🐟18〗─1─現代日本人は、食べ物を粗末にしてまだ食べられる食材を生ゴミとして捨てている。食品ロス。食品廃棄。~No.77No.78No.79 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 飽食日本における『捨てられる食料13億トン』(2014年)。
 「もったいない」と「食べ物を粗末にする」
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・   
 天孫降臨に基ずく稲神話を捨て農作物から神話的神性を剥ぎとり食べ物を粗末にする日本人。
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 日本文明の食文化は、食べ物は神そのモノという信仰から、食事は神と人が一体となる神事であるとされた。
 食べ物を粗末にする事は、神と食べ物は一体であると言う稲信仰の衰退の意味する。
 日本の、信仰に近い食に関する精神文化は消滅しつつある。
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 サムライは、戦国時代において「腹が減っては戦ができない」として米を作りながら領地を武力で守っていたが、江戸時代においては「武士は食わねど高楊枝」として百姓の機嫌を取りながら税を取り立てて生活していた。
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 小田原の北条氏康は、出陣の前に跡取りの氏政と食事をし、氏政の食べ方を見て北条氏の滅亡を予感して落胆した。
 「氏政が、自分の食べている飯に汁をもう一回注ぎ足した。自分が食べる飯に掛ける汁の量がわからないようでは、この戦国で人の気持ちがわかるはずがない。北条の家も俺一代で終わりだ」
 自分の食べる量、食べられる量、必要とする食糧の量がわからない人間は、賢そうに振る舞っても物事が理解できないし、如何に考えて行動しても道理に合った行動ができない。
 人の上に立っても、人を思い遣る事ができなければ、人の気持ちもわかるはずがなく、ただ身を滅ぼすだけである。
 氏康の預言通り、氏政の代で小田原北条氏は滅亡して、歴史上から消滅した。
 日本の食育に於いて、幾たびも飢餓に苦しみ多くの餓死者を出した苦い経験を教訓として、食べ物を粗末にし残飯を捨てる事は有り得なかった。
 其れが、神代からの日本民族に受け継がれてきた、情緒的に食べ物を神聖視する神道の稲神話、食文化、食思想であった。
 現代日本は、合理的に「人はパンのみで生きるのではない」的な考えが支配的となり、米などの食糧は金を出して買い、食べられるの食べたくなったとして捨て去る、単なる消費するだけの物とされた。
 食べもに対する思いが激変して、米粒一つでも粗末にすると目が潰れると信ずる日本人は存在しない。
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 米は「命の元」であるという神道信仰は、今は存在しない。
 米は、生ゴミという「ゴミ」とされた。
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 畑政憲「動物を殺す所を見ないで、人が殺して綺麗にしてくれた肉を食べておきながら、動物を殺すのは残酷だと言われても困る」
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 2012年6月22日 読売新聞
「リオ+20 呼吸する地球 下
 トラックの荷台を開けると、大量の野菜や果物、パンが積まれていた。『まだ食べられるものばかりです。賞味期限も切れていません』
 民間団体『セカンドハーベスト・ジャパン』(東京都)の井出留美さんがスーパーから引き取った大量の食品を前に説明した。……
 同団体は昨年、約1,600トン(9.6億円相当)の無償提供を受けた。井出さんは『全国では毎年、この1万倍以上の食品が捨てられている』と強調する。
 農林水産省によると、食糧自給率39%の日本で捨てられる食料品は年間約1,850万トン(2008年度推計)にもなる。……
 国連食糧農業機関(FAO)によると、世界では先進国を中心に毎年約13億トンの食料が捨てられている。生産量の3分の1だ。北米と欧州では1人当たり年間280〜300キロに達する。先進国で捨てられる食品の量は、サハラ砂漠より南のアフリカ諸国の生産量に等しい。
