🐟19〗─1─地方創生。地域おこし協力隊制度は海外青年協力隊と同じ悲惨な末路。~No.80No.81No.82 @ 

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 2017年9月18日 msnニュース「HARBOR BUSINESS Online
 ボランティアジプシーを生み出す地域おこし協力隊制度。辿る末路は、海外青年協力隊と同じ
地域おこし協力隊には、数字のカラクリがある。その実数を見ていこう。
 田舎移住をすすめる有名ブロガーが移住した地、高知県(H26年度調査)を例にとってみよう。
 高知県内のある市の居住者のうち80%までが、地域おこし協力隊の人数。地域おこし協力隊は移住者にカウントされるように住民票の移動が課せられる。
 この市では、地域おこし協力隊の家族まで含めたらほぼ全員が地域おこし協力隊になってしまった。地方移住ブームにはこういった数字のからくりがあったということだ。「移住が増えている」と国をあげたキャンペーンを行ったのが功を奏したのか、自主的に地方移住する人が増えたのだがら国を挙げたプロパガンダは恐ろしい。
 さらに恐ろしいことに国はボランティアジプシーを推奨しているように見えるのだ。
 たとえば東京から地方に移住して3年ブランクがあると、東京で会社員になることはかなり難しい。
 地域おこし協力隊を終えて補助金をもらいNPOを設立しても、成功する確率はかなり低い。NPOで失敗したときに東京に戻っても会社員でない期間を5〜6年も持った30〜40代を再就職させてくれる企業はほぼない。
 地域おこし協力隊は自民党の地方得票対策であるのは間違いないだろう。形を変えた金のばらまきでしかないからだ。何よりもうまくいかない地域おこし協力隊を見かねた総務省が新しく発足させた「地域ワーキングホリデー制度」の運営基盤がパソナであることからも透けて見える。
 将来を考えるにあたって、「地方で輝ける」と勘違いした若者にお知らせしたいことがある。下記のアンケートを見てほしい。ある県の地域おこし協力隊退任時にとられるアンケート項目だ。
質問)現在の任地に定住しない理由は何ですか。
以下から、あなたの現在のお考えに最も近いものを1つ選び、その番号を回答欄にご記入ください。
 1,他の地域の「地域おこし協力隊」として活動したいから
 2,青年海外協力隊として活動したいから
 3,出身地や他の地域で、起業したいから
 4,出身地や他の地域で、農業、林業、漁業など第一次産業に従事したいから
 5,出身地や他の地域で、企業、NPO自治体などに就職したいから
 6,現在の任地に馴染めないから
 退任アンケートの項目を見ると国の思惑が透けて見える。県で集計したアンケートは総務省に吸い上げられているはずだ。総務省が設定した項目とイコールである確率は非常に高い。
 ◆一度参加してしまうと潰しがきかない!?
 青年海外協力隊は国際協力名のもとに国から3年の援助を受けて海外で働きながら暮らせる制度だ。だが海外に赴任させられた人々から多く聞かれるのが、「現地に行ってみたら、何もやることがなく、どうしたらいいかわからなかった」「誰も日本人が来るなんて聞いていなくて、ゼロから説明してもどうしようもなくなった」「ノイローゼになって帰国できないものがいても現地の日本の係員は取り合ってくれない」。
 どこかで聞いたような話ではないか。地域おこし協力隊が国際協力隊をトレースしてできたというのはすぐにわかる。
 海外に3年出てしまったら、あとはろくなところに就職できないというのも参加者の声の多くだ。結果的に、青年海外協力隊出身者は、JAICAの現地契約社員か、地域おこし協力隊になりやすい。
 つまりずっとどこかの地域の「お手伝い」をするだけで、長期にわたって国からボランティアとしてお金をもらい続けるのだ。
 秋田のある地方で起こった地域おこし協力隊のニュースを見るとわかりやすい。
 秋田で地域おこし協力隊をやっていた男性が3年契約だと思ったら1年で地域から追い出されてしまったというニュースだ。
 よく記事を読んでみると、その男性はもともと青年海外協力隊出身で、そのあとに地域おこし協力隊になったことがわかる。そして秋田地方で契約を切られたあとには、九州のある地方で再び地域おこし協力隊になっているのだ。これがボランティアジプシーでなくてなんであろうか。
 数年前に青年海外協力隊から帰ったMさんはこう言う。
青年海外協力隊ではノイローゼになってもJAICAの誰も相談にのってくれなかったし、言葉もあまり通じないので孤立する。そのまま何もせずに3年向こうで過ごして帰国しても青年海外協力隊には未来がない。出身者同士で褒めあっても就職にはプラスにはならない。しかたなく地域おこし協力隊になろうとしていたら、青年海外協力隊の仲間に、地域おこし協力隊も国のやることだから同じだよ、って注意を受けました。海外のほうが言葉が通じないからまだいい。言葉が通じるだけもっと悪い事態になるって(苦笑)」。
 青年海外協力隊の実態の酷さはまた別途レポートするにしても、国のやっているのは大昔と変わっていない。海外や地方に人を送り出す宣伝だけして、あとは責任を取らない移民制度なのだ。<文・小手平箸歌>」


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