🌌21}─1─北極圏の異常。温暖化による北極圏の氷海と気候変動。 ~No.98No.99No.100 @ 

二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)

二酸化炭素温暖化説の崩壊 (集英社新書)

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 太陽の活動低下による磁場転換で、地球環境は大変動期に突入し、食糧生産は大打撃を受ける。
 その時、食料輸入国日本の食べ物は?
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 『ニューズウィーク日本版』・2013年12月17日号「環境の大変動と世界の資源争奪戦。北極なき世界。北極が消える日。」。
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 ジョン・F・ケネディ大統領「同胞であるアメリカ国民よ、国が貴方の為に何をしてくれるかではなく、貴方が国の為に何ができるかを考えよう」「同胞である世界市民よ、アメリカが貴方の為に何をしてくれるかではなく、人類の自由の為に共に何ができるかを考えよう」(就任演説)
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 2013年 9月11日 msn産経ニュース「気候変動は磁場にも影響 氷床増減で自転が変化[温暖化]
 数万から10万年の周期で起こる地球磁場の変動は、極地などを覆う氷床の増減に伴って地球の自転速度が変わるのが原因だとする研究結果を海洋研究開発機構のチームがまとめ、11日付の米物理学誌(電子版)に発表した。
 磁場は宇宙線から地球を守る重要な役割を果たしているが、長期的には気候変動の影響を受けることを示す成果。現在、地球温暖化で極地の氷床が減少し続けているが、チームは「規模はかなり小さいものの、自転速度と磁場が変動する可能性もある」としている。
 地球は、数万年の周期で高緯度地域が氷床で覆われる氷河期と比較的暖かい間氷期を繰り返している。氷床の大きさが変わると、地球の回転のしやすさが変わるため、自転速度がわずかに変化する。
 チームは自転速度の変化と地球磁場との関係を調べるため、コンピューターモデルを作成。試算した結果、自転速度が2万年の周期で変化すると仮定した場合、速度が変化した時から5千年ほど遅れて、磁場の強さも変わることが分かった。2%程度の速度変化でも、磁場は20〜30%と大きく変わるという。」
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 環境の大変動と世界の資源争奪戦。
 北極なき世界。
 北極が消える日。
 2015年にも北極海の氷がなくなる?
 環境と世界経済を襲う大変動。
 北極が消える?
 「北極海を覆っていた夏の海氷が数年後にも消失する─生態系と世界経済を襲う気象の大変動を追う」マーク・ハーツガード
 ただでさえ異常気象が続く世界に、衝撃のニュースがある。英ケンブリッジ大学の海洋物理学で海氷研究の権威であるピーター・ワダムスが、早ければ2015年に北極海の氷が完全に解けてなくなるかもしれないと警鐘を鳴らしているのだ。北極の気温上昇が進むにつれて、異常気象が深刻化し海面の水位がさらに上昇するなど、地球規模で環境の変化が加速する恐れが高まっている。
 世界の気候が激変する可能性がある。これまで夏も氷に覆われていた北極海から海氷がなくなれば、海水が太陽光をふんだんに吸収して水温は上昇する。海から立ち上る水蒸気で低気圧が発達する。そうした異常が地球全体に津波や干ばつなどの被害を及ぼしかねない。
 一方、人間は大惨事の足音をよそに、以前はアクセス不能だった北極の資源確保に目の色を変えている。氷が小さくなって現れた海面上には、資源運搬船や軍艦、石油の掘削装置などが急増している。
