🦋14〗─4─明るい未来の生き方は江戸時代の副業を持ち多様性豊かに生きた百姓や職人・工人である。~No.69No.50No.71 @ 

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   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2018年4月号 Voice「『日本再興戦略』 落合陽一
 【人口減少・高齢化はネガティブじゃない】
 ──『次の一手で日本の戦況は好転する』。本書『日本再興戦略』では、落合先生の希望に満ちた言葉が印象的でした。これまで主に論じられてきたテクノロジーやメディアに留まらす、政治、経済、外国、教育などさまざまな切り口から今後の日本のグランドデザインを描かれています。どんな問題意識があったのでしょうか。
 落合 僕は筑波大学でラボ(デジタルネイチャー研究室)を主宰しているほか、学長補佐として『10年後の大学』について話し合っています。加えて、内閣府文科省などの委員会に出席する機会も増えてきました。一研究員だったこれまでとはロール(役割)が変わってきたわけですが、現在や未来の日本に関するステートメント(声明)を出すべきではないか、と考えました。
 いまの日本は必要以上に自信を失い、ネガティブどころか自虐的になっているように思います。日本を自画自賛するようなコンテンツの氾濫は、むしろその反動でしょう。ただ、僕はそこまで悲観的になる理由がわからなかった。日本には間違いなく、再興するチャンスがあり、そうした『全体像』と『ビジョン』と『テクノロジー』を本書では示しました。
 ──日本が抱える多くの課題のうち、とくに危機的とされているのが少子高齢化、人口激減といわれます。
 落合 なぜ人口問題をそこまで重視する必要があるのでしょう。企業を評価するとき、真っ先に見るのは売り上げでしょう。従業員の数や平均年齢から認識する人はいません。この論理は、一国の人口や年齢分布とGDP(国内総生産)の関係性にも当てはまるはずで、本質的には人口問題をネガティブなトーンで語る必要はありません。もちろん、人口減少時に付随する問題は多いですが、テクノロジーで解決がめざせるものばかりです。
 ──本書では『人口減少や高齢化は、むしろ大きなチャンス』とまで指摘されていますが。
 落合 本心からそう思っています。いずれは中国を筆頭に、世界中が日本と同じ道を歩みます。もし日本が高齢化社会に対するソリューション(解決法)を生み出すことができれば、世界から注目を集めることができる。そしてそれは、日本の未来の対外イメージ、そして輸出戦略の礎(いしずえ)となります。では、いかにソリューションを生み出すのか。ここでカギとなるのが、テクノロジーなのです。 
 ──自動運転やAI(人工知能)、ブロックチェーン(分散型台帳技術)などの発展が注目されていますね。
 落合 自動運転が普及すれば、どこにでも快適に移動できますし、コンビニに行かなくても、ほしいものを宅配してくれるようになります。『移動』の概念がこれまでとは一変するわけで、そうすれば、たとえば歩行が困難な高齢者の暮らしを支えることにつながるでしょう。
 これは一例で、テクノロジーには社会のあらゆる課題を解決しうる力があります。もともとそういうものとしてわれわれはテクノロジーに向き合ってきたはずです。ところが残念ながら、日本はテクノロジーが発達しているにもかかわず、それを活かして問題解決に挑もうという意識が弱い。『人が足りなかったら、ロボットで賄(まかな)えばいい』という単純な思考にならないのです。物事は単純ではない?本当にそうでしょうか。そうした単純な解決法は、いちばんコストが掛かるかもしれませんが、それが最終的にいちばん持続性が高いはずです。
 【江戸時代が教えてくれる『日本人らしさ』】
 ──せっかくのテクノロジーを活かすことができていないのはなぜでしょうか。よく日本人は製造などハード面は強いけれど、仕組みづくりなどのソフト面が弱い、と指摘されますが。
 落合 僕の見方は、その反対なんです。日本人はむしろ、ソフト面のほうが強いはずです、それは江戸時代をみればよくわかります。たとえば、当時の年貢制は、いま話題の仮想通貨と発想が近い。米そのものは通貨ではないのに、年貢を納める際には『換算基準』として通貨扱いされました。僕はこれを『米コイン』という名の仮想通貨だと捉えています。
 つまり、幕府は米を通貨として扱うことで、農業と金融・財政分野を結び付けたわけです。幕政や藩政が傾くたびに行われた改革の多くに、農業政策が含まれていました。それがそのまま金融政策となり、財政危機を救う選択肢の1つになりえたからでしょう。じつに面白いスキーム(仕組み)だと思います。
 ──たしかに、享保の改革も米を増産して幕府の財政を立て直そうとしました。江戸時代といえば文化面ばかりが語られがちで、社会政策には目が向けられませんね。
 落合 自分たちの正当性を担保したかった明治政府のプロパガンダもあり、正しく伝わっていないのかもしれません。もう一つ、僕が感心するのが『士農工商』という序列。あまり指摘されませんが、当時この言葉がどのくらい使われていたのかは議論が分かれるところですが、クリエイティブな人間ほど高い位置に配置されています。