 一方で、飢餓人口は世界で9億人を超える。『「もっと食べたい」と言う子供もいて、胸が締め付けられます』。西アフリカ・ブルキナファソで栄養改善事業に携わる国際協力NGO『ハンガー・フリー・ワールド』の土橋るみさん(33)は語る。7年前は5歳未満の3人に1人が栄養不良に陥っていたといい、現在も食糧不足が続いている。
 『先進国が農地を買い占めたり、気候変動による耕地面積が減少したりする問題が複雑に絡み合い、途上国の食糧自給がうまくいかない。単に先進国で余った分を回せばよいという問題ではない』と土橋さん。
 ブラジル・リオデジャネイロで開催中の国連持続可能な開発会議(リオ+20)では、現在70億人の世界人口が2050年に90億人になっても発展できる社会を作ることが目標だ。ただ、大幅な増産は困難だ。FAOの予測では、砂漠化や異常気象などで農業生産成長率は現在の2.3%から30年には1.5%に下がる。……
 地球は、人類の空腹を満たしていけるのか。対策は始まったばかりだ。」
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 6月24日 
「環境団体『がっかり』
 成果乏しく 批判相次ぐ
 ブラジル・リオデジャネイロで22日閉会した『国連持続可能な開発会議』(リオ+20)の成果文書は、具体的な目標や政策がなく、『成果』にはほど遠い結果となった。参加団体メンバー有識者からは厳しい批判の声があがった。……
 ブラジルの環境団体のアロン・ベリンキーさんは『とてもがっかりした。あるべき水準から相当低いレベルだ』と顔をしかめた。……
 NPO法人『メリー・プロジェクト』(東京)の水谷孝次(61)は『もう大人はダメだ。子供たちこそ、未来の希望』と、行き交う各国の外交官らに向かって声を張り上げていた。
 消えた20年前の熱気……」
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 8月20日 読売新聞「食料危機の再燃は防ぎたい
 穀物価格高騰
 トウモロコシなどの穀物の価格が高騰し、世界各地で食料インフレへの懸念が強まっている。
 食料価格の上昇は世界経済の足かせとなるだけでなく、新興国の政情不安や飢餓人口の増大など国際社会にマイナスの影響を与える。
 2008年の食糧危機では、生産国の輸出制限などに反発し、各地で暴動が広がった。危機を再燃させないよう、日本など各国は警戒を怠ってはならない。
 シカゴ先物相場で7月以降、トウモロコシや大豆の取引価格が相次いで史上最高値を更新している。国際食糧農業機関(FAO)が発表する食料価格の世界的な動向を示す指数は今月、2年ぶりに急上昇した。
 高騰の要因は、記録的な熱波と少雨により、米国で半世紀ぶりとなる深刻な干ばつが発生したことだ。被害は国土の6割に及び、世界生産の4割を占めるトウモロコシ、大豆の生産量が大幅に落ち込むと予想される。
 ロシア、インド、中国なども天候不順に見舞われた。小麦の主産地であるロシアでは生産が2割程度減少する見通しだ。
 穀物の大半を米国からの輸入に頼っている日本の食卓にも、影響が出始めている。
 食用油メーカーは値上げを打ち出した。穀物高騰が続けば豆腐やみそ、しょうゆ、マヨネーズなど、多くの日常食品の価格も上昇する可能性がある。
 畜産飼料に多く使われるトウモロコシの価格高騰は、食肉価格を押し上げ、卵や乳製品の値上がりにつながりかねない。
 日本は、官民が連携して穀物の調達先を多様化するなど、影響を最小限に食い止める方策を検討する必要がある。……」
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 日本政府は、自民党公明党の支持を得て消費税法案を成立させた。
 日本国家の借金は、毎年の国家予算で新たな借金が増えその金利利払いで膨れ上がり、何時かは国家破産する事が目に見えている。
 だが。
 政治家も官僚も、そして国民も、それを押しとどめる真剣さはない。
 同様に。世界規模の破滅的食糧危機が、そう遠くない将来に訪れようとしているのに、相も変わらず飽食で多くの残飯を生ゴミとして捨てている。
 食べられる生ゴミに喜んでいるのは、カラスと野良猫と、理解に苦しむ一部の動物愛護を呼びかける人々である。
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 9月6日 読売新聞
 「 穀物高騰 食卓にも影響
