- 作者:佐々淳行
- 出版社/メーカー: ぎょうせい
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
田中辰巳「危機管理の成否は論理的か否かで決まる
大きな危機に遭遇すると、人は2つのトウソウ本能に支配されてしまいます。逃げる逃走本能と戦う闘争本能です。不祥事を起こした企業や舌禍を招いた政治家が、マスコミを避けて逃げ回ったり、逆切れをして反論するのが良い例です。その結果、火に油を注いだかのように、危機はさらに深刻化してしまいます。
しかし、危機管理には一刻の猶予も与えられません。本能を抑えた理論的な思考による、素早い判断と行動が必要とされます。そんな場面で役に立つのが定理とか法則などです。例を言えば、私は日頃から危機に遭遇した企業には、『感知・解析・解毒・再生』という四段階の対策を提唱しています。敏感に危機を察知したら、第一に事実を徹底的に調べて知る。次に、犯した過ちの罪深さを認識して、今後の展開の予測をする。そして。罪の重さと展開の深刻さに見合った解毒を行う。最後は、出口戦略を踏まえた再生策を講じていくというものです。これは予防の危機管理にも当てはまります。
「『克危論』とは、文字通り危機を克服する理論である。何故そのようなものが必要かと言えば、人間という生き物は危機に遭遇すると、咄嗟(とっさ)に『闘争本能』や『逃走本能』に支配されて、あるべき行動をとれなくなってしまうからである。そうした事態を回避するためには、日頃から盤石なる準備と心構えで仕事に臨むこと。そして、有事においては経営者から末端の社員まで、共通の思考フレームや危機管理の定理や法則に沿って、冷静かつ迅速な言動をしなければならない」
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非人間的現象危機に対しては、自然科学に基づく理系合理的論理的思考で冷徹に対応する。
人間的事情危機に対しては、人文科学に基づく文系情緒的現実的思考で情感に対応する。
起こりもしない現実離れした奇跡に期待した妄想や空想の神懸かり的理想論は有害無益で、役に立つどころか全てを台無しにし、全てを失い、そして命までなくす。
正常な思考をするには、過去・原因を分析し現在・現象を見据え未来・結果を予測した、自分が望む期待や安易な架空を排除した、地に足がついた理系合理的論理思考と文系情緒的現実思考が調和を保たれていなければならない。
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田嶋幸三「日本サッカーに足りないのは自己決定力であり、その基盤となる論理力と言語力なのだ」
轡田(くつわだ)隆史「明確な意図もなく、ただ漠然と蹴り、走ったのでは、チームとして機能してゆかない。
自分の行動のネライが、瞬時のうちに仲間に理解されなければ、動きはバラバラになってしまう。
『なぜ?』という問いかけには練習でも重要である。『なぜ、この練習を繰り返すのか?』という問いに答えられなければ効果は上がらない。
『なぜ?』という論理の問いに、明確な言葉で答える技術の上に『自己決定力』は宿る」
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