🌌46}─1─自然災害で生活環境が破壊された時。日本列島の変動期時代。地球規模の地殻変動。~No.226No.227No.228 @ 

90億人の食糧問題―世界的飢饉を回避するために

90億人の食糧問題―世界的飢饉を回避するために

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
*災害多発列島・日本
 日本は、世界一気候変動の激しい島国の為に、世界有数の自然災害多発地帯といえた。
 日本人は、救いのない過酷な自然環境の中で、もがき苦しみながら必死に耐え、「無常」を噛みしめながら逃げ出さずに生きていた。泣きながら、涙に咽せながら、手を休める事なく一心不乱に働いた。
 祈りを捧げる前に、仕事中毒の日本人はひたむきに働いた。
 身の不運を忘れる為に、倒れるまで動き回っていた。
 霊験あらたかな優れた神や仏に幾ら祈ってもどうにもならない宿命であったが、日本人は無駄と分かっていても八百万の神々や御仏に祈らずにはいられなかった。
 それが、日本人の醒めた信仰心であった。
 日本列島に、普遍的な唯一絶対神が生まれず、天地を創造した全知全能の神への信仰が生まれず、原罪などに対する許しを請い、絶対神の恩寵と奇跡と愛を求める敬虔な祈りが生まれなかった理由である。
 天災で深刻な問題は、多くの餓死者を出す原因である、凶作を引き起こす冷夏と旱魃であった。
 農耕漁労民族の日本人は、自分と家族は当然の事ながらムラ共同体から餓死者を出さない為に、各地の神社で豊作になる様に祈りを捧げた。
 日本の神社信仰とは、逃げ出せない閉塞環境で、食糧を生産し、食べて生き残るという農耕漁労重視のムラ型「生きる」信仰である。
 稲を最重要な神性とする日本神話(天皇神話)に基づく神社神道を否定する事は、未来・明日の為に今・この時を食べて「生きる」という希望を否定する事である。
 天孫降臨天皇心神話は、稲を生きる糧とした天壌無窮の神勅がその神髄である。
 コメをはじめとする麦・粟・豆・きびは、金儲けの商品でもなければ満腹になる為の自己満足的な消耗品でもなく、人に幸福と救いをもたらし、命を守りつむぎ子孫に残す、神聖な民族の糧であった。
 皇室神道である「稲信仰」には、人智を越えた、大自然への感謝と畏敬と畏怖の念が存在している。
 ムラ信仰とは、自然を征服し支配し破壊改造する一神教とは正反対の、補完共生を優先する多神教である。
 つまり、人は「米」や「パン」を食べて生きるのである。
 一神教の信仰とは、将来・明日ではなく、今・今日の自分一人の利益を求めた都市型理念信仰である。
 民族性の強い日本人は、一人では生きられない事を知っていたので、天災の底知れない恐怖に囲まれながら、ムラで集団となって生活していた。
 日本人は、人は無力で、弱い存在である事を痛切に自覚していた。
 故に、地縁・血縁を「絆」として大事にする集団生活を大切にしていた。
 それが、閉鎖的な島国のムラ根性である。
 昔の日本人は、将来のある子供を「国の宝」として、子供の為に我慢して自分を犠牲にした。
 それが、日本精神で有り、大和魂であり、大和心であった。
 そこから生まれたのが、神風の特攻精神であった。
 昔の日本人と現代の日本人は、全く別の日本人である。
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 日本民族日本人ほど、如何なる宗教にも興味を持ち有り難く思う民族は珍しいが、それに比べて思い込んだら命がけといった熱烈な信仰心を持つ事はない。
 なぜか?