 新たな資源開発競争の重要性を考慮し、アメリカのチャック・ヘーゲル国防長官は先月、北極でアメリカの存在感を増していくと発表した。「まだ未発見の石油と天然ガスの4分の1が眠っているかもしれないのだ」と、彼は言った。「いかなる脅威も見つけ出し、追い出し、防ぎ、打ち砕く」
 最大のライバルは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は北極を「国際基幹航路」にすると息巻く。……
 滅びゆく地球のシンボル
 昨年も大幅に減少するなど、その後も夏の海氷面積は毎年のように減り続けているが、ワダムスら専門家が懸念しているのは、氷の厚さまでが急激に薄くなっていることだ。
 ……
 「地球は恐ろしいことになろうとしている」と、ワダムスは昨年イギリス議会で証言した。2015年までに夏の海氷がすべてなくなる予測するのはワダムスだけだが、ほかの科学者もその日が近いという点では同じだ。英エクセター大学の気候変動/地球システム科学部を率いるティム・レントン教授は、「あて推量だが、夏の氷が完全になくなる最初の年は2030年頃か、あるいは2020年かもしれない。いずれにしろ残された時間は少なく、事態は極めて深刻だ」
 ……
 地球は今世紀中に、産業革命以前に比べて平均気温が4度上がると世界銀行は予測する。
 「これは、われわれの文明がかって経験したことのない危険に直面することを意味する」と、ドイツのポツダム気象研究所の報告書にある。「とりわけ熱帯における熱波、数百万人に影響する海面上昇、農産物の不作と食糧不安などが懸念される」
 北極は壊れゆく地球の象徴かもしれない。何しろ北極の気温は、地球の平均気温の倍の速さで上昇している。これは「これから世界で起こることの強力なシンボルだ」と、NASAゴダール宇宙研究所の気候学者、ギャビン・シュミットは言う。彼によれば、北極圏には約400万人が暮らしており、多くは衣食住すべてを自然に頼っている。彼らもまた、世界に起こることのシンボルとなるのだろう。
 「すべてがとてつもない変化を強いられるだろう」
 北極では世界の渡り鳥の15%が繁殖する。クジラも多い。北極の氷が完全に消える前に、これらの生き物たちも生存競争にさらされることになる。
 そのような異常は北極だけにとどまらない。科学者たちは、北極の氷がなくなることによる世界中の人々や生態系への影響を主に3つ挙げている。
 ■ 異常気象の頻発と食料難
 北極圏の気温が上がれば、それよりも低緯度の地域との温度差が縮小し、そのために偏西風が弱まると考えられる。北半球では通常、偏西風の影響で天気は西から東へと変わっていくが、この動きが遅くなるだろう。
 その結果「より激しく、より長期にわたる豪雨、干ばつ、熱波、寒波」が起きると国連環境計画(UNEP)の報告書は警告している。2010年夏にロシアを襲った記録的な熱波、11、12年の北米では長期的な干ばつはその例だ。
 異常気象が頻発すれば、農業生産は低下する。アメリカでは観測史上最も暑かった昨年に過去半世紀で最悪の干ばつが起きた。トウモロコシと大豆の生産量は激減。農業大国アメリカの凶作は世界の食料価格に直接的に響く。穀物価格も上昇は貧困層を直撃し、インドネシアなどでは抗議デモが相次いだ。穀物価格の高騰で世界中で暴動が起きた07〜08年の危機を彷彿させる事態だった。
 北極の海氷縮小のような急激な変化は、徐々に進行する気候変動以上に農業生産に深刻な打撃を与える。酷暑や干ばつが頻発する原因になるからだ。
 アメリカの主要作物であるトウモロコシは、気温35度を超えると実がつかなくなる。穀倉地帯のアイオワ州では20世紀には気温が3日連続で35度を超えた年は10年に1度程度だった。だが、2040年までには猛暑日が3日連続で続く年が4年に3年の割合になると、テキサス工科大学とイリノイ大学の研究チームは予測している。
 ■ 海面上昇と難民の急増
