🐟4〗5〗─1─食料自給率の低い日本は、安価を優先して安心・安全ではない外国産食材を輸入している。ブラジル産鶏肉。~No.8No.9No.10No.11No.12No.13 @ 

食糧クライシス ―世界争奪戦と日本の農業―

食糧クライシス ―世界争奪戦と日本の農業―

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 消費者は、1円でも安い食材を買うが、よほどの問題が起きない限り国産や外国産にこだわらない。
 消費者心理として、国産が外国産より安ければ買うが、国産が外国産より高ければ買わない。
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 2017年4月15日号 週刊現代「ファミレス、居酒屋、ファーストフード
 ブラジル産の『心配な鶏肉』使っている……
 実は中国産よりもっと安心できない
 あなたも気付かず口にしているかもしれない──なんと日本人の食べる鶏肉の2割がブラジル産。これまで『安価で安全』と言われてきたが、本国で前代未聞の偽装が発覚した。その肉、大丈夫ですか?
 あの唐揚げもブラジル産
 『「若鶏の唐揚げ」などに使用。タイやアルゼンチンからも鶏肉を輸入している。ほかの肉類でブラジルからの輸入はなし』(ジョナサン)
 『グリル料理などに使用しております。今回の件を受けてさらに検査体制を強化しております』(ロイヤルホスト
 『「チキンマクナゲット」の加工品を輸入しており、ナゲット全体の7%程度がブラジル産ですが、問題の製造工場とは取引はございません。加工鶏肉の調達先を変更する予定もございません』(マクドナルド)
 『「鶏の唐揚げ」や「焼鳥串」に使用。ブラジル産鶏肉の使用は今後も継続いたしますが、国産鶏の使用も視野に入れて検討したいと考えております』(天狗)
 世界の鶏肉業界が揺れている、ブラジル連邦警察は3月17日、同国内の食肉加工場21施設を家宅捜索し、23日までに農牧・食料提供者の食肉検査官3人と食肉加工業者の幹部や獣医師ら26人を贈収賄と衛生基準法違反の容疑で逮捕した。衛生管理の担当者が買収されていたのだ。
 このニュースを聞いて、どうせ遠い国の話だろうと思った人もいるかもしれない。だが、その考が明らかに間違っていることは、冒頭のアンケート回答からもわかるだろう。日本の多くの外食店で、ブラジル産の鶏肉が使用されているのだ。
 もちろん、国内産にこだわっている店もある。
 『提供しているすべての肉類は国産のものを使用している』(鳥貴族)
 『メニューで使用している鶏の唐揚げはすべて国産』(餃子の王将
 しかし、本誌がアンケート調査を行った22件のうち、ブラジル産鶏肉を使用しているところが12件、使用していないところが6件だった(他に未回答4件)。未回答を除けば約7割がブラジル産を使用していた。
 『使用している』と回答したところは今後の安全管理を徹底するだろうから、逆に信用できるかもしれなない。……
 いずれにせよ、デフレが長く続き、安さの追求が至上命題になっている食産業において、ブラジル産鶏肉はなくてはならない存在なのだ。
 『国産』とウソをつく店も
 『うちのような小規模経営のレストランでは、人件費を削るわけにもいかないから、どうしても安い食材を使わざるをえない。特にランチを1,000円以下で提供するには、チキンはブラジル産でないとやっていけません。
 安いのはもちろんのこと、解凍して冷蔵庫に寝かせておいても品質が悪くならないんです。おそらく使っている薬の影響かなと思うのですが、本当のところはわかりません。ちょっと怖いとは思いますが、健康被害が報告されているわけでもなし、在庫リスクが減るので大助かりですよ。国産鶏と比較すると大味で水っぽい、脂が臭うなどの問題もありますが、まく加熱したり強めのソースをあしらってりでなんとかなります。』
 こう語るのは、都内のイタリア料理店店主。ブラジル産を国産に代えたら、ランチの鶏料理の値段を300円は上げないともたないという。
 ブラジルで具体的に発覚していたのは、肉に水を含ませて重さを偽る『かさ増し』、消費期限表示の書き換えなどの詐欺。具体的な健康被害はいまのところ報告されていないが、ブラジル産肉の安全性に対する懸念が世界的に広がっている。英国クイーンズ大学教授で『グローバル食の安全研究所』創設者のクリストファー・エリオット氏が語る。
 『ブラジルでは以前からラベルが七面鳥のソーセージとなっているのに、原料に鶏肉と大豆が使われていたり、消費期限切れの肉に発がん性物質と見なされている酸を加えてごまかしたりする事例がありました。今回の不正も当局は以前から認識していたようですが、強力な犯罪組織が関わっていたため、なかなか摘発できなかったのです』
 厚生労働省によると、平成27年度のブラジルからの食肉、食肉製品の輸入実績は43万7,000tで、このうち96%が冷凍鶏肉。43万tといえば、日本人が消費する鶏肉の約2割に当たる。つまり、われわれが口にする鶏肉の約5分の1が地球の裏側から冷凍されて送られてきたものなのだが、そのことを意識している日本人は少ない。食品問題に詳しいジャーナリスト吾妻博勝氏が語る。
 『中国からの輸入鶏肉は唐揚げやナゲットなど加工されてものに限られていますが、ブラジル産は生のまま冷凍され輸入されています。ですから、チェーン店の親子丼、全国の給食、弁当屋、イタリア料理店やフランス料理店などあらゆる外食産業で使用されている。スープの素などにも使用されていますので、外食する限り、ブラジル産の鶏肉を口にしないでいることはほぼ不可能でしょう』