 米国の干ばつや中国での需要増など複合的な要因が絡まって、大豆やトウモロコシの高値更新が続いている。ロシア極東のウラジオストクで開催中のアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、食料問題について輸出制限など新たな保護主義的な措置を取らないことこで一致した。だが、輸出規制の回避が価格抑制に直結するわけではない。穀物高は乳製品の値上がりなどの形で、日本の食卓にも影響が及び始めている。
 ……
 投機マネーも流入
 資源・食料問題研究所の柴田明夫代表『2000年ごろから中国の需要が急激に増え、穀物市場の需給の構図が変化し、価格が下がらなくなった。今回は、米国やロシアなどでの干ばつに加え、欧州危機で行き場を失った投機マネーが、穀物相場に流れ込んでいる側面もある。
 米農務省は、ブラジル、アルゼンチンでの大豆の増産が見込まれているが、作付けはこれからだ。不作になれば、さらなる価格高騰を招く。超円高の日本では、穀物高の実感は乏しいが、来春にかけて食料品の値上がりが続くとみている』」
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 10月1日 読売新聞「輸入米の人気が高い。国産米の価格が高止まりしているためで、『外国産』に対する抵抗感も薄れつつある。ただ、最近の価格上昇に加え、今年の国産米は豊作が予想されており、輸入米人気がどこまで続くかは不透明だ。……ある卸売業者は『外国産のコメは味が良くなっており、「使いたい」という外食業者は、どんどん増えている』と話す」
 現代の日本は、空前の円高で輸入品価格は安い。
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 10月2日 読売新聞「生活調べ隊
 日本人のコメ離れがとまらない。家計調査で、コメの購入額が、ついにパンの購入額を下回った。日本人の生活が変わってきていることが原因。ただ、若者の間で弁当を見直す動きがあり、希望も見える。……
 農林水産省の調査では、11年度に国民一人が食べたコメの量は57.8キログラムと過去最低。ピークの1962年度(118.3キログラム)から下がり続けている……」
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 10月7日 読売新聞「コメ作り 苦悩の秋 塩害で立ち枯れ 収穫しても廃棄
 岩手、宮城、福島3県では、津波被害を受けた農地の復旧が進み、多くの水田で収穫期を迎えている。一方、震災前の作付面積の約8%は今年も作付けが見送られた。作付けしても立ち枯れする水田が見られるほか、福島県では放射性物資の検査用に、食べられないコメを育てる農家もいる。実りの秋を喜べない、苦悩する姿を追った」
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 10月17日 読売新聞「FAO会合 穀物高騰 増産で協力 米露中の閣僚欠席 国際的な食料や農業問題を議論する国際食糧農業機関(FAO)が16日にローマで開いた閣僚級会合では途上国の農業生産力を高めるため、各国が協力して取り組むことお確認した。ただ、主要輸出国の米国とロシア、消費大国の中国から閣僚が参加せず、効果的な対策を実行できるかどうかは不透明だ。……
 穀物価格は、世界的な人口増加や、中国などの経済成長に伴い、今後も上昇が続く見通しだ。農地の拡大には限界があるため、食料の安定供給には、生産性を高める余地が残る途上国がカギを握る。会合では、南米やアフリカの国々が、『個人経営や家族経営の農業が多い』と訴え、先進国側の協力を暗に求めた。……
 FAOは今回、約200ヵ国の加盟国に閣僚の派遣を呼びかけた、閣僚が参加したのは輸入国を中心とする約20ヵ国にとどまった。米国、ロシア、中国という市場への影響の大きい3ヵ国の閣僚が欠席したことで、結論を導き出すというよりも、各国の『言いっ放し』にとどまったとの印象はぬぐえない」
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 日本の農業は、後継者不足から、2030年頃には消滅すると予想する専門家がいる。
 一部の有識者は、跡継ぎのいない日本の農家を保護するより、日本の農業を守る為に、反日意識の強い中国などから1,000万人ちかい低所得者を農業移住させるべきだと訴えている。