 北極の気温上昇により、グリーンランドの氷床の融解が大幅に加速する。「グリーンランドでは年間300立方キロのペースで氷が解けている」と、ワダムスは言う。「それでも世界の海面上昇が2倍も速まる。南極の氷の融解も引き続き加速すれば、22世紀までに海面は1メートル以上、ひょっとすると2メートル上昇するだろう」
 これは「とても、とても深刻な事態だ」とワダムスは言う。真っ先に打撃を受けるのは中国東部とバングラデシュなど沿岸部の低地に住む人々だ。
 防潮堤などの人工のバリアを建設しない限り、海面が90センチ上がれば、1億4,500万人の生活が脅かされる。東京、上海、ニューヨーク、ロンドンなど世界の主要都市、そいれにマニラ、ジャカルタダッカなどアジアの首都が洪水に見舞われる恐れがある。
 海面の上昇と自然災害の大型化が同時に進行しているために、事態はなおさら厄介だ。 
 ……
 ワダムスが指摘するように、洪水被害が予想される沿岸部の住民は内陸部に生活拠点を移そうとするだろう。こうして「難民」の急増で社会的な軋轢が高まり、暴力的な抗争も起きかねない。米軍や英軍が気候変動を21世紀の主要な安全保障上の脅威としているのもそのためだ。
 ■ 氷の融解でメタンを放出する
 北極の気温上昇で永久凍土が解け、地中や海中に閉じ込められていたメタンが漏れ出しており、大気中に大量の温室効果ガスが放出される恐れがある。
 ……
 世界の海にも大量のメタンが含まれている。海底のメタンは低温・高圧下でシャーベット状のメタンハイドレートとして眠っているが、北極海の水温上昇ちともに気化して放出されるメタンガスも急増している。
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 氷融解は経済的時限爆弾
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 北極圏全体のメタンガスがもたらす被害となれば、想像を超えるスケールになるだろう。
 北極の気温上昇が進み、大量のメタンガスが放出されると、それによってさらに気温上昇とメタンガスの放出に拍車が掛かり、事態は悪化の一途をたどる。
 北極でこのドミノ現象が始まることが最も心配だと科学者たちは言う。そうなればもう歯止めは利かない。
 ……
 真っ先にやるべきことは、これ以上の気温上昇につながる石油・天然ガス開発を進めないという取り決めをつくること。地球のてっぺんの氷が記録的なペースで解けているというのに、せっせと化石燃料を燃やして地球を温めるのは正気の沙汰ではない。
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 北を目指す中国が抱く野望
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 msn産経ニュース 2013年9月5日 「環境危機時計は9時19分 生物多様性喪失が深刻[環境・エコ]
 旭硝子財団は5日、地球環境の悪化に伴う人類存続の危機感を表す「環境危機時計」の今年の時刻は「9時19分」で「極めて不安」な状態だと発表した。昨年と比べ4分の好転とほとんど変わらなかったが、項目別では生物多様性の喪失に対する危機感がはっきりと上昇した。
 環境危機時計は、0時1分から12時の間で、時刻が進むほど深刻であることを示す。世界の環境問題の有識者や政府関係者ら約1400人に、気候変動や環境汚染など12の分野から重要な3つを選んで時刻を記入してもらい、集計した。
 回答者が重視したのは、気候変動が20%で最多。環境汚染(14%)、水資源(12%)と続いた。生物多様性は8%と5番目だったが、時刻は9時45分で、昨年より悪化した上、ほかの分野と比べて抜きんでて深刻な評価だった。」
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 9月11日 「気候変動は磁場にも影響 氷床増減で自転が変化[温暖化]
