🗡56〗─1─国際競争力のない日本の軍需産業。科学技術力の低下とモノ作り技能の衰退。~No.179No.180No.181 

知られざる自衛隊と軍事ビジネス (別冊宝島 2254)

知られざる自衛隊と軍事ビジネス (別冊宝島 2254)

  • 発売日: 2014/10/27
  • メディア: 大型本
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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・  {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博} ・   
 日本人は、食糧・資源・エネルギーを大量に輸入し、金融・サービスそして輸送・運輸を外国に依存しながら生きている。
 日本は、多方面での自給自足率は低く、外国に依存せず生存するという自活能力が弱い。
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 軍事技術に関連しない最新科学技術やAI関連技術は存在しない。
 AIやロボットはもちろん自動運転など、様々な分野でその事が言える。
 そうした軍事技術に関与する分野で、日本は世界から2周も3周も遅れ、将来の日本のもの作りは発展途上国並みに転落する。
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 日本の技術力は、中国の技術力に敗北する。
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 2017年11月9日 産経ニュース「【防衛オフレコ放談】日本の“武器”が売れない 装備庁発足2年も実績ゼロで「褒美庁」か 司令塔はお友達人事?
 海上自衛隊そうりゅう型潜水艦(防衛省提供)
 防衛装備庁(装備庁)が防衛省の外局として平成27年10月に発足して2年たった。防衛省内局の装備グループや陸海空3自衛隊の装備取得部門、技術研究本部を統合し、防衛装備移転三原則に基づき装備品輸出を主導する役割を担っているが、装備庁が計画した本格的な装備品輸出は受注競争に敗れるなど失敗が続き、成功例はない。今年7月にはトップの長官が交代したが、新長官は資質が疑問視され、「装備庁ならぬ褒美庁か」と指摘されている。(社会部編集委員 半沢尚久)
 タイにレーダー輸出を計画
 装備庁が今、装備品の輸出先として重視しているのはタイだ。26年4月の防衛装備移転三原則の閣議決定で装備品輸出に道を開いて以降、東南アジア向けの大型輸出計画は初となる。
 輸出を計画しているのは空自の地上防空レーダーFPS−3。三菱電機が製造し、空自は3年から運用を始め、全国7カ所で外国航空機の領空侵犯や領空接近に備え、警戒監視にあたっている。
 FPS−3はアンテナを回転させずにさまざまな方向にレーダー波を照射し、多方向からのレーダー波も受信できる高性能のアクティブ・フェーズド・アレイ方式を採用しているのが特徴だ。航空機などの探知・追尾能力に優れている。
 タイ空軍のレーダーは老朽化し、タイ側から空自のレーダーを導入できないか打診があった。装備庁はFPS−3に改修を加えた上で輸出したい考えだ。
 連戦連敗で「ラストチャンス」
 政府高官はタイへの輸出計画について「背水の陣で臨むべきだ」と指摘する。背水の陣とは、装備庁による防衛装備品の輸出計画が連戦連敗の様相を呈しているためだ。
 これまで装備庁が計画した本格的な装備品輸出では、英国に向けた海自のP1哨戒機が受注を争った米海軍のP8哨戒機に敗れた。注目を集めたオーストラリア向けの海自潜水艦そうりゅう型はフランスに敗れている。
 結論は出ていないが、海自の救難飛行艇US2のインドへの輸出交渉は暗礁に乗り上げた。P1をニュージーランドに輸出する計画もP8に敗色濃厚だ。
 こうした中、タイへのレーダー輸出計画は「当面想定される大型案件としてはラストチャンス」(自衛隊幹部)と位置づけられる。中国が南シナ海で人工島造成や軍事拠点化を進める一方、東南アジア諸国連合ASEAN)加盟国の囲い込みも図る中、タイに自衛隊の基幹装備を輸出できれば中国に対する強い牽制(けんせい)ともなる。
 ただ、タイは今年に入り中国から通常動力型潜水艦1隻を購入する契約を結び、中国との関係も深めている。中国が空自レーダーを導入しないようタイに圧力をかける恐れがあり、簡単に実現しそうにはない。
 司令塔不在が深刻な問題
 タイへのレーダー輸出を含め、これまでの輸出計画は輸入国側の求めに応じる「受け身」であることが共通している。受注競争をめぐる勝機の分析や売り込みが適切だったか疑問符がつくものもある。
 武器輸出三原則の下で輸出が事実上全面禁止だったため、「装備品輸出のノウハウがない」(装備庁幹部)ことも装備庁の弱点といえる。潜水艦そうりゅう型のオーストラリア輸出が現地建造による雇用対策でフランスに出遅れたことが響き、US2のインド輸出でも雇用対策がネックとなったことが、そのことを象徴している。
 「司令塔の不在」(防衛産業幹部)も指摘される。司令塔の資質として、政治情勢も考慮した各国との安全保障協力や官民協力、交渉など幅広い分野での総合調整が求められ、装備庁長官が役割を果たすことが想定されている。
 装備庁の初代長官を務めた渡辺秀明氏(63)は装備品の研究開発だけを担った技術研究本部出身の技官だった。研究開発以外の経験に乏しく、装備品輸出に関する総合調整を技官に主導させるのは無理だとの批判が多かった。
 新長官は次官のお友達人事
 そうした批判を払拭するかのように今年7月、渡辺氏の退任を受け、2代目の装備庁長官に防衛省内局生え抜きの鈴木良之(よしゆき)氏(59)が就任した。
 ところが、鈴木氏も評判が芳しくない。官僚として目立った実績がない一方、「在職中に司法試験に合格し、その試験勉強のために定時退庁を心がけていたことだけが有名だ」(防衛省幹部)という。試験勉強を優先し重要な会合をキャンセルしたこともあるとされ、ある意味で異色の官僚といえる。
 鈴木氏は同期である防衛省の豊田硬(かたし)次官(59)と懇意で、防衛省内では鈴木氏の装備庁長官就任は豊田氏主導による「お友達人事」とささやかれている。
 「出張するなら、食事がおいしい国がいい」
 鈴木氏は就任早々、そんな言葉を周囲に漏らしたという。装備品輸出計画が連戦連敗であることを踏まえ、寝食を忘れて成果を出すという気概はまったく感じられない。
 装備庁長官は海外出張の機会が多いが、私欲を満たすことにかまけているようであれば、次官のお友達ということだけでポストを射止めた「褒美庁長官」と揶揄(やゆ)される日も近い。」



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誰も語らなかった防衛産業 [増補版]

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