 宗教をすぐに信じるが信仰心が希薄なのは、日本列島の自然にある。
 天地創造と奇跡といった絶対神は、日本列島の自然では存在し得ない。
 隣人愛信仰のキリスト教を拒むのは、日本列島の自然である。
 日本列島の自然に寄り添えるのは、八百万の神々を祀る天皇心神話である多神教神道のみである。
 日本列島の自然には、排他的で不寛容な絶対価値観の一神教はなじまない。
 大自然そのもを八百万の神々と信仰する神社神道と祖先を神とする皇室神道は、一体で不分離の関係にあり、日本民族日本人という運命共同体の証である。
 天壌無窮の神勅を根拠とした五穀豊穣を祈願する祭祀王・天皇の農耕祭祀を否定する者は、民族的「絆」を断ち切った無味乾燥の民族的「心」のない無国籍日本人である。
 つまり、中国人化した日本人である。
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*自然災害で生活環境が破壊された時、
 大陸では、別の豊かな土地に移住し、故郷を再生する事なく捨て、人の住まない廃虚として残した。
 大陸に生きる者は、国境なき広大な大地を、自由に走り回って生きる民である。
 日本では、一時別の土地に避難しても戻り、諦める事なく粘り強く生活できる様に再生した。
 日本には、草むらに打ち捨てられた廃虚はなく、今も天皇を中心とした宗教的生地として生き続けている。
 日本人は、狭い土地に生きる民であるだけに、何があっても、何が起きても、どうなろうとも、何をされても、絆を大事にし、仲間を捨てて逃げ出そうとはしなかった。
 大陸は、人を信用しない人間不信の世界であるがゆえに、裏切りを防止する為に法的契約を重視する世界である。
 日本は、他人を信用・信頼する社会であるがゆえに、騙されて裏切られても相手に命を預ける社会である。そして、お互いに起請文を神社に納めた。
 大陸において、躾けられない犬や言う事を聞かない犬は生きる資格はないダメ犬として殺し、従順に命令に従う犬を賢い犬として飼った。南極大陸などに連れて行った犬が、連れて帰れなくなったら容赦なく殺して打ち捨てた。
 日本は、どんな理由があれ、殺した動物は例外なく人間同様に神として崇め祀り、霊魂も人間同様に冥福を祈って供養した。
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 国連の気候変動に関する政府間パネルIPCC)は、地球の温暖化により今世紀末までに海面の高さは26〜82センチ上昇するとの推測を発表した。
 その為に、海抜1メートルにある農耕地は水没の危機に追い遣られるとの懸念が表明された。
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*地球規模の地殻変動期。日本列島の変動期時代。
 2011年年3月11日 東日本大震災三陸沖を震源地とするM9.0の海溝型地震が発生して、地震に伴う大津波岩手県から千葉県に至る太平洋沿岸を襲い甚大な被害と多くの犠牲者を出した。
 巨大地震によって、東北地方は約5.3メートルも海側に移動し、日本列島は東西に引き延ばされた。
 日本の地盤は大きく歪(ゆが)み、その歪(ひず)みによって各地で地震や火山噴火が起き始めた。
 日本列島の変動期時代が始まったとされるが、それ以前に地球自体が数億年単位の地殻変動期に入っている。
 大地変動によって引き起こされる一次災害としての大型地震と火山噴火、それに伴って起きる津波や山崩れなどの二次災害は、人間の力では防ぎきれない以上、如何に被害を少なくしどう生き抜くか、知恵と工夫が求められている。
 破壊的自然災害は必ず起きる以上、人は、無意味・無謀に立ち向かうのではなく、しなやかに受け止め、しぶとく生き抜くか、その生き方が問われる。
 日本列島は、太古の昔から自然災害多発地帯であった。
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 南海トラフ地震
 12月24日11:02 産経WEST「昭和南地震から70年、備えよう次の南海トラフ地震 東日本大震災より強い揺れの特性踏まえ 
 12月21日、昭和21年の南海地震から70年を迎えた。
 南海トラフ地震は「東海」「東南海」「南海」の3つのエリアで発生してきたとされている。
 これら3つのエリアの地震が2〜3つ同時か、それぞれが時間差をもって起こるかしてきた。昭和21年の南海地震はその2年前の東南海地震と連動して起きたとみられている。
 ただ、ふたつの地震が起きた時期は戦中、戦後の混乱期。現在からみれば直近の南海トラフ地震でありながら、地震研究者にとっても「実体が分かりにくい」地震だ。
 このため、大きな津波を伴う地震といえば、どうしても、平成23年の東日本大震災のイメージで考えてしまいがちだ。
 しかし、南海トラフ地震東日本大震災日本海溝地震)は、津波避難や耐震化といった防災を検討する視点でみると、「似て非なるもの」と言わざるを得ない。
 地震の揺れや津波の被害を受ける陸地からみた場合、東日本大震災を引き起こした日本海溝は沖合約200キロに位置する。一方、南海トラフは陸地からの距離が100キロ。また、日本海溝の深さは約8000メートルに対し、南海トラフは4000メートル。つまり、揺れが陸地に伝わる強さは南海トラフの方が厳しく、津波の到達時間も短い。
 このため、気象庁地震研究者らは「耐震化と家具転倒防止を徹底してほしい」と呼びかける。
 津波から逃げる際、家屋の倒壊や家具の転倒が避難の妨げになるからだ。
 実際、歴代の南海トラフ地震の中で「比較的規模が小さい」昭和南地震でも、震源地から離れた岡山県南部で51人が死亡。干拓地の液状化による建物倒壊が原因とみられている。
 また、和歌山県新宮市高知県中村町(当時)では地震後の火災被害が大きかった。これは地震による水道管破裂や、倒壊家屋が道路をふさぎ消火活動を阻害したとされている。
 こうしてみると、南海トラフ地震は、津波被害とともに、強い揺れによる被害が多様な被害をもたらしていることが分かる。