 数万から10万年の周期で起こる地球磁場の変動は、極地などを覆う氷床の増減に伴って地球の自転速度が変わるのが原因だとする研究結果を海洋研究開発機構のチームがまとめ、11日付の米物理学誌(電子版)に発表した。
 磁場は宇宙線から地球を守る重要な役割を果たしているが、長期的には気候変動の影響を受けることを示す成果。現在、地球温暖化で極地の氷床が減少し続けているが、チームは「規模はかなり小さいものの、自転速度と磁場が変動する可能性もある」としている。
 地球は、数万年の周期で高緯度地域が氷床で覆われる氷河期と比較的暖かい間氷期を繰り返している。氷床の大きさが変わると、地球の回転のしやすさが変わるため、自転速度がわずかに変化する。
 チームは自転速度の変化と地球磁場との関係を調べるため、コンピューターモデルを作成。試算した結果、自転速度が2万年の周期で変化すると仮定した場合、速度が変化した時から5千年ほど遅れて、磁場の強さも変わることが分かった。2%程度の速度変化でも、磁場は20〜30%と大きく変わるという。」
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 11月18日 「太陽元気なし 寒冷化予兆 11年周期の磁場転換起きず、黒点も最少[宇宙]
 米航空宇宙局(NASA)の太陽観測衛星「ソーラー・ダイナミクス・オブザーバトリー」が10月25日に撮影した太陽の表面。巨大なフレア(太陽面爆発)が現れている(ロイター)
 太陽に異変が起きている。今年は太陽の活動が強くなったり弱くなったりする11年周期の中で、活動がピークになる年(極大期)に当たり、通常なら、太陽の北極と南極の磁場が入れ替わる「極域磁場転換」が起きるはずなのだが、いまだに起きていない。さらに、活動ピーク年には増えるはずの“太陽の元気のバロメーター”とされる「黒点」も今年は異常に少ない。今後、太陽は活動の低調期に入り、併せて地球も寒冷化すると指摘する専門家もいる。
 「全く元気がなくパッとしない。明らかに異変が起きている」。米航空宇宙局(NASA)の研究者、ジョナサン・サーテイン氏は先週、今年の太陽の活動を評して米メディアにこう語った。
 観測史上、太陽は11年ごとに北極と南極の磁場が入れ替わることが分かっている。その詳しいメカニズムは不明だが、当該年は太陽の活動が最も活発になる年で、主に高緯度地帯に多数の黒点ができる。黒点は磁石のように強い磁場が起きている場所で、磁力によって太陽内部の熱が表面から放出されるのが抑えられているため、周囲より低温で黒く見える。黒点の地点は低温でも、その総面積は太陽のほんのごく一部であり、黒点が多発する時期は太陽全体のエネルギー放出量は増大する。
 かつてない弱さ
 太陽の活動ピーク年には、常時150〜200の黒点が観測されるのが普通で、大量の電磁波や粒子が放出され、こうした太陽嵐によって地球上の電信施設が損傷を受けることがしばしば起きてきた。しかし、今年はこれまで、観測される黒点は概ね50〜100ぐらいにとどまっており、ここ200年で最も少ないと言われている。
 また、NASAは今年8月5日、「黒点は少ないが、3〜4カ月以内に極域磁場転換が起きるだろう」と予測したが、3カ月半が過ぎた今でも、明瞭な兆しは現れていない。2006年9月に打ち上げられた日本の太陽観測衛星「ひので」が集めたデータによると、太陽の北極はすでに昨年から磁場がS極(マイナス磁場)からN極(プラス磁場)に替わっているが、南極は依然としてN極のままの状態が続いている。その一方で低緯度地帯(赤道近辺)にS極が現れ、観測史上例がない「太陽の磁極の4極化」という異常現象さえ起きている。
 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、ハーバード・スミソニアン天体物理学センターで太陽磁場周期について研究するアンドレス・ハラミージョ氏は「生存している科学者で、これほど弱い太陽周期(活動)を目にしたことがある人はいない」と指摘する。
 17世紀に類似現象
