🐟9〗─1─衰退する日本農業。食生活が米と魚貝類食からパンと牛・豚肉食に変化し、消費されない米を生産すればするほど借金が嵩む。2014年~No.38No.39No.40 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 日本は、世界第5位の農業国で、先進国ではアメリカに次いで第2位である。
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・   
 賢い日本人消費者は、日本人農家が減少しても気にはしない。
 日本国内で、日本農業で、外国人農民が生産する安価な日本産農作物が食べられれば文句は言わない。
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 日本に於けるコメ消費は年間700万〜800万トンで、その消費量は年々減少し、10年後には600万トンに下がると予想されている。
 日本のコメ余りは更に深刻で、米農家がコメを生産すればするほど財政への負担が増加する。
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 日本は少子高齢化によって人口減少が進行しているが、地球は温暖化による自然破壊と人口爆発による食糧不足が深刻化しつつある。
 2050年後。2100年後。地球規模の深刻な激動期に突入すると、人口増加による市場の拡大という過去の成功モデルは全く通用しない。
 如何なる架空の理想論を持ってしても、明るい未来は存在しない。
 今の金儲けを目的とした特定の政治家や都市の大企業だけが儲かる無駄な大型公共投資は止めて、地域に根ざした小回りの利いたきめ細やかな公共投資に切り替えるべきである。
 日本独自の里山環境を復活させ、自然と補完共存した生産生活を取り戻さなければ、日本人は地球規模の大変動に生きて行けない。
 つまり。過去の拡大路線による小回りが利かない成功モデルは一切通用しない。
 その時。現代のような現実離れした屁理屈の正論では、生きられない。
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 2035年 全国における75歳以上の世帯は、独り暮らしが466万世帯、夫婦世帯が351万世帯。
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 2014年1月17日号 週刊ポスト大前研一 間違いだらけの『日本の農業』〝真の食料安保〟とは何か? 
 2014年、日本の農業が歴史的な転換点を迎えようとしている。交渉中のTPP(環太平洋経済連携協定)の進展を背景に、減反政策の廃止や補助金見直しなど、これまで〝聖域〟とされてきた農政の根幹にメスが入れられるという。あが、経営コンサルタントの大前氏は、政府・農林水産省主導の改革は日本の農業問題の根本的解決にはつながらないと主張する。
 『減反しつつ農地整備』は理解不能
 ……『自立した農家』を育てることを目的とした農業政策の約50年ぶりの大転換、と政府・農水省は喧伝している。
 しかし、それで本当に日本の農業を生まれ変わらせることができるのかといえば、甚だ疑問である。
 減反の廃止は当然だ。もともと今の農政が完全に間違っていたのえある。減反政策は、日本人のコメ離れと人口減によるコメ消費の減少で1967年度から始まり、コメの生産量は1967年度の1,445万トンをピークに徐々に減少して2012年度は何と6割の869万トンになっている。
 本来、需要が減少したら供給を減らさなければならない。ところが、農家にとっては他の作物より補助金の多いコメが一番儲かるから、放っておけばコメを生産してしまう。そうすると供給が需要を上回って価格が下がる。それでは農家が困るから計画的な減反よって供給を減らし、減反すれば補助金を出すという制度を作ったのである。しかし、価格を維持するために補助金を払って生産量を調整(減反)するというのは、どう考えてもおかしい。余るなら生産をやめればいいし、価格が下がるなら消費者に還元するべきである。
 ……
 農業基盤整備事業が行われていた当時、私は『世界最大の穀物メジャーが1兆円で買えるのに、なぜ42兆円もかけて農業を保護するのか?』と批判し、穀物メジャー買収による日本農業のグローバル化を提唱していた。実際、丸紅は2013年7月、アメリカの穀物大手ガビロンを27億ドルで買収し、アメリカのカーギルに次ぐ世界第2位の穀物メジャーに躍り出た。同年9月には、中国の食肉大手・双匯(そうかい)国際がアメリカ最大の豚肉生産会社スミスフィールド・フーズを47億ドルで買収した。42兆円あれば、ガビロンが150社、スミスフィールド・フーズが90社も買収できる。