 日本の国際化の為に、国家を弱体化させる単一性を改め、多民族・多文化・多宗教・多言語の多種多様な社会に作り替えるべく、より多くの異民族を大量に移住させるべきであると主張する国際派文化人もいる。
 政府は、毎年、農業に対して約4.6兆円の補助金を出しているが、付加価値効果は3兆円と言われている。
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 神門善久…『日本農業への正しい絶望法』‥新潮新書
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 11月5日 読売新聞社説「新米が出回る実りの秋に、コメ政策の矛盾が噴き出している。農業改革は待ったなしだ。
 農林水産省が発表した2012年産米の作況予想は4年ぶりの豊作で、収穫量は約820万トンと需要を20万トン超も上回る見通しだ。
 ところが、コメ余りなのに価格は上昇した。9月の業者間の取引価格は10%程度高い。全国農業協同組合連合会(JA全農)が、農家に払う前渡し金を引き上げたことが要因だ。
 生産地と消費地の直接販売などが増え、全農の集荷量が減少しているため、高値買い取りで影響力維持を狙っているのだろう。
 豊作で高値を招いているのは、『農協の論理』そのものだ。消費者の理解は得られまい。
 一方、需要は十分まかなえるはずなのに、外食店や弁当業者らの使う手頃な価格のコメが不足していることも問題だ。そこで輸入米が注目され、9月の入札では、2.5万トンの販売数量に対して3.6陪の申し込みがあった。
 デフレ定着で安いコメを求める動きは年々強まり、需要の3割を占める外食・弁当産業の価格競争は激しさを増している。輸入米人気は、国産米が市場の低価格志向に応えていない実態を示す。……
 今問われているのは、消費者ニーズに応えるコメ政策である。このままでは、消費者のコメ離れも一段と進みかねない。
 政府と農業団体が生産調整と高関税で、コメ価格を高値で維持する体制に根本的な問題がある。
 補助金をばらまく政策では農業の体質強化はできまい。担い手農家に政策を集中するコメ農政への改革を急げべきだ」 
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 11月14日 読売新聞「露・ウクライナ穀物不作 輸出規制観測高まる
 穀物の主要である輸出国であるロシアとウクライナ両国で今年、干ばつのため小麦、トウモロコシなどの収穫が大きく落ち込んだ。穀物の国際価格が高止まりする中、両国が輸出規制に乗り出すとの観測が出ている。……
 ロシアは2010年8月から11年6月にかけ、深刻な干ばつを理由に穀物の輸出を禁止した。この影響で、輸入国だったエジプトなどの諸国でパンの値段が高まったことが民主化運動『アラブの春』が広がる一因になったとされる。
 仮にロシア、ウクライナ両国が輸出規制に踏み切ることがあれば、今回も輸入国に影響が及ぶ事態も想定される」
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 11月26日 読売新聞「豊作だったはずの2012年産のコメが値上がりしている。全国の産地が高値で売れるブランド米の開発に力を入れた結果、値段の安いコメが不足気味になっていることが背景にある。コメ離れを食い止めるためのブランド米の開発が価格を押し上げ、消費者のコメ離れをさらに加速させるという皮肉な結果になりかねない。……
 全国各地で、おいしいブランド米を育てる動きが増えた結果、コメの価格は押し上げられている。……外食業者らが少しでも安いコメを仕入れようとしたため、需要が増えて価格が底上げされたとみられる。 国産米につられ、低価格が売りの輸入米も値上がりしている。……
 コメが値上がりしている最大の要因は、国民の『コメ離れ』が進む中、各地の農家がコメの需要を増やそうと、消費者によりアピールできるブランド米の生産を強化したためだ。
 民主党政権が10年度から導入した農家の戸別所得補償制度も影響しているとみられる。
 この制度では、生産調整(減反)に参加することが、コメ農家への交付金支給の条件になった。これにより、過剰とみなされるコメの作付面積は、09年の4.9万ヘクタールから現在は2.4万ヘクタールに半減した。生産調整が進む中でブランド米を増やせば、安いコメの生産を一段と減る。……
 外食産業への影響も大きい。……「お客さんが離れてしまうので、商品は値上げできない」として、より安い輸入米の使用を増やす動きもみられる」