 かつて、今年と似た現象は17世紀にも起きている。その時は約70年間にわたって黒点がほとんど出現せず、地球は寒冷化した。記録によれば、当時、ロンドンのテムズ川では冬にスケートが楽しめたといい、日本でも京都のサクラの開花が極端に遅れていたことが文献によって分かっている。
 では、今後、地球は寒冷化に向かうのだろうか。太陽活動の低調化による波及効果は温室効果ガス排出量増加による温暖化現象を打ち消すには至らないとう見方がある一方で、「地球は間違いなく寒冷化に転じる」(大気海洋地球物理学者の中村元隆氏)と断言する専門家も決して少なくない。」
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 2014年1月4日 「北極圏特集(2)進む温暖化 消える海氷[温暖化]
 「北極圏の海氷が解けるということは、米国、ロシア、欧州などの商業大国や軍事大国に囲まれたところに“新しい海”が生まれるようなものだ。商業的にも軍事的にも、その重要性は大きい」
 北極圏の環境などを研究・調査するカナダの団体「アークティック・ネット」代表のルイ・フォーティエー氏はこう話す。
 氷が解けることで、北極圏を活用する可能性が広がるのは事実だ。しかし、環境問題に目を向けると、話はそう単純ではない。氷が解ける原因といわれる地球温暖化の影響をより強く受けるからだ。南極の氷の厚さが2千メートルであるのに対し、北極の海氷は1〜2メートルと薄く、わずかな変化でなくなる恐れがある。
 海洋研究開発機構(JAMSTEC)で北極海総合研究チームリーダーを務める菊地隆氏は「赤道が車のエンジンとすれば、北極と南極は地球を冷やすラジエーター(冷却装置)」と説明する。
 白い海氷は太陽の熱を反射することで低い気温を維持する。しかし、温暖化によって氷が解けると、太陽の熱が直接、海水を温め、さらなる海氷の減少を招くことになる。
 「ラジエーターがオーバーヒートしかけている」。菊地氏はこう指摘する。
 2007年の気候変動に関する政府間パネルIPCC)第4次評価報告書によると、北極圏の海氷面積は10年ごとに平均2・7%縮小している。12年は観測史上で最小を記録した。07年と12年を画像で比較すると「日本列島2つ分が減少した」(菊地氏)という。温暖化の影響を受けやすい、一冬で凍った“若い氷”も増えている。
 記録が始まった1979年以降、夏季の海氷面積の減少は21世紀に入ってから加速が著しくなった。
 菊地氏は「2000年以降と同じペースで、10年間で160万平方キロメートルずつ減少すると仮定すれば、2040年にはゼロになる可能性もある」と予測する。
 北極圏で起きる現象は日本の冬の気候にも影響を及ぼすことが、最近の研究で明らかになっている。
 バレンツ海の海氷の減少によって低気圧の通り道は北寄りになるとされている。これにより、シベリア上空の高気圧が勢力を拡大させ、日本の冬の寒さが厳しくなるという。最近では、11〜12年の冬が、バレンツ海の海氷の減少による影響を受けたものだといわれている。(田北真樹子)
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 2016年12月15日 産経ニュース「【海外こぼれ話】北極圏のトナカイ激やせ 気候変動が影響か
 北極圏にあるノルウェー・スバルバル諸島のトナカイの体重が減少している。専門家らによると、気候変動が原因の可能性があるという。
 2010年に生まれた大人のトナカイの体重は1994年生まれのトナカイと比べて平均12%減った。夏の気温が高くなることでトナカイの数が増加する一方、雨が増えたことで氷が硬くなり食べ物が採りにくくなっているという。(ストックホルムAP=共同)」
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 2018年3月8日 産経ニュース「北極圏は温暖化、北半球は大寒波… 極地の海氷減少が遠因? 
