📉52】53】─1─世界は理系に支配され数字で動いている。方程式が全てを証明する。数学と論理学。~No.109No.110No.111No.112 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2013年1月16日迎春増大号 週刊新潮「『超』数字法・野口悠紀雄。世界は数字でできている!
 ネズミ算が和になると・・・
 昔、あるインドの王は、大臣の功績に褒美を与えたいと思った。大臣が言った。将棋盤の最初の目に小麦を一粒、二番目に2粒、三番目に4粒と、一つ目ずつに倍になるように置いてください。そして、64番目の目までの小麦を頂きたい。これを慎ましい要求と考えた王様は快諾したが、暫くして、途方もない要求であることに気付いた。小麦の総数は、約1.8掛ける10の19乗個で、およそ2000年間の世界の小麦生産量に相当する!
 人口爆発は克服できるか?
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 ダン・ブラウンの新作『インフェルノ』の中で、主人公の一人である女性が、つぎのような数字テストで試される場面がある。『紙を50回切って重ねたら、どのくらいの厚さになるか?』
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 エクセルで計算すればすぐに答えが得られるが、約1.13億㎞である。地球から太陽までの距離は約1.5億㎞なので、ほぼそれに匹敵する。薄っぺらい1m四方の紙で、太陽まで届いてしまうとは! 信じられないことだ。
 こうなるのは、実は、一辺の長さが数㎝どころではないからだ。50回切ると、10万分の3㎜になる。
 『一枚が二枚、二枚が四枚・・・』は、日本人には『ガマの油』の売り口上としてお馴染みのものだ。ただ、普通は『64枚がひと束と28枚』あたりまでしかやらない。50回続けようとしたら、いかに『氷の刃』でも、とても切れないのである。
 人類が直面する人口爆発
 倍々ゲーム(あるいは、ねずみ算)での数の増大ぶりは、驚異的だ。『インフェルノ』では、人口問題の深刻さを示すために、冒頭の質問が使われている。世界の人口は、19世紀初頭に10億人になった。ところが、20億人になったのは1920年代、そして、1970年代に40億人になった。いま60歳の人が80歳まで生きるとすると、世界の人口が3倍になるのを生涯のうちに目撃することになる。
 人類は食物連鎖の頂点に立っているので、人口が倍々ゲームになってしまうのだ。では、人間は自然の摂理に反する存在か?
 人口爆発は、昔から問題とされていた。人口は倍々ゲームで増えるが、食糧生産は等差でしか増えないから、いずれ限界が来るという、マルサス人口論が有名だ。しかし、1960〜70年代にはローマ・クラブが地球の有限性に基づく成長の警告したが、それも杞憂に終わった。
 いまの日本では、人口減少が問題とされる。低い出産率、少子高齢化、若年者の減少、社会保障費の増加などは、言うまでもなく深刻な問題だ。だから、『人口増が問題』と言われても、ピンとこない。しかし、世界全体では、人口爆発が問題なのである。
 現生人類ホモサピエンスは、誕生してからまだ10万年程度しか経っていない。それにもかかわず、資源の枯渇、清浄な水の不足、温暖化、食料不足など、自らが作り出した原因によって、地球の有限性に行き当たりつつある。
 それに対して恐竜は、約2億5000万年前から約6500万年前までの約2億年の期間、繁栄た。10万年と比べものにならないほど長い期間だ。過去2億5000万年の間に宇宙人が地球を訪れたとすれば、人間に出会う確率は、恐竜に会う確率の2,000分の1でしかない。文明人ということで言えば、さらにその100分の1程度の確率だ。彼らは、母星への報告に、『ここは、野蛮な生物で占拠された惑星』だと書いたことだろう。
 しかも、KT大絶滅と呼ばれる恐竜の絶滅は、彼ら自身が引き起こしたものではなく、大隕石の衝突という外的な原因で起こった。それがなければ、いまだに地球を支配していることだろう。
 しかし、恐竜は知能を発展させなかった。何億年も生存を続けたのに、なぜ知能が進化しなかったのか?これは、私が長年抱いてきた疑問だ。
 先日、ある人から、つぎのような考えを聞いた。高い知能を持つ生物が高等とは、人間の思う上がりに過ぎない。恐竜は、知能を発展させて環境を変えたのではなく、環境に適応して変化することで何億年も生存できた。実際、恐竜は生息地によって異なる、きわめて多様な進化を遂げていたことが分かっている。これこそが自然が要求する姿だ。
 そうかもしれない。しかし、私はこの考えに100%は賛成できない。1日の大部分を食べ物あさりに費やす生活は、充実したものと言えるか? 恐竜は『幸せ』という感情を持ちえたのか? 夏の夕日が海に沈んでいくのを見て、感動したことがあるのか?