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 12月9日 読売新聞「農業政策 バラマキいつまで続けるのか
 貿易自由化をにらんで農業の体質強化は待ったなしである。ところが、衆院選政権公約では、『農村票』を目当てにしたばらまき路線が目立つ。強い日本農業を実現する政策こそを競うべきだ。農業政策の焦点は、戸別所得補償制度の見直しである。……所得補償制度の11年度の予算規模は5,400億円に膨らみ、農業予算の4分の1を占める。巨費を投じたにもかかわらず、規模拡大や経営改善につながったとは言い難い」
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 12月11日 読売新聞「選択の視点 12衆院選
 農業強化への戦略必要
 環太平洋経済連携協定(TTP)の交渉参加を巡る議論でも、農政のあり方が注目されている。
 『農業者の真の声を代弁する方を一人でも多く国政の場に送り出そう』
 衆院解散直前の11月15日、全国のJAグループ関係者約1,500人を集めて国会にほど近い東京・平河町で開かれたTTP反対集会で、全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長は声高に訴えた。100人以上の国会議員も出席し、『TTP交渉参加 断固阻止』と書かれた鉢巻き姿も多く見られた。
 農業関係者の間には、日本がTTPに参加し、関税が撤廃されれば、海外から安い農産物が大量に流れ込んで壊滅的な打撃を受ける、との危機感が渦巻く。……
 日本農業は担い手不足や耕作地放棄地の増加が深刻化している。鈴木宣弘・東大教授(農業経済学)は『産業政策として意欲ある人への支援を充実させ、国家戦略を示すことが大事』と指摘する。真の農業強化に向けた具体的な議論が求められている」
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 12月12日 読売新聞「2030年 米の覇権終幕 世界情勢予測報告書
 米国家情報会議(NIC)が10日公表した、今後15〜20年の世界情勢を予測する報告書『世界潮流2030』は、米国の経済力、軍事力が相対的に低下し、中国、インドが台頭するなかで、米国がどのような役割を果たせるかが2030年の世界秩序を左右すると指摘した。今後20年間は、米国が超大国として主導する時代から『多極化の世界』への転換期となり、米国の力が弱まるほど世界の混迷は深まるとの懸念が示された。……
 中印などが歴史上最速の勢いで成長しているに対し、米国が巨額の財政赤字を抱えて国防費の大幅削減を迫られている現状を踏まえ、『パックス・アメリカーナ(米国の力による平和)は急速に幕を閉じようとしている』との認識を示した。
 報告書はまた、米経済の低迷が続いた場合、米国は中国、インド、ロシアなどの『地域の覇権国家』への影響力を失い、危険な『力の空白』が短期間で生ずるとの懸念を示した。その場合、中東での紛争も激化し、『英国が指導力を失った1930年代を連想させる世界になる』としている。
 ……
 報告書『世界潮流2030』の骨子
 ……
 中国のナショナリズムが高まる中、米国の関与が持続されなければ、アジアの不安定さが増大する
……
 2030年までに予想される世界の地殻変動
 中間所得層の増加‥現在の10億人から20億〜30億人に
 殺傷・破壊技術の普及‥サイバーや生物兵器で個人レベルでも大規模攻撃が可能に
 経済大国の構造変化‥日米欧の比重が低下、中国や新興国が上昇
 高齢化の進行‥現在の日独に加え、大半の欧州諸国、韓国、台湾も高齢化が進む
 都市住民の増加‥現在の50%から60%近くに
 食糧、水の確保‥アフリカ、中東のほか、中国、インドでも不足の危機
 米国のエネルギー自給‥シェールガス開発で国内需要確保、輸出の公算も」
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 岡本行夫「世界に関わらなくても、TPPに入らなくても、国内でやっていければいいという声もある。それも一つの生き方であろう。
 だが、その場合、何が起きるか。競争力が落ち、経営収支が赤字になる。資金は流出し、国債は国内で消化できなくなる。街は失業者であふれるだろう。内向きになれば、暮らしが相当悪くなる覚悟をすべきだ。