 北極圏の気温の推移
 北半球各地に大寒波が襲来する中、北極圏では記録的な気温上昇が観測されている。背景には、北極圏の海氷減少があるとの見方が出ている。
 デンマーク気象研究所などによると、1958〜2002年の44年間に観測したデータを基に計算した北極圏の2月下旬の平均気温は、マイナス30度前後で推移していた。しかし今年の気温は約マイナス10度と、20度近くも上昇している。
 米国のNPO(非営利組織)「ポーラー・ベアーズ・インターナショナル」は昨年12月掲載の記事で、温暖化の影響でホッキョクグマの個体数が減少していると報告するとともに、カナダ北東部のバフィン島のやせ細ったホッキョクグマの写真を掲載し、「餓死しかけている」と訴えた。
 一方、日本や米国に加え、欧州各国は記録的な大寒波に見舞われている。ローマでは2月26日、6年ぶりの積雪を観測。英国各地でも大雪が降り、この30年ほどで「最強の寒さ」(ロイター通信)となった。ポーランドやイタリアなどでは寒波によるとみられる死者数が50人を超えた。
 北極圏と北半球の対照的な気候について、デンマークグリーンランド地質調査所の科学者、ジェイソン・ボックス教授は米CNNテレビ(電子版)に対し、「ポーラー・ボルテックス」と呼ばれる寒冷渦(極渦=きょくうず=)にたまった冷気が南方へ流れ出たことが影響していると分析。米紙ニューヨーク・タイムズ(国際版)は、北極圏での温暖化による海氷減少などが極渦を弱めたのが遠因との専門家の見方を伝えている。
 米雪氷データセンターによると、北極圏の今年1月の海氷面積は、観測開始の1979年以来、この時期としては最小という。(岡田美月)」
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 7月24日21:32 産経ニュース「世界各地で高温…米国で50度超、北極圏でも30度超
 ギリシャの山林火災で、燃え上がる炎を消火する消防隊員=23日、アテネ(ゲッティ=共同)
 世界気象機関(WMO)は19日、ホームページ(HP)で世界各地が高温に見舞われていると指摘した。米国で50度を、北極圏でも30度を超えた。熱波や乾燥した気候の影響で山林火災も多発。ギリシャの首都アテネ近郊では23日、大規模な山林火災が発生し、少なくとも60人が死亡した。
 WMOによると、米カリフォルニア州のデス・バレー国立公園で7月8日、52度が観測された。同公園では、1913年7月に世界最高気温56.7度が記録されており、さらに気温が上昇する恐れがある。ロサンゼルス近郊のチノでも7月、48.9度に達した。
 中東では、オマーンの首都マスカット近郊で6月28日、気温が42.6度までしか下がらなかった。異常な高温は北欧の北極圏にも影響を及ぼし、7月の気温が10〜20度前後で推移するとされるフィンランドのケボで33.4度を観測した。(板東和正)」 
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 7月24日21:36 産経ニュース「熱波、干魃…欧州でも影響深刻 スウェーデン山林火災50カ所 
 大規模な森林火災で燃え落ちた木々=22日、スウェーデンのユースダール(AP)
 【ベルリン=宮下日出男】欧州では北部を中心に熱波や干魃(かんばつ)によって山林火災が多発しているだけでなく、農作物や家畜農家への被害も出ており、深刻な状況となっている。
 スウェーデンでは今月中旬ごろから各地の山林で火災が相次ぎ発生。多くは中部や西部だが、北極圏の北部でも起き、一時は50カ所に上った。AP通信は「過去数十年で最も深刻な山林火災」と伝えた。
 同国では5月から7月半ばにかけ記録的な乾燥状態が続き、7月には北極圏の北部地域で気温が観測史上最高の32.5度を記録していた。現時点で死傷者はなく、政府は消火を急ぐが、機材や人手が足りず、ボランティアの助けを借り、ノルウェーなど周辺国も支援に乗り出している。
 ギリシャでは23日に首都アテネの東約30キロの港町や観光地付近で山林火災が起き、60人以上が死亡した。
 同国で山林火災は珍しくないが、乾燥で火が広がりやすい環境となっていた。火が強風にもあおられ、消火作業は難航している。同国では23日、アテネ西方50キロ余りの地域でも山林火災が起きた。
 一方、熱波や干魃の長期化は農業や畜産業に影響を及ぼしている。スウェーデンでは家畜のえさとなる干し草が不足し、家畜を食肉処理場に送る畜産農家も出ている。ポーランドでは農家9万軒以上が農作物に大きな打撃を受け、欧州連合(EU)に資金支援を要請した。
 ドイツでも小麦やライ麦といった農作物への影響が深刻だ。農業団体の責任者は独メディアに対し、収穫率が国内平均で昨年比2割近く減る見通しで、収穫率が通常の3割に落ち込む地域もあると説明。「農家の存続にかかわる規模」と懸念を深めている。」


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