
ビッグデータと人工知能 - 可能性と罠を見極める (中公新書)
- 作者:西垣 通
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: 新書
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・{東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
支配する民は、日本人とは限らない。
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10月号 正論「人工知能 支配する民、支配される民
ロボットHAL 山海嘉之 インタビュー
これからの社会はどうなる?日本人の未来は?
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間もなく来るロボット社会
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人工知能が人間にとってかわる?
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必要なのは人間の倫理観
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山海 強調しておきたいことは、これからの時代は『倫理観、人間観、社会観をしっかりと持った考え方やそういう視点から人材育成が極めて重要だ』ということです。人間は他の生き物オと異なり、テクノロジーを手にした生き物です。身の丈を超えるテクノロジーを身につけることで、人間は自然淘汰の道を捨てた生き物です。私たちの未来は、常にテクノロジーと共にある。つまり、どのようなテクノロジーを創り出すかによって未来が変わるのです。だからこそ、あるべき姿の未来のためにテクノロジーを創り出すこと、適切な活用技術を整備しておくことが重要なのです。
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中国へテクノロジー流出 激しい国際競争
──人工知能の開発、製品化をめぐる国際競争も激しくなっていくと思われますが、日本は遅れを取っていないでしょうか
山海 ドイツの官民一体で主導する第4次産業革命や、米国の異業種5社が設立し世界の200社以上を取り込んだ国際規模の団体IIC(Industrial Internet Consortium)の動きが活発化しています。コンピュータとさまざまな機器をつないでいくCPS(サイバー・フィジカル・システム)という枠組みが産業分野のインフラになろうとしていて、人工知能自体の開発やスマートファクトリー、IoT化された製品開発は世界的に激化している状況です。わが国が産業用ロボットや生産システムで世界の最先端を走ってきたことは高く評価されるものですが、残念なことは、それらは一部の大企業の持ち物に過ぎないということです。
ドイツの第4次産業革命は、中小零細企業が当たり前のように大企業水準のロボット化工場を持つことができるようにしようとする『革命』を起こそうとしているのです。このような海外の動きが見えてくると、日本では官民がこの分野の国際戦略を考えるために動き始めます。本来は、企業も政府も早い段階で構想を立ち上げて常に世界を牽引できるよう大切な一手を打ち続けることができたはずだが、目の前に見えていても、海外との競争モードが見えてこないと重い腰があがらないんですね。
私が、この動きを受けて関係省庁の知財国際権利化ロボット委員会の委員長になった時も、ドイツ、米国、そして、新興国の状況を調査して終了というレベルでしたし、実際のアクションに繋がりにくいという現実があるんですね。他国の追随者としてどうするかではなく、明確な活動実績をしっかりと示し、手探りでも世界を牽引できそうなら、官民一体で加速・飛躍させれば良いのです。
──中国も、人工知能についてはかなり力を入れているのですか?
山海 これからIT化・人工知能化が進む世界の産業用ロボットに関しては、1位が日本、2位がドイツですが、3位は中国です。この夏には、ドイツ最大・最重要の産業用ロボット企業『KUKA』がTOBで中国企業に買収されました。
このことについて私は、未来社会を築くための舵取り役であるテクノロジー系企業が安易に株式市場で売買され外国企業に流出してしまう状況をもう少し慎重に考え、関係機関で支えていくことも必要だったのではないかと考えています。地球が小さくなった現代においては、これまでの自由資本経済の枠組みだけでは限界があり、社会が必要とするテクノロジーの維持や育成のためには、政府と企業の連携プレーが重要となってくるでしょう。
人工知能分野の研究開発予算に関しては、日本では、10年間で1,000億円程度の予算がつきました。これに対して、中国では3年間でおよそ1.7兆円が投入されるそうです。KUKAの件を含め、かなり戦略的に力を入れていますね。少なくとも今後は、分野ごとの縦割り予算ではなく、国家レベルの大胆なビジョンを掲げ、異分野融合によるイノベーションを強力に進めていってほしいと思います。
──人工知能をめぐる国際競争に日本が今後、勝ち残っていくために重要なことは?
山海 人工知能は、いずれ、自らで学習し分析し発案するレベルまで進化していくでしょう。マイクロソフトの『Tay』が、インターネット上のさまざまな言葉から学んだ結果、差別的な発言をするようになったことがニュースになりましたが、教育される環境が悪ければ出来あがってくる人工知能も散々なものであることを世界に知らしめた。日本は、人が望む未来に対して貢献する人工知能を開発していくべきだと思います。
人工知能は、人間がどういうものに育てるかによって大きく変わり、それによって人類の未来も変わることになるんですね。人間の知能を越える学習型の人工知能の時代では、日本人の社会背景にある寛容性や社会協調性、倫理観、社会観、人間観がますます重要になってくるのではないかと思うのです。
日本はこれから急速に人口が減少していきますが、それでも、イノベーション先進国であり続けるためには、手探りを続けながらイノベーションを推進できるコアエリアを持つべきです。そこから得られる様々情報をもとに人工知能を進化させ、イノベーション推進の補助エンジンとすることが、日本の価値や産業競争力を高める上で極めて重要な次の一手となると確信しています」
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人口激減しても現在と同じ生活水準を維持するには、現在と同水準の労働生産性を保ち、好景気を持続させる必要がある。
減少した人材と資金を集中させ各種のイノベーションを進め、新しい技術を導入し、経済発展を続ける以外にない。
労働力不足を人工知能とロボットで補い、人工知能とロボットができない作業を減った日本人を使う。
福島第一原子力発電所事故による原子力関連への嫌悪と人類への脅威というSF物語による人工知能・ロボット関連への猜疑から未来の科学社会への不安を募らせ、第4次産業革命という世界の潮流から取り残され、国家と国民を支えるべき科学技術力を衰退させていく。
日本人の無能に近い無自覚ゆえに、日本は目に見えない所の基層から浸蝕され融解し始めている。
日本の優秀さは、過去の日本人が優秀であったのであって現代の日本人が優秀なのではない。
だが、今の日本人は「夜郎自大」となり、自分こそが優秀であると愚かにも勘違いし耐えて頑張る事を軽蔑し放棄している。
戦前の軍国日本の世界トップレベルにあった科学技術力と優秀な職人芸的生産能力を正しく評価しない限り、人口激減と資源がなく資本の少ない日本の将来はない。
日本は、先進国の一員ではあるが、もう、経済大国ではないし、もの作りの科学技術国家でもない。
全ては夢幻と消えたが、今もって幻影が日本を支配している。
そして、絶望という奈落の穴が目の前に迫っている。
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よくわかる人工知能 最先端の人だけが知っているディープラーニングのひみつ
- 作者:清水 亮
- 発売日: 2016/10/17
- メディア: 単行本

人工知能―――機械といかに向き合うか (Harvard Business Review)
- 発売日: 2016/09/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)

- 作者:五木田 和也
- 発売日: 2016/09/27
- メディア: 単行本