🦋9〗─1─2008年、世界食糧危機。安い外国産食材の消費が増え、国産食材の消費は減少して行った。東日本大震災。平成19年。~No.35No.36No.37 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・{東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 
 2007〜08年 ベトナムなどでの異常気象による不作、中国など新興国の大量穀物購入、バイオエタノール開発などで、世界的に主要穀物価格が高騰した。
 日本の穀物輸入量は減少し、市場価格も上昇した。 
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 日本のGDPは、1990年に15%であったのが、2030年には6%に縮小すると言われている。
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 2008年 世界食糧危機。
 世界的に米の在庫は十分にあったが、お金を払っても買えないという深刻な事態に陥った。
 異常気象で小麦やトウモロコシの収穫が減少して価格が高騰した為に、米価格が上昇する事を懸念したコメ生産輸出国が米輸出を制限した。
 アメリカから食糧を輸入していたハイチでは暴動が起き、幾人かの死者を出した。
 食糧自給率の低い食糧輸入国は、国際穀物市場の支配を受け深刻な被害を出す危険を持っていた。
 アメリカは、食糧輸出国として食糧を武器として遣っていた。
 日本は、食糧が武器となる事実を知っていながら、食糧を外国に依存していた。
 日本外務省は、ASELIN諸国で重要なパートナーは何処の国かという世論調査を行った。
 中国‥30%。日本‥28%。アメリカ‥23%。
 東南アジア諸国は、領土問題などで中国を警戒しながら経済的関係の強化を進めていた。
 中国は、食糧や水やエネルギーなどを確保する為に、日本を押しのけながら影響力を拡大させつつあった。
 日本には危機感がなく、中国に対する対抗策どころか、中国に配慮して存在感を示す宣伝を怠った。
 政治家や官僚は、実態を無視した希望的観測の机上の空論で食糧自給向上政策を行っているが、大半が失敗し、日本を更に窮地へと追い込んでいた。
 地球規模の食糧危機が発生し、世界中で食糧が不足して価格が高騰し、多くの国で食糧暴動が起きた。
 エジプト、カメルーンスリランカ南アフリカウズベキスタンパキスタンスリランカ、その他。
 コメ生産世界2位インド、3位インドネシア、4位バングラディシュ、5位ベトナムは、国民の食糧を確保する為にコメ輸出を禁止した。
 第1位中国は、コメ輸出を禁止しなかったが、厳しい輸出制限を導入した。
 日本はコメの自給率100%の他に食の多様性で、輸入穀物などの価格高騰はあったが大きな混乱には至らなかった。
 食糧の自給率を上げ供給力を維持する事は、将来必ず訪れる深刻な食料危機に対処する為に必要なことである。
 だが。食糧海外依存度が高い日本は、明らかな食糧危機が訪れること知りながら、目先の金儲けに狂奔して日本の農業を破戒しようとしている。
 消費者目線で、「高い国産農産物よりも、安い外国産農産物の方が良い」と。
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 1月 中国産による毒餃子事件。
 中国側は、事実を隠蔽して日本側により事件であるとして非難した。
 それが、中国が主張する、中国人の面子である。
 中国の面子は、相手の人権どころか命さえも無価値として無視するものである。
 2月11日 毎日新聞野坂昭如の「七転び八起き」』「かっての日本人は農を大事にし、稲作とともに生きてきた。一粒を粗末にするものは一粒に泣く。これが実感だった。だが、現在の日本は農を蔑ろにし、米や農産物は簡単に買えるものだと信じ込んでいる。だが、その大半は輸入である。輸入はいつ止まるかわからない。輸入する相手国の政治状況が不安定になれば輸出どころではなくなるだろう。一国の危機管理としてテロの問題があるけれども、恐ろしいのはこれも同じで飢えさせないということが政治の第一歩なのである。
 核やテロの脅威もさることながら相手が日本を破壊に追い込もうとすれば簡単。食い物と石油を止めればいい。そうなれば、あっという間に日本は音を上げざるをえないだろう。自分(野坂)は日本の食い物について、自分の国の食べ物を大事にしろと、くり返し云ってきた。今の日本には、世界の珍味、加工品が出そろっており、必要以上に物が溢れかえっている。賞味期限を気にするあまりそれが過ぎるとすぐさま廃棄処分である。大食い競争などもったいなさが先に立つばかりである。