 TPPについて、米国にはこういう気持ちもあるだろう。
 『日本が孤立に耐えられるわけがない。いずれ参加する。ならば今のうちに日本抜きで有利なルールを決めてしまおう』
 反TPP派は本当に最後まで反対を貫く覚悟があるのか。
 我々は日米安保に守られ、好き勝手を言っていても軍事的な脅威にさらされなかった。しかし経済には、日米安保に相当するものはない。
 もう一つ、日本は『世界への貢献』だの『アジアと欧米のかけ橋』だの、旗印を掲げて何もしない標語外交と決別すべきだ。
 中国との『戦略的互恵関係』もそうだ。互恵と言いながら、中国は尖閣東シナ海のガス田を含め、自分たちの利益がかかることで、ただの一度も譲ったことがない。
 日本はこうした標語を作ると、思考停止と不作為に陥る。それが最も楽だからだ。……
 日本は軍事大国に囲まれ、地政学的に不安定な位置にある。経済状況も厳しい。歩んでいける道はおのずと狭い。
 安全保障については理論的には『どこかの国との同盟』『武装中立』『集団安全保障』という選択肢があるが、現実的には米国との同盟しかない。
 日本にとって一番大事な日米関係も、言葉だけではもうしのげなくなってきている」
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 国連食糧農業機関(FAO)は、地球上で人間向け生産されている農産物の3分の1が、先進国で生ゴミとして廃棄しているとの試算を発表した。
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 美食大国・中国は、年間5,000万トン、320億ドル以上の食べ物を残飯として廃棄している。
 中国人が捨てる食べ物は、2億人分の食料にあたるといわれている。
 中国政府は、飢えた貧困層の為では無く、飽食化して食べ残す富裕層の為に世界中で食材を強奪している。
 中国が国際紛争紛いの買い付けを行っているのは、13億人の国民を養う為では決してなく、世間の常識とかけ離れた強欲な贅沢三昧の生活を楽しむためである。
 中国人を一言で言えば、他人を踏み台に為て楽しむ「強欲」である。
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 2014年7月17日 読売新聞・論点 井出留美「国内年800万トン廃棄
 食べない食品 福祉活用
 『フードバンク』をご存知だろうか。まだ食べられるのに捨てられる運命にある食品を企業や農家、個人から引き取り、困窮者や福祉施設に届ける活動のことだ。1967年に米国で始まり、36ヵ国以上に広がっている。日本初のフードバンク団体『セカンドハーベスト・ジャパン(2HJ)』は2000年に発足、現在527社と連携している。
 世界では、食料生産量の3分の1にあたる13億トンが、日本では年間500万〜800万トンが食品ロスとなって廃棄されている。
 一方で、世界には1日1.25米ドルで生活する極度の貧困層が12億人以上いる。日本でも、貧困率は16.1%で、前回調査の09年に比べて悪化している。
 さらに、50年までに世界人口は現在より約35%増え、作物の生産量は2倍必要になるとの推計がある。限りある地球資源を有効に使う循環型社会を構築するためには、多大なエネルギーを費やして作った食べ物をできる限り活用すべきだ。その取り組みの一つが、食品ロスと貧困問題とをつなぐフードバンクの活動と位置づけられよう。
 活動の先駆者、米国では1970年代、余剰農作物を貧困者に活用する法律が制定され、食品を寄付すると税制上の優遇措置が受けられる。寄付した食品で万が一事故が発生しても免責される『善きサマリア人の法』も施行されている……」
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 歴史的に、食品ロスを再生して食べ物としたのが韓国の家庭料理、特に両班の下僕内で生まれた伝統的民族料理である。
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 少子高齢化と健康志向の高まりによって、一人当たりの摂取カロリー量は低下している。
 厚生労働省は、日本人成人の一人一日当たりの摂取カロリー調査を行った。
 1975年に2,200キロカロリーであったのが、2014年には1,900キロカロリーまでに低下した。
 市場における食料品の供給カロリー量は、一人当たり2,400キロカロリーである。