 大きく分類すると、『士』は政策を決定したり、社会に何がしかのイノベーションを起こしたりする政治家や官僚、学者。一方、『農工商』の中心は百姓ですが、医者から地域の町の祭りを仕切る人まで、さまざま自営業者も含まれます。百姓といっても米を作るだけでなく、ほかの仕事も兼ねていた人間が多かったわけです。その意味では、彼らは多動力を備えたマルチクリエイターともいうべき存在だった。さらに『工』は、刀を造ったり、家を建てたりする職人。そしてこうした序列のなかで最も低いのが『商』であり、いまでいうところのビジネスパーソンです。これはある意味では当たり前のことで、彼らは『士農工』と異なり、自分でモノを生み出すわけはないからです。
 ──江戸時代の『士農工商』は、クリエイティブな人間を優遇していたとも考えられるわけですね。
 落合 もちろん、ビジネスパーソンの役割を否定するわけではありませんが、生産に携わらない人間ばかりが増えると、国はうまく回りません。江戸の人たちは、そのことをよくわかっていたのでしょう。
 この『士農工商』のモデルは、テクノロジー全盛の現代にも合っています。AIが普及すれば専門性がなく、また一つのことしかできないビジネスパーソンが活躍できる場所は少なくなっていくでしょう。デスクでエクセルを打つ単純作業に従事していた人たちは、機械に取って代わられます。重宝されるのは、自分の力で制度やモノを生み出せるクリエイターか、江戸時代の百姓のようにさまざまな分野で活躍できる人物です。
 ──副業を認める日本企業もあるとはいえ、『さまざまな分野で活躍する』ことへのハードルはまだまだ高いように思います。
 落合 再び江戸時代を例に挙げれば、当時はいまよりも多様な生き方が認められた時代でした。職業をみても、タバコの葉を刻んでキセルに詰める刻みタバコ屋や、かまどの灰を買い集める灰買いなど、さまざまなジャンルの仕事があった。ニーズがあればそこに商売が生まれ、兼業も自由な社会だったのです。日本人は、たとえばヨーロッパと比べて民族的に多様なわけではありませんが、本来持ち合わせている行動的な多様性で勝っていると思います。
 【『負の同調圧力』を超えて?】
 ──もともとクリエイティブを重視し、多様性もある。それが本来の『日本人らしさ』だとして、われわれの未来はどうなるのでしょうか。やはり明るい?
 落合 そうした『日本人らしさ』は、まさしくこれからの時代に求められるものです。ブロックチェーンだって、あらゆるデータの管理を誰かに一元的に任せるのではなく、分散させるという『非中央集権的』な仕組みです。すでに江戸時代に幕藩体制という非中央集権的なシステムを運営していた日本人には適したものだといえます。こうした事実に目を向けず、『日本のこの部分が遅れている』という〝ダメ出し〟をするだけでは、何の発展性もありません。
 ──最後に、あえて現在の日本の改善点を挙げるとすれば何でしょう。
 落合 ですから、画一化した価値観を壊して、多様性を取り戻すことに尽きます。戦後の教育やマスコミによる洗脳の影響、さらにはその背景にGHQの陰謀があるという説までありますが、いまの日本には『こうあるべき』という謎の同調圧力がかかる傾向が確かにある。僕がこれまでに最も意味不明だと感じたのは、結婚式に掛ける費用。なぜここまで重視されなくてはいけないのか。『結婚式=派手に挙げるものだ』という刷り込みによるものでしょう。
 そもそも、絶対的な正義のように語られる民主主義だって、ベターな制度ではあるけれど、ベストではありません。超難問をとくときに、多数決で正解に至るとは限らない。民主主義もそれと同じことで、合意形成を取るにはいいものの、政策選択の手段としては完璧なものではありません。
 僕は山本七平が好きでよく読むのですが、『空気の研究』で指摘されているように、日本には空気を絶対権威のように捉える向きがあり、それが負の同調圧力につながっている。同じ同調圧力をかけるにしても、『発言しないヤツはカッコ悪い』といった風潮をつくれば、教育やマスコミの洗脳があったとしても、脱却することは可能です。空気など読むことなく、あくまでも最善の方法を探して問題解決に挑んでいく。そうした姿勢をもつことが、明るい日本の未来をつかむ第一歩をつかむ第一歩ではないでしょうか。」
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 人類史・世界史・大陸史において、人口爆発を起こした民族や国家は生活圏を広める為に膨張政策を採用して侵略戦争を起こし、人口激減し始めた民族と国家は人口を維持する為に外国人移民を大量に受け入れた。
 階級社会は、移民を受け入れた側を支配階級・特権階級・上流階級が移民してきた側を被支配階級・人権なき階級・下層階級として生まれた。
 外国人移民が増加しその子孫が増えるや、昔あら住んでいた者は少数派となり、新しく住み着いた者は多数派となる。
 貧富の格差も、そこから生まれた。


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