 『日本は島国、もともと粒食である。つまり米。パンやラーメンに代表される粉食を食べるようになって自給率が下がった。食べ物と子供達の関わりは希薄になるばかり。自給率を1%を上げるのに莫大な金を要する。しかしやらなければ苦しむのは次の世代だ。日本の存続を願うなら、今ある者が本気で考えなければならない』」
 9月 河北省の業者が製造した粉ミルクに有毒物質メラミンが混入し、全土で約30万人の乳幼児が飲んで健康被害が出た。
 国際食品市場で、中国産食品の安全性に対する不信感が広がる。
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 2009年 エルニーニョ現象により、北半球の夏は異常気象に襲われ、インドでは約40年ぶりの大規模な旱魃が起き甚大な被害が発生した。
 米の生産量が1,000万トン減少し、借金を抱えた貧困農家の自殺者が1万7,000人を超えた。
 旱魃が発生して農産物の収穫量が減少するや、政府は食料確保の為に農産物を輸入して市場に流通させた。。
 一大消費地である大都市の住民は、生育の悪い国産農作物を敬遠して輸入農産物を購入した。
 旱魃被災地で多額の借金を抱えている中小規模農家は、死活問題で、売れる物なんでも売り、売る物がなければ娘をメイドや売春婦として売って生活費を稼いだ。
 それができない農家は、田畑や家を売って都市のスラムに移り住んだ。
 インドの伝統的カースト制度も加わって、貧富の格差は広がり社会不安をもたらし、犯罪が多発した。
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 2010年 地球温暖化による異常気象によって、世界中の農産物の生産量が激減し、市場における農産物が品薄となって価格が高騰した。
 投機マネーは、小麦など穀物の値段が上がると予想して買い込みに走って、穀物市場は品薄とってさらに価格が高騰した。
 弱肉強食の市場至上主義経済は、投資する極一部の富裕層に利益をもたらすが、圧倒的な多数をしめる貧困層の命荷は目もくれない。
 こうした、人の命に価値を見出さない貧富の格差はさらに増大しつつある。
 爆食で食料をイナゴのように食い尽くす13億の民を抱える中国は、国際穀物市場で必要以上の食料を遠慮容赦なく買い漁っている。
 日本の農業生産力は低下し、食糧自給率も減少して、食べ物を輸入に依存しなければ生きて行けない。だが、日本人には、他人を押しのけても生き残ろうとする気迫はない。
 大陸における国際社会とは、歴史的に見て、綺麗事が全く通用しない非常である。
 欧州は今や一つの運命共同体である以上、ヨーロッパの食料自給率の低い国を取り上げて論ずる事は馬鹿げている。
 日本は、アジアはもとより世界でも孤立した国で、いざとなってもどこからも支援は望めない。支援が得られると信じている者は、何も見えない盲目である。
 ウクライナで大旱魃が発生して、小麦などの農産物が不作となり、輸出が制限された。
 オーストラリアは大洪水に見舞われ、アルゼンチンも大旱魃が起きていた。
 地球規模の異常気象で、農産物生産は打撃を受けた。
 中国などの新興国は、先進国なみの飽食生活に憧れて食糧を買い漁った為に、食糧価格は高騰した。
 投機マネーは、主要穀物の価格が上昇する事を見込んで買い占めた。
 各国のマスコミは、食糧不足で価格が高騰すると煽った。
 世界の貧困層は、外貨を稼ぐ為に競争力のある農産物を生産して輸出したが、自分たちの食べる農産物を生産しなかった為に飢えて餓死者を出した。
 世界は、限られた食糧をめぐっての壮絶な争奪戦が始まろうとしている。
 だが。日本は、食糧海外依存度が高いにも関わらず、その現実を否定する論説がまかり通っている。
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 シーナ・アイエンガー『選択の科学』
 スーパーの商品棚に24種類のジャムを並べた場合と6種類のジャムを並べた場合、後者の方が前者よりも10倍多く売れた。
 消費者は、選択肢が多すぎると選ぶ事を放棄し、買わなくなる。
 24種類のジャムを買った客は、自分の好みのジャムを選ぶ為に、6種類の中でジャムを買った客に比べて試食した。
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 農業従事者人口は、1970年の1,562万人から454万人と7割以上も減少し、平均年齢は65歳を超え、深刻な後継者不足となっている。