 結局、農水省は『農業』を守りたいのではなく、自分たちの『農業利権』を守りたいだけなのだ。なぜなら、日本の農業はとっくに崩壊しており、いくら補助金を出したところで競争力を持つえないとこことを、誰よりも知悉しているのは農水省だからである。
 農水省食料安保』は虚妄である
 そもそも古今東西補助金を受けて競争力をつけた業界は一つもなく、むろん農業も例外ではない。世界で農業が強い国は、すなわち補助金がない国だ。……
 若者が農業を継がないのは、産業として魅力がないからである。普通の国は、こういう状況になったら農業移民を受け入れて若返りを図るが、日本は移民に門戸を開こうとしない。このままいけば、日本の農業は担い手がいなくなって消滅の危機に瀕するだろう。
 ボーダレス経済の鉄則は『世界の最適地で生産する』ことである。……たとえば、世界で最も肥沃な土地はウクライナのチェルノーゼム(黒土)だし、牛肉はオーストラリア、アメリカ、アルゼンチンくらいしか世界では勝負にならない。
 その意味では、山地が国土の75%を占める日本は、もともと農業に向いていない。それでも狭い国土を切り開き、25%しかない平地を有効活用して自給自足できるまでにしたのは、日本人の血と汗と涙の結晶だと思う。だが、ボーダレスな開放経済になっている今、もはや昔のままの過保護で生産性の低い農業では絶対に生き残っていくことはできない。
 にもかかわらず、農水省は『食料安全保障』を主張し、それを日本の農業を保護する大義名分にしている。そこで私が農水省自民党に『食料安保とは何か?』と問うと、『いざという時に糧道を断たれないこと』だと言う。『では、いざという時とはどういう時か?』と問うと、『日本が世界中を敵に回した時』だと言う。『ならば「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と宣した平和憲法を持つ日本が、世界中を敵に回して糧道が断たれる時というのはどういう時なのか?』と問うと、もう彼らは答えられない。
 さらに『もし日本が世界を敵に回したら、最初になくなるのは石油ではないか?』と問うと、『石油は180日分備蓄している』と答える。だが、石油がなくなれば、耕運機やトラクターやコンバインは動かないし、肥料も作れないから、コメは作れなくなる。ということは、コメも180日分の備蓄があればよいことになる。いくら農業を保護したところで、どうせそれ以上、日本は持ちこたえられないのだ。
 そもそも、糧道が断たれるような状況に日本が追い込まれたら、石油だけでなく石炭も鉄鉱石もレアアースも入手できなくなるし、輸出もできなくなるので、コメだけ自給できたとしても『ジ・エンド』だ。つまり、『食料安保』という概念自体が、虚妄なのである。
 〝農民漁民省〟改め『食糧省』を作れ
 日本の農業は、今こそボーダレスな開放経済を前提にして根本から作り直さなければならない。その場合、どのように真の食料安保を実現するのか?方法は二つしかない。
 一つは、同時に敵になりそうにない複数の国を選び、その国々から食料を輸入してリスクを分散することだ。たとえば、アメリカ、オーストラリア、ウクライナ、ブラジル、アルゼンチン、タイ、ベトナムなどである。万が一、日本がこれらのすべての国と敵対するような事態になったとしたら、そんな危険な祖国からはさっさと逃げだすべきだろう。
 もう一つは、先述したウクライナやオーストラリアなふぉの農業大国に日本の農民や日本企業が積極的に進出し、高い技術力と豊富な資金を生かして大規模農業でアグリビジネスを展開し、日本をはじめとする農業不適国に輸出することだ。この二つで真の食料安保が完成するのである。
 農林省は、戦後ずっと〝農民漁民省〟だった。農民・漁民の利権を守り、自分達の利権を守る役人集団だった。いかし、これからは世界の農林水産業の最適地に技術と資本を持ち込んで、日本人の胃袋に安心・安全で良質で廉価な食料を供給する『食糧省』にならねばならない。『農地は輸入できる』と私が言ってきたのはこのことである。
 付言すれば、現在の高齢化した農業従事者に対して、過保護にした政府が最後まで戸別所得補償で面倒をみるべきだと思う。ただし、条件がある。『一代に限る』ということだ。それ以降は、相続税免除をはじめとする現在の農家優遇策は、すべて廃止すべきである。
