い地域では5センチでは足りないので、それ以上表面を削ると労力も時間もかかるので、手抜きを指示していたのだろう」
 震災復興予算をチャッカリと利益に回している業者が、あると言う。
 被災者の中には、仕事もせず災害手当を手に、入れ酒やギャンブルで遊んで顰蹙を買っている者がいると言われている。
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 8月24日 msn産経ニュース「【吉田調書抄録(7)】
 政府への不信 「腐った指示ばかりだった」
 平成23年3月11日の東京電力福島第1原発事故で、当時の吉田昌郎所長への聞き取り調査をまとめた「吉田調書」。7回目は、吉田氏と政府側とのやり取りに関する証言をまとめた。
 〈第1原発で事故が発生した場合、経済産業省原子力安全・保安院福島県大熊町の緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)に関係者を緊急招集し、陣頭指揮にあたることになっていた〉
 −−保安院の保安検査官は(第1原発内の)保安院の事務所に通常詰めていますね
 吉田氏「はい」
 −−その人たちは一旦退避か何かでどこかへ行かれたんですね
 吉田氏「はい」
 −−それから、また戻ってくるんですね
 吉田氏「かなりたってからです」
 −−また戻ってきたのは大体どれくらいか
 吉田氏「よく覚えていないが、事象が起こったときは保安院の方もみんな逃げてきて、免震重要棟に入られた。それからオフサイトセンターができたので、オフサイトセンターに出ていった。途中でオフサイトセンターから保安検査官をこちらに送り込むという話はあったんです。結局あれは14日だったんですけれども、来られなかった」
 −−来なかったのか
 吉田氏「はい。私は記憶がないんだけれど、24時間駐在で来られるようになったのはもうちょっと後だと思います」
 −−保安院から所長に直接、今どういう状況かみたいな電話はないのか
 吉田氏「ないです」
 〈13日には3号機の爆発を避けようと、建屋にたまった水素を抜くためのブローアウトパネルの開放が検討された〉
 −−保安院からの指示として、パネルを具体的にどうしようかという話はしていたのか
 吉田氏「していました。パネルを開けないといけない。だけれども、(19年の)中越沖地震で(柏崎刈羽原発のパネルが)がたっと落ちて開いてしまったから、開きづらい方向に改造していたんです。どうしようもないわけですよ。だったら保安院来てやれ、馬鹿野郎と言いたくなるわけですよ。こんな腐った指示ばかりしやがってと。いまだにこのときのことはむかむか来ます」
 −−保安院の出先の事務所は
 吉田氏「このころはもういません。1人もいないです」
 〈菅直人首相ら官邸からも吉田氏に電話が入った〉
 −−菅首相との電話は
 吉田氏「菅さんとはどっちかというと質問です。水素爆発はどういうメカニズムで起こるんだということとか、それは水蒸気爆発と違うのかというようなご質問をなさっていたのが1点ですね」
 「それから、菅さんの脇に日比野靖さんという(内閣官房)参与がいた。ごく初歩的な質問を菅さんがして、私が説明をし始めたら、ちょっと待ってくれ、その質問は日比野さんがしているからということで、日比野さんに代わって、結構忙しいときだったんだと思うんだけれども、縷(る)々(る)ご説明をしたと」
 「もう1点は、警戒区域と避難区域、20キロ、30キロの話についてこう決めたけれども、所長はどう思うみたいな話をしてきたんです。知りませんと。本店なり、そちら側の解析しているところで評価してくれと。現場の判断ではないということは申し上げました」
 −−現場はどうなっているんだというので、ちょっと電話してみればみたいな話になると、所長のところに電話をするのが、東電の武黒一郎フェロー、川俣晋原子力・品質安全部長だったり、場合によっては細野豪志首相補佐官だった。どちらかというと、みんなで勉強会というか、そんな感じだったらしい。官邸で首相以下の指示がぼーんと決まって、これで行けとか、そんな感じではなかった
 吉田氏「勉強会だったんですね」
 −−いざ聞いてみると、みんなそういうふうに言う。別に司令塔ではないと
 吉田氏「しかし、何をもってこの国は動いていくんですかね。面白い国ですね」(肩書は当時)」
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 11月19日 産経ニュース 「原発容量「2040年には6割増加」
 IEA事務局長が会見
 国際エネルギー機関(IEA)のファンデルフーフェン事務局長は19日、東京都内の日本記者クラブで記者会見し、2040年の世界の原子力発電の設備容量が計6億2400万キロワットになり、「13年と比べ約60%増加する」との予測を述べた。
 同事務局長は「中国を筆頭にインドやロシアなどが増加を牽引(けんいん)する」と話している。日本と欧州連合(EU)の原発の設備容量については減少するとの見通しを示した。ただ会見では、具体的な増減の数字や分析はなかった。
 事務局長は原発について「温室効果ガスの削減効果や、エネルギー安全保障上の役割がある」と指摘。同日、別の場所で開かれたシンポジウムでも「原発の利用は高価な化石燃料の輸入費を減らすことができる。日本にとっては経済的な利点が大きい」と強調した。」 
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 2018年8月19日 msnニュース 共同通信社「基準値超の放射性物質検出、福島 トリチウム以外、長寿命も
 東京電力福島第1原発で汚染水を浄化した後に残る放射性物質トリチウムを含んだ水に、他の放射性物質が除去しきれないまま残留していることが19日、分かった。一部の測定結果は排水の法令基準値を上回っており、放射性物質の量が半分になる半減期が約1570万年の長寿命のものも含まれている。
 第1原発でたまり続けるトリチウム水を巡っては、人体への影響は小さいなどとして、処分に向けた議論が政府の小委員会で本格化し、今月末には国民の意見を聞く公聴会が開かれるが、トリチウム以外の放射性物質の存在についてはほとんど議論されていない。
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原発事故と農の復興

原発事故と農の復興