 あまりに安価で、出来合いの鶏肉製品であれば『どうせ中国産だろう』と思って避けることはできる。だが、ブラジル産は解凍されれば生の食材として使用されているので、国産の鶏肉と区別するのは難しい。
 それどころか悪質な業者が冷凍肉のラベルを国産と張り替えてしまえば、簡単に偽装できてしまう。ある意味で中国産よりも危険な存在なのだ。
 これからも使い続ける
 関東で展開する焼き鳥店の店主は、『ブラジル産であることは客にふせて提供している』と語る。
 『うち全品店内で手打ちしています。中国産の冷凍焼き鳥では、不味すぎて商品になりません。串の打ち方が雑すぎて、火の通りも一定にならないし、肉質も悪い。
 それでも1本100円以内で提供しなければならないので、国産は使えません。カットのしかたにもよりますが、原料費が3倍になりますからぬ。しかたなくブラジル産を使うのですが、大味なのは否めません。でも、お客さんは1本300円の美味しい国産ではなく、100円の安い串を求めているのです』
 なぜここまでブラジル産の鶏肉が日本人の食卓に進出するようになったのだろうか?
 前出の吾妻氏が語る。
 『14年の鳥インフルエンザの影響で、中国産やタイ産の生肉が使用できなくなったことが大きく影響しました。ブラジルでは鳥インフルエンザが発生しておらず、EUなど世界中の国々へ輸出しているので安全管理体制がしっかりしていると見なされ、急速に輸入量が増加したのです。
 しかし、今回の件でブラジルの食肉産業に懸念の目が向けられることになった。ブラジル政府は、基幹産業ともいえる畜産が打撃をうけないように、早期の輸出再開を目論むでしょうが、日本は厳格な検査を続けるべきです』
 だが、ファミレスチェーンの元幹部はこう語る。
 『今回、問題になった施設の肉はごく一部。日本の消費者が安くて美味しいものを求める限り、ブラジル産鶏肉を使わないという選択肢はありえません。幸い、14年にマクドナルドのチキンナゲットが問題になったときほど、消費者は神経質にはなっていません。これからも「安価で安全な」ブラジル産を使い続ける店が多いでしょう』
 他の居酒屋チェーン店主が語る。
 『うちは唐揚げに照り焼き、つくねなど鶏のメニューが多い。輸入禁止が広がり、鶏肉価格が高騰すれば、新メニューを考えないといけない。在庫がなくなる前に、輸入を正常化してほしいですね』
 ブラジル産鶏肉に対する消費者の警戒心が高まらないように、嵐が過ぎ去るのを待つ──それが外食産業のホンネなのだろう。だが、一度傷ついた信頼を取り戻すのは容易なことではない」
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 国産の食糧だけで食べていけない自給率の低い日本は、食べて命に危険のある食料以外は目を瞑って輸入するしかない。
 国産は生産量が少なく高い、外国産は大量に購入できて安い。
 国産にこだわって外国産を食べないと、日本国民の多くが飢餓に陥り、多数の餓死者を出す危険性が大である。
 国内で生産される農産物のみでは、全ての日本国民を養えないのが現実である。
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 日本人が食べて生きて行くには、性善説で相手が提供してくれる食材を信用するしかなく、性悪説で相手を疑っていては際限のない不安に取り憑かれ発狂してしまう。
 だが、世界は、人間は、性善説ではなく性悪説で動いている。
 海外はもとより国内でさえも、性善説は愚かな幻想に過ぎず、性悪説という超現実のみが存在している。
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 江戸時代は、地産地消として目の前の食材を食べていた。
 高度経済成長期頃までは、国内輸送網が充実して僻地の国産さえも食べる事ができるようになった。
 バブル経済期前後から、日本農業不要論で、足りない食料は海外から輸入すべきだとなった。
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 食べもしない食材を食べたいという思いで大量に購入するが、冷蔵庫に入りきれなくなるや邪魔として、まだ食べられるのに生ゴミとして捨てている。
 そうした食品ロスは、年々増えている。
 大量生産、大量購入、大量消費は、人口爆発期のライフスタイル、放漫・浪費・飽食である。
 人口激減期のライフスタイルは、少量生産、少量購入、少量消費で、倹約・質素・少食である。
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森と文明

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新型世界食料危機の時代―中国と日本の戦略

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食と農を学ぶ人のために

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90億人の食糧問題―世界的飢饉を回避するために

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