 人口減少の最大の原因は、農作業の効率化と機械化で人手が不要になった事と、農家の子供の高学歴化で労多く収入が少ない農業を嫌いより高収入が得られる職業を目指したからである。
 高校や大学まで卒業した若者は、農業が大事である事は分かっていても、損な役回りを自分が引き受けるという、一種の使命感を持つ事を持つ気はなかった。
 それ以前に、農業では結婚がし辛い世の中になっていた。
 若い女性が、農業を嫌い、農家に嫁ぐ事を嫌ったからである。
 その為に、農村での結婚率は低下し、外国人女性との結婚が増えた。
 将来の食糧不安が噂されても、都市部において必要量の食糧は外国から買えばいいという日本農業不要論が根強く支持されていた。
 都市部の消費者は、高い国産より安い中国等で加工された食材を冷蔵庫一杯に買い込み、安いが故にその多くを食べる事なく生ゴミとして捨てている。
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 一度荒れた水田を生産可能な状態に戻すには、3〜4年かかる。
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 2011年3月11日 東日本大震災東北地方太平洋沖地震)。
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 2014年2月13日 朝日新聞「85歳・61歳 親子餓死か」 
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 2015年 長田貴仁(神戸大学経済経営研究リサーチフェロー)「政府は低金利政策で景気を好転させようとしています。ところが、銀行の国内向け融資は増えていないどころか、減少している。新たな資金需要が生まれていない事は明らかで、政府の狙った効果は出ていません。
 なぜか。たとえ資金があったとしても、海外の投資条件に向かうばかりで、国内に流れないからです。たとえば、日立製作所は先日、イタリアの鉄道事業を500億円で買収すると発表しました。ただ、日本企業が海外事業に投資しても、日本人の雇用が増えるわけではない。その企業が儲かるだけで、日本全体の景気にはあめり関係ありません。国内の景気回復にはつながらないのです」
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 鈴木貴博(百年コンサルティング代表)「高度成長を維持し続けなけい企業は、グローバル資本主義では生き残れない。
 マッキンゼーが、00年代初頭に、過去20年わたって、買収を繰り返して成長し続けた大企業と、そうでない大企業を徹底的に調べた。
 すると、さらなる成長を追わずに収益重視の戦略をとった企業は、最初の10年は好調でも次の10年で凋落していく傾向が強い事が分かつたのです」
 松本茂(M&Aアドバイザリー会社SCSグローバル取締役)「日本企業が関与した1,000億円以上のM&A案件で、買収から10年以上経過したものを調査しました。すると半分くらいが撤退したり、売却したりして失敗している事が分かりました。
 例えば、M&Aは『時間を買う』とよく言われますが、工場や従業員を買収できても、そこから収益を出すには意外に時間がかかる。買収対象の会社が赤字だったら、結局遠回りしてしまい、余計に時間がかかってしまうケースも多い。M&Aの成功例といわれるブリヂストンの米ファイアストン買収にしても、安定的に収益を出せるようになるには20年ほどかかっています」
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 2015年10月27日 海に囲まれた日本は、世界屈指の漁業国であったが、漁師の高齢化や後継者不足、無計画に魚貝類をとり過ぎて漁場は痩せて漁獲量は激減した。
 日本の水産(漁獲と養殖合わせて)生産量は、1984年に最高の約1,282万トンであったのが2012年には約486万トンに、減った。
 国際的な和食ブームで、世界中で寿司・刺身が食べられるようになるや、各国の漁民は先を争って乱獲した為に世界中の海で魚が減り始めた。
 更に、外国漁船が獲った魚が安値で日本に大量に輸入されるや、日本漁業者が獲った割高な魚貝類は敬遠され収入減となった。
 日本の消費者は、鮮度や旨さを気にする以上に値段を重視していた。
 TPPによって外国産の安い食材が大量に輸入されるや、日本の消費者は高い国内産よりも安い外国産を購入する。