 しれでも日本から農業が消滅することはないと思う。生き残るのは、大きく二つのタイプであろう。世界市場でコモディティ化(他と大差ない商品化)しない特別なブランド作物を生産する農家と、家庭菜園に憧れるサラリーマンやリタイアした高齢者などに農地をリースして稼ぐ農家である。
 日本の『農業改革』は、ここまで見通してやらないと意味はない。言い換えれば、今回の減反政策廃止や補助金見直しなどは、自立した農家を育てるどころか、何の転機にもなりはしないのである」
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 日本は、世界有数の農業国で、国が過保護に守らねばならないほど農業は弱くない。
 日本国内の農業生産額は約8兆円で、世界第5位で、先進国に限ればアメリカに次いで第2位である。
 浅川芳裕「日本の野菜の総生産額は、農業大国と言われるフランスの倍。ネギ、ほうれん草、ミカン類など多くの品目が生産額で世界トップ10圏内です。畜産物も卵4位。鶏肉7位。豚肉15位。牛乳20位など多くがトップ20に入っている。立派な農業大国なんです」
 国民に対して農業を食の安全保障として保護すべきだと主張しているのは、農水省や農協などが既得権を守ろうとしている謀略である。
 2012年度の日本の農業産出額は8兆5,251億円で、その内訳は、コメは2兆286億円、野菜は2兆1,896億円、果実は7,471億円、畜産は2兆5,880億円である。
 国産農産物の多くが、TPPによる関税撤廃以前に自由競争に晒されながらも、補助金が無くとも自己努力で生き残ってきている。
 浅川芳裕「農業生産額の3割を占める野菜の関税は多くの品目で3%、生花は関税ゼロ、果物の関税は5〜15%程度です。関税が低くても補助金はほとんどなく、国内の農家が創意工夫して競争力を高めています。過去、牛肉・オレンジの自由化で「『畜産農家が壊滅して日本産ミカンがなくなる』と危惧されたが全く杞憂に終わった」
 コメの関税を廃止すると国内生産量の約3割(270万トン)が輸入米に取って代わられると言われるが、国内産米の販売能力を低く見せようとしているデタラメな試算である。
 山下一仁「農水省は米国産中粒種をモデルに輸入米の価格を60㎏当たり7,020円で試算していますが、実際にカリフォルニアから輸入している米の価格は8,310円です。現実より安く設定して影響を大きく印象づけています。しかも国内の価格は減反で高く維持されているので、減反をやめれば同程度に値下がりして影響はなくなります」
 日本の食糧自給率は意図的に低く算出されているが、市場に流通しない農家の自家消費分される農産物や外国産飼料で飼育されている家畜が省かれている為に、全てを加えると自給率の実数は68%になる。
 カロリーベースと生産額ベースを加えれば、自給率はそう低くはない。
 国策として、カロリーベースのみで自給率を低く見せ始めたのは、1995年頃からであった。
 カロリーベースで自給率を出しているのは、世界でも日本だけであると言われている。
 日本の農産物は、災害多い自然の中、先祖代々が育てた里山の恵みを受けた田畑で、気候風土に合った日本式農法を編み出し、絶えず生産向上の為に創意工夫で技術革新を繰り返して来た成果として、安心して食べてられるという信用を勝ち得ている。
 多少割高でも安全で安心という高品質ゆえに潜在的な国際競争力を持ち、か弱い日本農業と喧伝されいるのとは正反対に底知れない強さを持っている。
 問題は、都市部の消費者が、日本の農業を守る為に多少の高値になっても国産農産物を買う覚悟があるかどうかである。
 勿論。生産者は、価格を高騰させない為に大規模化と機械化等による経費削減に一層の努力する責任がある。
 日本の農産物が国際競争力があるにも関わらず、農業補助金を得る為に日本農業を弱く見せたという農林省や農協などによって規制され、輸出額は2,700億円で世界第56位に押さえ込まれている。
 山下一仁「高齢化、人口減少で国内市場は縮小していきます。一方で中間層の増加により、海外市場は拡大し続けています。日本の農業を発展・振興させるには、海外市場を開拓せざるを得ません」
 「日本では供給を調整する減反政策で高い米価が維持されているので、零細な兼業農家でも農業を続けられます。しかも農地を宅地などに転用すると莫大な利益が転がり込むとの期待から、農業をしないのに農地を手放さない『土地持ち非農家』も多い。
 さらに農地の固定資産税は低く、農業を継続すれば相続税贈与税が免除される優遇措置まであります。兼業農家と土地持ち非農家にとって、農地は農業の為の生産資本ではなく、単なる資産になっています」