 供給量に対し消費量される差は、約500キロカロリーである。
 差額の量は、店に売れ残って廃棄されるか、買っても食べられず捨てられるかして消えている。
 飽食化した日本では、民族文化の美徳とされた食べ物を大事にするという「もったいない」精神は希薄となり、食材を余す事なく料理して美味しく食べ尽くすという「和食」文化も廃れた。
 現代日本は、もったいない精神や余す事なくいただく和食文化を表看板として飾っていても、その実体は食べ物を粗末に扱う食糧廃棄国という醜い姿をしている。
 日本農業が減少は地方文化の衰退であり、日本産農産物による和食文化の崩壊である。
 人間と自然が一体化して守られてきた、里山の多様な生態系も消滅する。
 将来に於い、日本人の意識改革が行われなければ、日本は想像もつかないような破局に襲われる。
 農産物とは、何も「ない」状態か自然環境に助けられて、人が苦労して作るものである。
 人間が生きる為に、人が作り出すものである。
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 2015年 日本の食品廃棄量は、年間1,900万トン。
 農産地では「形や大きさが不揃い」では業者が引き取ってくれない理由で、小売店・市場では「賞味期限・消費期限が過ぎた」食材は危険だからという理由で、安全・安心という消費者目線で食材を惜しげもなく捨てている。
 現代日本人は、戦後間際までの昔の日本人に比べて胃腸機能は脆弱になったが、心身共にひ弱になりながらも寿命を手に入れた。
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 8月21日 産経ニュース「企業・自治体「食品ロス」削減 「もったいない」意識して
 西友の物流センターに集められた食品や規格外野菜はセカンドハーベスト・ジャパンのドライバーによって福祉施設などに届けられる=埼玉県川越市
 まだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」を減らす取り組みが、企業や自治体で広がっている。農林水産省の推計によると、国内の食品ロスは年間約500万〜800万トン。「もったいない」という意識を社会全体にどう根付かせるかが課題となっている。(平沢裕子)
 企業イメージ向上
 スーパー大手の西友(本社・東京都北区)は、食品ロスを減らすため、生活困窮者や福祉施設に配給する団体「セカンドハーベスト・ジャパン」(2HJ、東京都台東区)に売れ残った食品を寄付している。以前は賞味期限や消費期限が近づくと各店舗で廃棄していた食品を、自社の商品輸送網で物流センターに集め、一括して2HJに引き取ってもらう。2HJは、必要とする児童養護施設や母子支援施設など各施設に運ぶ。
 始めたきっかけは、パート女性の「まだ食べられる食品を捨てるのは、もったいない」という声だ。加工食品の場合、例えばパック入り豆腐なら、豆腐を取り出し容器と分けて廃棄する必要がある。こうした作業の多くはパートの女性が担っており、食べ物を粗末に扱うことが心理的負担になっていたという。
 平成21年に3店舗で始め、今年7月に100店舗を突破。西友企業コミュニケーション部の栗山みどりさんは「売り切る努力はしているが、ゼロにするのは難しい。有効活用すれば、廃棄の手間が減るだけでなく、食品を無駄にしない会社としてイメージアップにつながる」とし、来年までに関東全域150店舗での実施を目指す。
 西友と取引のあるJA甘楽富岡(群馬県富岡市)も3月から、傷があったり形が悪かったりする規格外野菜の2HJへの提供を始めた。味や鮮度に問題はないが、市場に出せず、通常は自家用か廃棄処分される。商品となる野菜と一緒に西友の物流センターに運び込むことで、新たな輸送コストが生じないようにした。JA甘楽富岡営農部直販センターの高田知尚さんは「せっかく育てた野菜を廃棄するぐらいなら、必要としている所へ届けてもらう方がいい」と話す。
 食べきり呼び掛け
 食品が無駄にならないよう、食品を運ぶための新たなネットワークも登場している。
 一般社団法人「中央ライフ・サポートセンター」(前橋市)は、メーカーなどが寄付する食品を協力物流企業の拠点に運び、そこから福祉施設などに運ぶ仕組みを構築した。
 同センターは登録施設に提供可能な食品の情報をメールで配信。施設が必要な数量を申し込むと、協力物流企業が各施設に配送する。26年度は3千箱以上の食品が福祉施設などで利用された。遠藤昌男代表は「食品ロスを減らすことは、CO2の削減や水の有効活用など地球環境面でも貢献できる」と意気込む。