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 昭和南地震=昭和21年12月21日午前4時19分に発生した和歌山県潮岬沖約50キロを震源とするマグニチュード(M)8・0の地震。被害は25府県にわたり死者・不明者計約1500人。地震の被災地の多くが空襲の被害を受けていたため、空襲がなければ、地震による被害の規模は拡大していた可能性があり、地震の過小評価を懸念する研究者もいる。」
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 12月24日11:41 産経WEST「皇室関連本でも防災教育の重要性訴え 前侍従長の川島裕さん近著「随行記」(文藝春秋
 川島裕さん著作「随行記」(文藝春秋
 平成19〜27年にかけて、宮内庁侍従長を務めた川島裕さん(74)は回顧禄「随行記」(文藝春秋)で、天皇、皇后両陛下が東日本大震災直後から、国民へのメッセージの中で、たびたび防災教育の重要性に触れられてきたことを記している。
 両陛下は26年夏、東日本大震災津波から避難した岩手県釜石市の小中学生に防災教育を指導した片田敏孝・群馬大院教授を皇居に招き、釜石の防災教育についてご進講を受けられた。
 川島さんは「随行記」の中で、「(両陛下は)釜石における防災教育の成果など、実に興味深いご説明を折に触れて受け続けられた」と記している。
 ご進講の際の両陛下のご様子について、片田教授は「子供たちの避難の様子だけでなく、子供たちがなぜそのような行動をとったのかについて、ひとつひとつ納得するまで質問された。予定の時間を大幅に超え、両陛下のご熱心さに圧倒される思いだった」と振り返っている。
 片田教授は、川島さんから「皇后さまは防災教育に関わる新聞記事を保存され、熱心に読まれている」と伝えられたという。
 ご進講に同席した、川島さんは「両陛下は多くのご進講を受けられたが、釜石に長年足を運び、多くの子供たちや地域の人々と粘り強い対話続けた片田教授の話は、とりわけ迫力のあるものであった。両陛下も終始うなずきながら耳を傾けられていたお姿が非常に印象的だったと記憶している」と話している。」
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 12月24日12:19 産経WEST「今年の地震続発踏まえ、防災教育・訓練促進で「国民強靱化」を 東日本大震災から5年9カ月、指導で全国めぐる片田敏孝・群馬大院教授が訴え
 東日本大震災から5年9カ月。今年は三重南東沖、熊本、鳥取地震が続発した。東日本大震災津波から避難した岩手県釜石市の小中学生を指導した群馬大院の片田敏孝教授(災害社会工学)は「国民が自然災害にきちんと向き合えるよう、さらに意識改革が必要だ」と訴える。
 釜石では大震災の8年前から、子供や教員、保護者たちと防災教育・訓練に取り組んできた。手応えを感じ始めた矢先に発生した。
 結果として、子供たちは自主的に判断し避難した。この事実は「釜石の奇跡」として国内外に発信され、全国の自治体や学校から指導の要請が相次いだ。
 ただ、訪ねた土地のその後の取り組み状況をみると、釜石の事例に学び、独自の防災対策を定着させている所とそうでない所がある。この違いは、釜石の事例のどこに注目するかによるようだ。
 定着していない所は、釜石の子供たちの避難の状況のみに関心を向け「逃げましょう」と結論づけるのみにとどまっている。
 一方、定着している所は、避難状況よりも「大震災以前に、釜石ではどのような取り組みをしていたのか」に注目。各地域の実情に応じ、独自の防災教育・訓練を実施している。
 私は、釜石の事例を紹介する場合、必ず「想定を信じるな、状況下で最善を尽くせ、率先避難者たれ」の「避難三原則」に触れる。これは「逃げ方」ではなく、いつどこで何が起きても、回避行動をとるための「姿勢」の重要性を示す。
 これこそが、釜石の子供たちが大震災以前に8年掛けて身につけてきた「自然災害に向き合うための姿勢」であった。
 避難三原則ではまず、自然災害は人間の想定通りには起こらないことを認識する。その土地の災害の史実を知れば、同じパターンで災害が起こりえないことは分かる。自然災害は想定通りにならないからこそ、「状況下で最善を尽くす」ことが求められる。
 また、災害発生時に、住民の置かれている状況は誰一人として同じではあり得ない。同じ屋根の下にいたとしても、居場所によって生死が分かれることもある。
 だから、住民一人ひとりが主体性をもち避難行動をとることが求められる。「率先避難者たれ」はそのことを指す。
 自然災害に向き合う姿勢を行動に移すためには、その地域に特徴的な災害について歴史や災害のメカニズムの学習を通じ、まず“敵”を知ることが必要だ。
 そのうえで、各家庭、自治会レベルで「避難計画」をつくり、年に何回かは地域ぐるみ、自治体ぐるみでの避難訓練に取り組む。そして、毎年の訓練の反省を基に「避難計画」の質を高めていく。
 こうした取り組みは全国の自治体に広がりつつある。北九州市、埼玉県戸田市大阪府摂津市では自治会単位で避難計画作りを進めている。
 和歌山県では、海沿いの地域を中心に住民自らが津波からの避難道を整備している。その数は大震災以降で数百本に上るという。
 特筆すべきは高知県黒潮町だろう。南海トラフ地震の被害想定で34メートルの津波高を示された同町では、全職員を防災担当に指名し、各世帯の避難カルテを作成。さらに、過疎対策として防災缶詰の新産業まで立ち上げた。
 これらの地域では、防災教育で子供たちの自主性が高まり、地域の結束力が高まるなど地域再生をもたらしている。やはり、災害への一人ひとりの意識を向上させるいわば「国民強靱化」こそが、災害列島で生き抜く術なのだろうと感じている。」
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日本民族の危機―葦牙よ萌えあがれ!

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  • 作者:岡 潔
  • 発売日: 2011/10/01
  • メディア: 単行本