 「多くの国民は『兼業農家は農業だけでは食べていけないから仕方がなく兼業している』と誤解しています。コメ作りについては機械化が進み、労働時間は26時間です。本職がサラリーマンで週末にしか田んぼに来なくても問題なくできる。
 12年のコメ農家平均の数値で、農業所得は約62万円ですが、農業外所得は約184万円、年金等が211万円ある。つまり多くが兼業農家年金生活者です。
 彼らは肥料や資材を農協から割高で購入し、農外所得をJAバンクに貯金します。さらに農地転用で生じた金もJAバンクに入金します。預金残高89兆円のメガバンクである農協は、農家への住宅ローンや教育ローンまで扱うので、農家戸数は多い方が確実に儲かる。農協の真の狙いは自給率の増加や食料の安定供給ではなく、自らの利益の為に農家戸数を維持する事だと言っても過言ではありません」
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 人は何時かは死ぬ定めである。
 問題は、汚染された有害な食べ物を食べて病死するか、或いは、病気を恐れて食べずひもじい思いをしながら飢え死にするかである。
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 隣国・中国は、約13億人の人口を抱えているが、少子高齢化による国際競争力の低下が問題となっている。
 中国共産党政府は、人口増加の抑制策として採用していた一人っ子政策の放棄を決め、人口増加に方針を低下させた。
 中国は、急増するであろう人口の生存の為の食べ物と経済活動に必要なエネルギーや資源を、ルール無視の手段で強奪している。
 中国人は、日本人と正反対に、質素節約を嫌い、大量消費を美徳としていた。
 食事に置いても、世界一の爆食家で、食べきれないほどの食事を作り、辺り構わずに食べ物を食い散らかし、大量の残飯を捨てている。
 一部の親中国派日本人は、自分だけの今の金儲けの為に中国人の浪費を歓迎して、地球上の食糧や資源を強奪する事に理解を示し、中国に配慮して許すべきだとしている。
 そうした日本人は、国益や公益よりも個人益や私益を優先している。
 彼らは、日本が食糧や資源を外国に依存しなければ生きて行けない事を知りながら、金儲けの為に日本よりも中国に媚をうっている。
 いずれにせよ、中国における人口爆発が起き、人類全体の人口を押し上げる事は確かである。
 中国における自然破壊で食糧生産量は減少し、当然の事として、食糧と資源の自給率はいま以上に低下する。
 日本の農業再生と食糧自給率の恢復を諦めた日本では、子供や孫の代で悲惨な状況に至る事は明らかである。
 今の大人は、自分の豊かさしか考えず、中国に異常なほど配慮し譲歩をしている。
 所詮。今の日本人とは、その程度の日本人でしかない。
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 農業産出額は、1980年代半ばの約12兆円から2014年には8.5兆円へ下落し、その下落は止まる所を知らず続いている。
 農業収入の減少により農家所得も減り、若者の農業離れが増え、若い担い手がなく高齢化が急速に進んでいる。
 農村地域から都市部への人口流出が相次いぎ、人口減少によって過疎集落は限界集落となり、地方消滅は確実となってきている。
 農村の地方崩壊により農産物生産は落ち込み、都市部による国産農産物の消費が伸びず、外国産農産物の消費が急増して、食糧自給率は下がる一方である。
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 日本の米は、和食用に高級食材として輸出できる量は微々たる数量で、一般大衆向けに大量に輸出する事は不可能である。
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 日本政府が、米余り状態を解消する為に年々生産量目標数値を引き下げている。
 2014年 788万トン。
 2015年 751万トン。
 参考値を739万トンとして、その数量を達成すれば補助金を出す事を決めている。
 今の政治家も官僚も財界も、金儲けにならない農業を本気で心配はしていない。
 特に。素人に近い政治家は、口では真面な発言しても、本心では農業軽視傾向が強い。
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