 自治体も食品ロス削減に取り組む。横浜市は、小盛りメニューの導入や食べ残しを減らす呼び掛けなどを行う「食べきり協力店」事業を24年から実施。約600の飲食店や宿泊施設が登録している。
 登録店に昨年実施したアンケートでは「食べきれないものを持ち帰る人が増えた」など効果を実感した店がある一方、「小盛りを呼び掛けても希望せず結局残す人もいる」などの声も聞かれた。同市一般廃棄物対策課の三友健司担当係長は「協力店を増やし、食べきる大切さを広く伝えていきたい」と話している。
 ■半分は家庭から
 食品ロスを出すのは企業に限らない。国民生活産業・消費者団体連合会(東京都中央区)によると、国内の食品ロスの半分は家庭から出ており、1世帯当たり年間約60キロ、金額では約6万円に相当するという。同会は、買い物前の冷蔵庫内チェックや冷凍保存の活用などを勧めている。」
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 2016年6月25日号 週刊現代「食品廃棄の現場から
 この国では年間1,700万トンが捨てられている
 食べ物に困らなくなった。いつでも食べ物が手に入るようになった。豊かさと便利さに伴って生じた食べきれない物はどこへ行くのだろう。
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 『……小売店には期限が迫ると商品を自主的に店頭から撤去、廃棄する習慣がある。結果、廃棄される約1,700万トンのうち、まだ食べられるのに捨てられる『食品ロス』は500万〜800万トンに上ります。これは世界全体における発展途上国への食料援助量の2倍近くにあたります』(慶應義塾大学経済学部教授・細田衛士)
 リサイクルされる食品はまだ2割程度
 横流し問題も……」
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 11月14日 産経ニュース「日本人は資源使い過ぎ 食品の大量廃棄で顕著 中国など新興国が先進国の暮らしをすると深刻に
 世界中の人が日本人と同じような暮らしをした場合、地球全体で必要になる食料や水、木材など自然資源の量は、地球が安定的に供給できる量の2・9倍になってしまうとの報告書を、世界自然保護基金(WWF)が発表した。
 現状でも安定供給できる量の1・6倍の資源が世界全体で消費されており、中国やインドといった新興国が経済成長して先進国並みの暮らしをする人が増えると、状況がさらに深刻化する恐れがある。
 チームが2012年の国民1人当たりの環境負荷を指標化したところ、米国とカナダが安定供給量の4・8倍を消費。ドイツとフランスは3倍ほどで、2・9倍の日本は先進7カ国で5番目に多かった。
 日本は特に食生活に伴う負荷が全体の26%を占め、食品の大量廃棄が浮き彫りになった。自動車や飛行機など二酸化炭素(CO2)を排出する交通分野も32%と多くの資源を使っていた。」
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 約532万トンとは、東京都民1,300万人が1年間で食べる食品量に相当する。 
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 2017年1月31日 朝日新聞「日本でも年632万トン
 まだ食べられるのに、捨てられる食べ物。それが食品ロスだ。日本では年間632万トン。国連食糧農業機関によると、世界では生産された食料の3分の1にあたる13億トンが毎年廃棄される一方で、9人に1人が栄養不足に苦しんでいる。
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 世界全体の食料援助量 2014年 302万トン
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 SDGs(持続可能な開発目標)目標12番(12つくる責任 12つかう責任) 持続可能な生産と消費のあり方を提言。食品ロスについては『2030年までに1人あたりの食料廃棄の半減』を掲げる。廃棄物のリサイクルや、自然と調和したライフスタイルも盛り込んでいる」
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