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 20〜30年後、現代の技術発展は最高到達点に達し、世界は量子コンピュータの発展により人工知能が進化して生活が一変するといわれている。
 人間社会は、文系と理科系という区分は消滅し、計算系と非計算系が取って代わるといわれている。
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 2016年 国際貧困支援NGOオックスファムは、「世界のトップ62人の大富豪が、全人類の下位半分、すなわち36億人と同額の資産を持っている」と報告した。
 その合計は、約180兆円。
 大富豪の大半が世襲した資産で、自分で稼いだわけではなかった。
 世界における貧富の格差は広がり、大富豪の子弟は働かなくとも裕福な生活が一生保障され、貧困家庭の子供はいくら勉強し努力しても貧しさからは抜け出せなくなっている。
 ポール・クルーグマン「トリクルダウン(富の浸透)説を支持する保守派の政治家や学者は、『富裕層の税金を軽くして、貧困層への福祉は削るべきだ』『さもないと、富裕層は働くのが馬鹿馬鹿しくなり、経済全体の成長が妨げられる』と主張してきました。
 しかし、時が経つにつれて、トリクルダウンなど起きないと言う事が次第に明らかになってきています。かくなる上は、高額所得者に重税を課し、その税収を貧困層支援に回すしか手はありません」
 世界的に、「金持ちが金を稼いで浪費すれば。その金は貧しい庶民に流れ落ちる」というトリクルダウン説は起こらないとして、否定されている。
 金持ちは、質素の生活を送り日々節約に心がけ、生活など身の回りに金を浪費せず、資産を増やす為に投資や融資を行って利益を上げている。
 金持ちの金は、庶民の間には流れてはこない。
 橘木(たちばなき)俊詔(京都大学名誉教授)「私は、自力で成功した経営者は世の中に貢献しているから、たくさんもらう資格があると思います。彼等は大きな会社を作り、何万人という雇用を生み出していますからね。
 ただ、日本では所得税最高税率が下がり続けています。30年前は最高で70%取られていたのが、今は45%。金持ちが税金を払う事を嫌がり、政府も彼等の言い分を認めているのです。
 海外の富豪のように寄附をするなど、儲けた分だけ社会に還元するという文化が根付いていない事が、日本の金持ちの最大の問題点でしょう」
 アンガス・ディートン「大富豪といえど、全員が自分の力だけで地位を築いたわけでは決してありません。たまたま金持ちの家に生まれた人もいる。単に運が良かっただけの人もいる。逆に、彼等に劣らぬ才能を持っていたのに、環境やチャンスに恵まれなかったために、消えていった人もたくさんいます。
 このまま格差が拡大し続け、すでに地位を得た富裕層だけが世の中のルールを作るように成るのは、非常に危険です」
 世界は、文明や宗教で混乱し戦争が頻発するのではなく、根底にあるのは貧富の格差による「貧困」であった。
 貧困化した民衆と社会に不満を持つ若者が、富や社会的地位を求めて偏狭的宗教宗派や過激思想と結び付き暴動や内戦を起こした。
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 2月11日号 週刊新潮「尾木のママで
 バス事故の件数は、おととしまでの10年間で2倍以上に。……
 その背景にあるのが、2000年の規制緩和。これによりバス会社の数が倍増。自由競争を導入したことで運賃もグンと下がり、いい面もあるでしょうが、コスト削減による低賃金化、激務化から運転不足。結果的には、最も大切なはずの命の安全への配慮を怠ってしまったのではないかと考えてしまいます。
 もともと日本はみんなで支えあう『結』の精神に基づいた〝共同体意識〟が強い国です。そこに何でも『規制緩和は善なり』と過当な競争を導入すること自体に無理があったのではないでしょうか。今回の事故だけではなく、利益を追求するあまりひとりひとりの人間が置き去りにされているようにも感じます。日本全体がどこがおかしくなってきている。これは事故ではなく社会的な『事件』という気がしてなりません」
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 2017年 政府予算、97.4兆円。
 累積赤字 1,071兆円。

  
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