 私は、人類が直面する制約は、知性によって解決できると期待したい。そして、このあと何億年も生存し続けられることを。
 火星環境を改造する
 増え続ける人類を収納するには、フロンティアの拡張が必要だ。この連載で前に 『宇宙は、人類にフロンティアを提供してくれない』と言ったが、時間幅を長くとれば、可能性はある。
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 『そうした努力をしても、最後は太陽が赤色巨星になり、地球も火星も呑み込まれるか、焼き尽くされる』と言われるかもしれない。そのとおりだが、そうなるのは数十億年後だから、我々が気にする必要はない。人類は、太陽系外にフロンティアを見出しているだろう」
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 2016年2月28日号 サンデー毎日「永野裕之『中学生からの数学「超」入門──起源をたどれば思考がわかる』の書評。
 オトナの勉強机 阿武秀子
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 数学を『論証の歴史』ととらえるなら、始まりは紀元前6世紀ごろ、哲学者タレスがいた古代ギリシャである。大事なことは議論で決めるのが民主制。『自分の考えを他人に伝えられる力と、他人の言ったことを理解する力』が必要だった。自分の考えを説明し、自分とは違う他人の意見にも納得する。『論理的』とはそういうことか。
 一方、王朝国家だったエジプトでは、民衆が王朝の決定を受けて命令通りに動く。こちらは論理的である必要はないかったのではないかと、二者の違いを筆者は指摘する。民主主義を営んでいる私たちがどちらの立場に近いかということは明らかだと思う。
 17世紀になってデカルトが、幾何学代数学の長所を融合させることを考えた。そして生まれたのが解析幾何学で、座標と変数の導入による『革命』だった。こうなると歴史は今にぐっと近くなる。
 19世紀半ばのクリミア戦争で活躍した看護師ナイチンゲール。病院での死亡者数を原因別にダイアグラムで表するなど統計学者としての一面をもち、近代統計学に貢献した。
 中学生であれば、そのジャンルを深めるために教科書を学ぶ。得意不得意はあるだろうけれど、ジャンルごとに強くして、やがてはそれらを結びつけることになる。
 大人はもっと自在になれるはず。頭の柔らかさは失われてしまったが、培ってきた何かはある。大人こそジャンルを『越境する』ために教科書を活用できるのではないか」
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 2016年5月7日・14日号 週刊現代佐藤優 社会人のための『役に立つ教養』講座
 算数のできない人に仕事を任せるな
 『ゆとり教師』の実態 
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 英語力強化ばかりが叫ばれる昨今ですが、グローバル化が進むと、実は英語力よりも論理学が重要になります。国や文化が違う人にも、自分の考えを筋道立てて説明する力が問われるからです。
 しかし近年、日本人の論理力、中でも数学力はこれまでになく低迷しているのが現実です。
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 なぜこんなことになったのかです。まず原因のひとつとして、大学の偏差値競争の激化が挙げられます。
 実は、入試科目から数学をなくすと、受験者が増えて偏差値が5ポイントも上がる。それで、市立大学の文系学部の多くは、数学の入試をやめました。その結果、数学がまったくできない学生が経済学部に入り、そのまま大学院にも進学するという『異常事態』が普通になってしまった。こうして、分数の足し算さえできない若者が、毎年大量に生み出されるようになったわけです。
 もうひとつの大きな原因が、センター試験のようなマークシート式のテストが増えたこと。マークシートには様々な欠点があります。
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 『仕事をするうえで、数学なんて必要ないじゃないか』と思う方もいるかもしれません。しかし、数学力をつけると、職場やチームの力は目に見えて強くなります。だから、『英語より先に数学』なんです。そうでないと、いくら英語ができても説得力が身に付かない。説得力を身に付けるには、数学のような論理学を鍛えることが欠かせません。
 『起承転結』の本当の意味
 数学力と並んで、もうひとつ重要な論理の力である『文章力』についてもお話ししましょう。
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 上司に提出する文書などでは、起承転結を盛り込んだほうが、相手が納得しやすいという現実がある。この感覚は、海外の人には理解してもらえあせん。『起承転結が通用するのは日本人だけ』と覚えておいてください」


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